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家族のはなし

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うちの家族の日常
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#家族

最後まで泣き笑い

今朝、父は逝った。 父の周りでは大勢の人が泣き笑いしていた。 朝起きてすぐはまだいつもの浪曲のような唸りが聞こえていて、 呼びかければなんとなく頷いたり、反応があったけれど 訪問看護師さんが来てバイタルを測ると、昨日まで、お手本のようだった血圧が、もう、上が62で辛うじて測れるほどだった。 「…おそらく、24時間もつかどうか…」 会わせてあげたい人などにお声かけ下さいとの事だった。 父の兄弟が来て、孫が来て、従兄弟や父の親友が駆けつけた。 その頃には浪曲はもう聞

ドクン ドクン 体の中を走る音は 時計のように 休むことなく 私の命を知らせている。 いつかその音が 飛び跳ね、狂った時を刻み出すと あなたの命の終わりを知らせる。 あなたの胸に耳を当て そっと目を閉じる。 無限の世界が広がりだす。 私があなたの一部なのだと理解する。 ありがとう。 ごめんなさい。 愛しています。 私の中を走る音が 強く、 強く、 そう、告げている。

日々夫婦 日々親子

父と母今日、退院した母の髪は根元から6cmくらい真っ白で 入院した時よりおばあちゃんになっていた。 それを見た父が 「真っ白になってしもうて 笑 竜宮城の生活はどうだった?」 と冗談を言って、そこに居たみんなが笑ってた。 「お陰様で快適でした。鯛も平目も美味しかったです」 母も恥ずかしそうながらも、ユーモアで返す。 我が親ながら、いい夫婦だなとほっこりする。 私と母帰ってきてすぐ、母の髪を染めてあげて お風呂で洗ってあげる時、 一生懸命、ギューッと固く目