見出し画像

アマプラオリジナル映画の個人的オールタイムベスト10!

Amazonでは年に一度のBLACK FRIDAYが本日より始まりましたが、今回はそんなAmazonの動画配信サービスAmazon Prime Video(以下アマプラ)のオリジナル映画ベスト10をリストアップいたしました。
以前に番外編としてNetflix全作品のオリジナル映画ベスト10をリストアップした所これが好評だったため今度はアマプラ版をご紹介したいと思います。
そして今回はトップ10全ての作品について映画レビューサイトのFilmarksにてレビューを書いているので、そちらのリンクも同時に載せておきます。
詳細なレビューを読みたい方はそちらをどうぞ。

※このページ自体には重大なネタバレは含みません。しかしFilmarksへ移動しますと重大なネタバレを含んでおりますのでご注意ください。
またリンク先に関する事には一切責任は持てませんで自己責任でお願いします。

<Netflixのベスト10>


アマプラオリジナルとは?

以前に書いたNetflixオリジナル映画は一部の限定劇場公開を除くと基本的にはNetflixに加入していないと観ることができません。
しかしアマプラのオリジナルの概念は少し様相が違っていて、特にアマゾンスタジオ(Amazon Studios初期〜2019年くらいまでに制作・配給された作品は“Amazon Original”の冠があっても日本では劇場公開されたり、ソフト化されている作品が多いです。
例えば2018年のガス・ヴァン・サントホアキン・フェニックスがタッグを組んだ『ドントウォーリー』(『Don't Worry, He Won't Get Far on Foot』)はアマプラで検索すると画像に“Amazon Original”と明記されているが、日本では日本テアトルが配給権を獲得し劇場公開&ソフト化されています。
さらに複雑なのが同じく2018年ドレイク・ドレマス『ホンモノの気持ち』(『Zoe』)。こちらは北米を含む海外での配給権はアマゾンスタジオが、日本(とベネルクス)ではNetflixが持っているために居住している場所によって観れるストリーミングが違うという捻れ構造が起きていようです。
これは初期のアマゾンスタジオが共同配給という形が多く、さらに日本など海外では別の配給会社に配給権を売り渡していた事が理由と思われます。
ちなみに2020年頃からは共同配給という形はほぼ無くなってアマゾンスタジオの配給作品はアマプラのみで配信される形になりました。(ただしラジ・リ『レ・ミゼラブル』『マイ・スパイ』など一部劇場公開の作品もあります。)

という事で今回のアマプラオリジナルの私的定義は、
【2021/11/26現在、アマプラ(日本)のトップカテゴリー“Amazonオリジナル”の“海外映画”内(現在、日本映画はないため)にある映画】
とします。
アマプラ内の検索由来ですので見る時期によっては変更になっている場合もあるかもしれませんがご了承ください。

<ルール>

アマプラオリジナルの私的定義を決めたので今回のルールを。

○ 映画に限る
○ アマプラオリジナルに限る(上項目参照)
○ 短編/ドキュメンタリー/アニメ作品は今回は除外
○ 上記のアマプラオリジナルの定義に従って、劇場公開やソフト化されている作品も含む(劇場公開・ソフト化されている作品は★マーク付けます)
○ 製作年/時間/ジャンルはFilmarksに記載されてる情報から抜粋
※ かなりジャンルや作風に偏りがあるかもしれませんがご容赦ください。
完全に個人の主観であり、広告や忖度など一切無しのランキングである事は保証いたします。

No.10 『ゲット・デュークト!』(『Get Duked!』)

2019/87分/ホラー・コメディ


まず10位のこちらの作品はかなり賛否あるようですが、個人的には好きでした。
ケミカルブラザーズカサビアンミーゴスなどのMVを作っているニニアン・ドフの初長編監督/脚本のコメディ/ホラー(?)な作品。
イギリスのシステム(公爵ってなに?)とかちょっとグロい描写があったりヒップホップが爆音でかかっていたりと一見すると「ん?」と身構えてしまいそうなんですけど、骨組みがしっかりしていてなかなか面白いです。
田舎の山野とヒップホップの対比やイギリスが抱える問題の差し込み方と、
【とにかくセンス爆発系の映画】
映像や音楽ももちろんかっこいいので意外な良作です。


No.9 『トゥモロー・ウォー』(『The Tomorrow War』)

2021/140分/アクション

『レゴバットマン・ザ・ムービー』クリス・マッケイが監督、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』 シリーズのクリス・プラットが製作総指揮/主演、『セッション』(『Whiplash』)J・K・シモンズ『ザ・ハント』ベティ・ギルピン出演のSFアクション。
元々はパラマウント・ピクチャーズが劇場用に作った作品という事もあり、VFX・音響・美術かなりレベルが高い。
特にSFとかアクション映画あるあるの“暗い場所での戦闘シーン”はほとんど無く、しっかり白昼の下での戦闘を描き切ったのが素晴らしいです。
SF設定が緩かったり140分という長さは気になるものの、
【これがストリーミング配信で観れる現代に感謝だなという映画】


No.8 『さよなら、僕のマンハッタン』(『The Only Living Boy in New York』)

★2018/88分/ドラマ


『(500)日のサマー』 『アメイジング・スパイダーマン』マーク・ウェブが監督、『ファンタスティク・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(『Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald』)カラム・ターナー『アンダーワールド』シリーズのケイト・ベッキンセイル『クレイジー・ハート』ジェフ・ブリッジス出演のヒューマンドラマ。
自分で脚本を書かない系監督マーク・ウェブは作品によって色が全然違うので、過去作好きだからと言って安易に手を出すと痛い目に合うのでお気をつけください。
今作品はサイモン&ガーファンクル『ニューヨークの少年』(『The Only Living Boy in New York』)を下敷きにした物語なので、この曲の内容やサイモン&ガーファンクルの背景を知っているとさらに楽しめます。
ちょっと残念な邦題やウディ・アレン風味のニューヨークの撮り方など語るべきことはたくさんあるけど、
【全て最後のどんでん返しに持っていかれる映画】
ただミステリーではないため伏線とかはありませんのであしからず。


No.7 『ワンダーストラック』(『Wonderstruck』)

★2018/117分/ドラマ・ミステリー

いまだ裁判中の事件を実名で映画にしているとアメリカで大きな話題になっていて12/17から日本でも公開になる『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』の監督トッド・ヘインズの作るファンタジードラマ。
トッド・ヘインズが描く世界はいつも、その時代の輝きと対照的にそこでもがき苦しむマイノリティです。
今作は2つの時間軸をモノクロ/無声とカラー/発声として時代の移り変わりを見せながら、その中で生きている耳の聞こえない少年少女の姿を丁寧に描いています。
大きな仕掛けや大どんでん返しがあるわけではないので好き嫌いは分かれそうですが、
【静かな中にも確実に観た後に心に残るディティール重視の映画】
2つの時代の主役ミリセント・シモンズオークス・フェグリーの光る演技にも注目。


No.6 『フランクおじさん』(『Uncle Frank』)

2020/95分/ドラマ

『アメリカン・ビューティー』の脚本家であるアラン・ボール製作/監督/脚本、『アベンジャーズ』(『Marvel's The Avengers』)シリーズのポール・ベタニー『It/イット “それ”が見えたら、終わり。』ソフィア・リリス出演。
70年代のアメリカ南部を舞台に異性愛者と同性愛者、都市部と地方部などの対比を上手に使いながら3人の異なる環境に身を置く登場人物たちが、それぞれの居場所を探していくヒューマンドラマ。
アランボールの実体験を下敷きにしていると言う事で終わり方も含めて、
【優しさと厳しさ両方が入り混じったメッセージ性の強い映画】
ポール・ベタニーとソフィア・リリスの間で軽妙な立ち回りを見せるウォーリー役のピーター・マクディッシにも注目。


No.5 『トゥループ・ゼロ〜夜空に恋したガールスカウト』(『Troop Zero』)

2020/94分/ドラマ・ファミリー

『gifted/ギフテッド』 『アナベル 死霊博物館』(『Annabelle Comes Home』)などで天才子役の名をほしいままにするマッケンナ・グレイス主演。
正直これだけでファンは観たくなると思うのですが、『フェンス』ヴィオラ・デイヴィス『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』アリソン・ジャネイが脇を固める完璧な布陣です。
内容はアマプラオリジナルには珍しいファミリー・ホームドラマモノ。
しかしそこはアマプラなので普通の家族は描きません。
1977年の設定なので70年代アメリカの素晴らしい音楽に乗せながら家族のため自分のために奮闘する、
【マッケンナ・グレイスに夢中になる事間違いなしの映画】
ちなみに今作品がアマゾンスタジオ配給作品でアメリカでも公開されずに配信のみになった初めての作品みたいです。


No.4 『Everybody's Talking about Jamie~ジェイミー~』(『Everybody's Talking about Jamie』)

2021/114分/ドラマ・音楽・ミュージカル

イギリスBBCのドキュメンタリーが舞台化され人気になったので映画化されたミュージカル作品。
監督ジョナサン・バッテレルは舞台から続投し、主演のマックス・ハーウッドは大規模なオーディションから大抜擢されました。
ミュージカル作品ながら内容がおざなりになる事もなく、ドラァグ・クイーンになりたい高校生ジェイミーの苦悩や葛藤、そして彼の下す決断を重くなりすぎないような絶妙なタッチでしかし誠実に描いています。
【青春・差別・家族・絶望そして希望、全てが詰まったミュージカル映画】
オリジナル舞台版のジェイミー役ジョン・マックレアが、とあるシーンにチョイ役で出演していたりと舞台からのファンには嬉しいサプライズもあります。
最後のエンドロールまでお見逃しなく!


No.3 『明日への地図を探して』(『The Map of Tiny Perfect Things』)

2020/99分/ファンタジー

『パラノーマル・アクティビティ4』 『名探偵ピカチュウ』(『Pokémon Detective Pikachu』)キャスリン・ニュートン、来年2月の日本公開を控える『ウエスト・サイド・ストーリー』カイル・アレン主演のSFラブストーリー。
アマプラオリジナルにはあまりない青春一直線ラブストーリーモノです。
アマプラは意図してかどうかはわからないのですが、マイノリティを扱ったどちらかと言うと色の暗い作品が多いので、今作のようなキラキラ系作品はとても珍しいように感じます。
しかしタイムリープ要素が加わっているためただのラブストーリーに留まらず、物語的にも映像的にもちゃんと一捻り足してあるので非常に面白い出来になっています。
音楽のスタイリッシュさや主演2人の瑞々しい演技も含めて、
【広範囲の人々をカバーできる平均点高めの映画】
になっているのではないでしょうか。
ただタイムリープに関しては一つの要素であり、メインテーマではないので期待しないでください。


No.2 『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』
(『Borat Subsequent Moviefilm: Delivery of Prodigious Bribe to American Regime for Make Benefit Once Glorious Nation of Kazakhstan』)

2020/96分/コメディ

とにかくタイトルの長い今作ですが、2006年アメリカ公開の映画『ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』(『Borat: Cultural Learnings of America for Make Benefit Glorious Nation of Kazakhstan』)の続編です。
サシャ・バロン・コーエンの作り出す人気キャラクター“ボラット”はサシャ自身が売れっ子になってしまったため封印していたのですが、久しぶりの復活。
自称カザフスタン人ジャーナリストのボラットがトランプ元大統領の側近ペンス元副大統領や法務顧問ルディ・ジュリアーニなどに突撃してとんでもない事になっていきます。
前作からの強烈なブラックユーモアに加えて、今作は娘役マリア・バカローヴァを加えた事で少しヒューマンドラマ的な要素も加わりました。
前作の完璧なモキュメンタリーから少し路線が外れてしまった事は残念ですが、現状のサシャの知名度などを考慮すると最善の選択だったように思います。
ラストでの大オチも含めてこれぞまさに、
【サシャ・バロン・コーエンにしかできない現代のアメリカを炙り出す最高のコメディ映画】


No.1 『サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ〜』(『Sound of Metal』)

2019/120分/ドラマ・音楽

そして1位は納得の方も多いのではないかという名作です。
2021年のオスカーでも2部門(音響と編集)を受賞しているこの作品はまさに“体験する映画”です。
実は最近映画館の最新鋭設備でも公開していまして早速観賞してきたのですが、個人的には家でワイヤレスのイヤホン(またはヘッドホン)で視聴した時の方が良かったです。(骨伝導とかだとさらに良いのかも?持っていないのでわかりませんが...)
理由は無意識のままに音が耳に飛び込んでくることによって聴覚障害の主人公の追体験をする事ができるから。
映画館でただ座って観ているよりも、家でワイヤレス環境でちょっと立ったり座ったり寝転んだり、時には飲み物を取りに行ったり、そういう日常の中で体験することに意味があるのだと強く感じました。つまりこれは、
【ストリーミング配信のためにあるような映画】
主人公の耳が聞こえなくなる売れないバンドのドラマーリズ・アーメッドと聴覚障害者の先生役ポール・レイシーが激しくぶつかり合うシーンを含めて“自分が信じているモノ(価値観)への疑念と再考”を促すような脚本もまたお見事です。
“障害”という概念がこの映画で変わるので、全ての人に見ていただきたい個人的アマプラNo1作品!


途中でも触れましたが、アマプラは基本的にマイノリティや差別・偏見などをテーマにしたオリジナル映画が多い印象です。
そこがNetflixやDisney+などの他のSVODサービスとアマプラを違う色合いにしています。
これから先もその路線を突き進むのか?それともファミリー映画や恋愛映画のようなコンテンツを増やしていくのか?
これからもAmazonPrimeVideoから目が離せません!


番外編にコロサレル!

頂いたサポートはこのnoteとは全く関係ないことに使わせて頂きます。でもエンタメのためになることに。