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Netflixオリジナル映画の個人的ベスト10!(2021-2023)

以前にNetflixのオールタイムベストを書いてから約2年。

オリジナル映画(ドラマじゃなくて映画だけ)の出来では各種プラットフォームの中でもまだまだ群を抜いていると感じるNetflix。
この2年間でまたまた素晴らしい作品が出てきているので2021-23(4月まで)のNetflixベスト10を発表したいと思います!
そして一番最後には更新した個人的オールタイムベストランキングも。

今年は久しぶりに気兼ねなく外出できるGW。
それでも「外出ると人がたくさんいてめんどくさい〜」という皆さまに向けて!

※重大なネタバレはありません。ご安心ください。

<ルール>

○ 映画に限る
○ Netflixオリジナルに限る
○ 短編/ドキュメンタリー作品は今回は除外
○ 日本以外では劇場公開されている作品や、日本で期間限定で劇場公開されている作品は含む
○ 製作年/時間/ジャンルは映画レビューサイトFilmarksに記載されてる情報から抜粋
○各タイトルの最下部に私のFilmarks(ネタバレありの詳しいレビュー)に飛ぶリンクがありますので気になる方はそちらへ
※ かなりジャンルや作風に偏りがあるかもしれませんがご容赦ください。
広告や忖度など一切無しのランキングです。


No.10 『カーター』(『Carter』)

2022年/132分/ アクション・スリラー

韓国映画は映画館でもNetflixなど各種プラットフォームでも常に話題性のある作品を作っていますが、まずは少し変化球のそんな韓国映画。
『殺人の告白』 『悪女 AKUJO』チョン・ビョンギルJung Byung-gilが監督/脚本、ドラマ版『猟奇的な彼女』チュウォンzuwonが主演。
これ一言で表すと【現在地上に存在する全てのアクションを詰め込んだ映画】です。
元々チョン・ビョンギルはスタントコーディネーターで過去作でも凄いアクションシーンを見せてくれていたのですが、今回はさらに上回っています。
全編をワンカット風に撮っている132分間(本編120分くらい)の内で一体何人が死んでいるのだろうか?
ただ内容は全くありません…
途轍もないアクションを見るためだけの映画なのでそこはご注意ください。
あとグロ描写が苦手な方もご注意ください。

<ネタバレありの詳しいレビューは下記より>


No.9 『HUSTLE ハッスル』(『Hustle』)

2022年/117分/コメディ・スポーツ

続いてはスポーツモノでアメリカのプロバスケットボールリーグNBAのお話です。
『アンカット・ダイヤモンド』アダム・サンドラーAdam Sandlerが製作/主演で、NBAのスーパスターであるレブロン・ジェームズLeBron Jamesが製作を務める作品。
個人的にはもっと高い位置にランクインしていてもおかしくないのですが、あまりにもNBAという狭いジャンルに特化しているためこの位置にしました。(私はNBA大好きなので…)
ということで【バスケ好きなら2倍、NBA好きなら5倍楽しめるスポ根映画】です。
NBAの現在の顔でもあるレブロンが製作を務めているとの事で、メインとなるファンチョ・エルナンゴメスJuancho Hernangómezや舞台となるフィラデルフィア76ersの選手を初め、現役・引退関わらずスター選手やコーチ、球団幹部までたくさんのNBAに関わる人々が出演しています。
全員の年俸を足したら簡単に映画1本作れるほど豪華。
ジャンル系(特にスポーツ)にありがちな実際にプレイしているシーンがイマイチ…みたいな事が全くありません。
そりゃみんなプロなのでね。
さらに「挫折したおじさん×夢を追う青年」という王道展開も非常に感情移入しやすくて良いです。
ラストのクレジットシーンにも注目してください!

<ネタバレありの詳しいレビューは下記より>


No.8 『エノーラ・ホームズの事件簿2』(『Enola Holmes 2』)

2022年/130分/アクション・アドベンチャー・冒険・クライム

続いては続編モノのこのミステリー(シャーロック・ホームズパスティーシュ)作品。
続編という事でドラマ『Fleabag フリーバッグ』ハリー・ブラッドビアHarry Bradbeerが監督、日本でも上演中の舞台『ハリーポッターと呪いの子』ジャック・ソーンJack Thorneが脚本、ヘンリー・カヴィルHenry Cavillやヘレナ・ボナム=カーターHelena Bonham Carterなどの出演者とほぼフルメンバーが続投。
主演はもちろん製作も兼任する『ストレンジャー・シングス 未知の世界』ミリー・ボビー・ブラウンMillie Bobby Brown。
もしもまだなら前作から観ることをおすすめしますが、前作同様にミステリーが前面に出てくるというよりはコメディやラブストーリーなど様々なエンタメ要素のバランスが取れた作りになっています。
そして何よりこの物語(シリーズ)の重要な点は【女性の社会進出と連帯を描くアドベンチャー映画】
劇中で主人公は絶対に男性に助けられません。
彼女を助けるのはいつも女性。
これは製作も兼任するミリボビの信念のような感じがします。(関係ないですがミリボビ婚約おめでとう!)
前作では薄かったシャーロック・ホームズ感も増してきて、今後が楽しみなシリーズです!

<ネタバレありの詳しいレビューは下記より>


No.7 『ドント・ルック・アップ』(『Don't Look Up』)

2021年/145分/コメディ

『俺たちニュースキャスター』シリーズなどのコメディから始まり『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『バイス』などの社会派モノ、脚本ではMCU『アントマン』、製作では『ザ・メニュー』などのエンタメ作品まで幅広く活躍するアダム・マッケイAdam McKayが製作/監督/脚本を務める今作。
出演がレオナルド・ディカプリオLeonardo DiCaprio、ジェニファー・ローレンスJennifer Lawrence、メリル・ストリープMeryl Streep、ケイト・ブランシェットCate Blanchett、ジョナ・ヒルJonah Hill、ティモシー・シャラメTimothée Chalamet、ロブ・モーガンRob MorganとおそらくNetflix史上No1のオールスターキャスト。
内容としてはアダム・マッケイお得意の【現代社会をシニカルに描く超ブラックコメディ映画】
そうです。これ予告やサムネを見ているとSFとかアクションとかと勘違いしそうなんですけど、バリバリのコメディなんです。
コロナ禍で注目されるようになった専門家(研究者)と政府の関係や天変地異が起きた時の市井の人の反応を皮肉たっぷりに笑いに変えています。
不謹慎とかそんなものを超えて本当にヒドい時ってもう笑うしかないんだなと感じた、日本ではなかなか作れないような怪作です。

<ネタバレありの詳しいレビューは下記より>


No.6 『パリピ的アフターライフの始め方』(『Afterlife of the Party』)

2021年/109分/コメディ

『陽のあたる教室』スティーヴン・ヘレクStephen Herekが監督、『ビクトリアス』シリーズヴィクトリア・ジャスティスVictoria Justiceが主演。
タイトルからしていかにもB級ポップコーンムービーの匂いがしますが、いやこの邦題に騙される事なかれ!
【笑いあり、涙ありで最後には少しだけ前向きになれる青春コメディ映画】
そんな素敵な映画です。
特に主演のヴィクトリア・ジャスティスと親友役のミドリ・フランシスMidori Francisの友情物語が素晴らしいハイライト。
劇中でヴィクトリアが語る“キスもデートもできない事よりももっと最低な事”で涙腺が崩壊しました。
おそらくNetflixにあまたあるオリジナル映画の中でも最もギャップのある映画のひとつだと思います。
見逃している方はぜひ!

<ネタバレありの詳しいレビューは下記より>


No.5 『ちひろさん』

2023年/131分/

ここで初めての2023年作品であり日本作品。
『街の上で』今泉力哉が監督/脚本、『花束みたいな恋をした』有村架純が主演。
この作品はまさに今泉力哉の真骨頂である【誰も気づかないけどそっと優しく根をはって生きている人たちの物語】
これまでの今泉作品同様に何かが起きるわけではありません。
ただ繰りかえされる日常。しかしその中にこそ大切なメッセージが隠されている気がします。
特に年々素晴らしさを増している有村架純のキャリアベストとも言える演技。
実は前まで個人的に有村架純の演技が苦手だったのですが、ここ数年本当に大好きな役者の1人です。
この内に秘めた強固でありながら何処か儚げな想いがどんどん周りに波及していくみたいな役をやらせたら、日本で右に出る役者はいないのではないかと思います。
みんなが観終わった後にちひろさんに会いたくなる。そんな素敵なお話です。


No.4 『浅草キッド』

2021年/122分/ドラマ

今年のカンヌ国際映画祭で新作を披露する北野武『浅草キッド』を原作に、『青天の霹靂』劇団ひとりが監督/脚本、『誰も知らない』柳楽優弥がビートたけし役を、『月の満ち欠け』大泉洋が師匠である深見千三郎を演じる。
まず柳楽優弥が本当にビートたけしの生き写しのようでビックリします。
これぞ役者。
そして大泉洋との師弟の掛け合いがまた素晴らしくも切ないのが良いです。
これは【芸事という一つの事を極めることの美しさや儚さを描いた伝記映画】
伝記映画はどうしても暗くシリアスになりがちなんだけど、やはりコメディアンの物語なので笑いが要所要所で混じっているのもポイント。
漫才や浅草・東京芸人などにゆかりがなくても楽しめる内容になっているはずです。
そして劇中で流れるビートたけしが歌う『浅草キッド』に思わず涙。

<ネタバレありの詳しいレビューは下記より>


No.3 『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』(『Pinocchio』)

2022年/117分/ファンタジー・アニメ・ミュージカル

タイトルの通り『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー作品賞を獲得したギレルモ・デル・トロGuillermo del Toroが製作/監督/脚本を務めるストップモーションアニメ
ここでアニメです。
ただ普通のアニメと思うなかれ!
Disneyの『ピノキオ』ではなく原作のカルロ・コッローディCarlo Collodiの『ピノッキオの冒険』を元にさらに舞台をムッソリーニ時代に変更するなどかなりオリジナリティが強いので、一旦あのピノキオは忘れた方が良いです。
そんな今作を一言で表すと【監督の異形への偏愛が爆発した夢と希望の少年冒険譚】
独特な造形に最初は違和感を感じつつもいつの間にか愛おしく思えます。
そして現代的なテーマを織り交ぜつつ、しっかりと少年が自分を乗り越えていく物語を描くストーリーの秀逸さは抜群。
ユアン・マクレガーEwan McGregor、ケイト・ブランシェットCate Blanchett、ティルダ・スウィントンTilda Swintonジョン・タトゥーロJohn Turturroクリストフ・ヴァルツChristoph Waltzと豪華なオールスターキャスト(アニメなのでCV)にも注目!

<ネタバレありの詳しいレビューは下記より>


No.2 『tick,tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!』(『Tick,Tick…Boom!』)

2021年/115分/ミュージカル・伝記

舞台『ハミルトン』『イン・ザ・ハイツ』など様々なミュージカル制作で絶賛され続けてきたリン=マニュエル・ミランダLin-Manuel Mirandaが初めて映画で監督をした作品。
超有名ミュージカル『RENT』をほとんど1人で制作しながら、その晴れの舞台を見る事なく急逝した伝説のミュージカルクリエイターであるジョナサン・ラーソンの伝記ミュージカルです。
物語はその少し前、彼が亡くなる5年ほど前が舞台。
自分の作る作品が理解されず、何者にもなれないまま30歳を迎えて焦るラーソン。周囲の人々は夢を諦めて環境を変えていく。
この作品は【夢とか自分の未来との向き合い方を見つめ直すきっかけを与えてくれる物語】
夢を諦める周囲の人々と夢を諦めないラーソン。
ただ夢を諦める=悪いではなく、その事自体とどう向き合うのかを描いた素晴らしいミュージカルです。
ラーソン演じるアカデミー主演男優賞にもノミネートされたアンドリュー・ガーフィールドAndrew Garfieldの素晴らしい歌と演技にも注目!

<ネタバレありの詳しいレビューは下記より>


No.1 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(『The Power of the Dog』)

2021年/125分/恋愛・西部劇

『ピアノ・レッスン』ジェーン・カンピオンJane Campionが監督/脚本、ベネディクト・カンバーバッチBenedict Cumberbatchが主演を務め、アカデミー監督賞ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(最優秀監督賞)などを獲得した今作品が1位!
初めに言っておきますとFilmarksのジャンルでは西部劇になってますが、あのいわゆるみんなが想像するような西部劇ではないです。
ただし一部動物の解体シーンが出てきますので苦手な方はご注意を!
およそ100年前のアメリカの片田舎が舞台なのですが、あらゆるモノを対比として使いながら現代社会のテーマとなる様々な事象をこれでもかと提示している作品。
これはまさに【現代の踏み絵のような映画】
なんとなく見ているばただ眠くなるだけだし、自分の頭をフル回転させて感じようとすると色々なモノが見えてきます。
ある意味でとっても恐ろしい映画です。
勇気のあるそこのあなたはぜひお試しください!
カンバーバッチはもちろん若手のコディ・スミット=マクフィーKodi Smit-McPheeの演技も素晴らしいです。

<ネタバレありの詳しいレビューは下記より>


オールタイムランキング

更新されたオールタイムランキング!
若干前のランキングから前後があるのは時間が経っているのでご愛嬌ということで。

No.10 『パリピ的アフターライフの始め方』(『Afterlife of the Party』)
No.9 『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』(『The Half of It』)
No.8『ちひろさん』
No.7『浅草キッド』
No.6 『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』(『Pinocchio』)
No.5 『マリッジ・ストーリー』(『Marriage Story』)
No.4『tick,tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!』(『Tick,Tick…Boom!』)
No.3 『軽い男じゃないのよ』(『Je ne suis pas un homme facile』)
No.2『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(『The Power of the Dog』)
No.1 『シカゴ7裁判』(『The Trial of the Chicago 7』)


あた作品が溜まってきたらランキングやろうかなー思います。
気になった作品があればぜひGWにどうぞ!


映画にコロサレル!


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