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「雪虫のダンスのように 二十四式のための詩」

手のひらから雪虫が生まれる
さあ、二十四式が始まった
フワッとふたつ白い雪
ゆっくりあがってさがった 

おたがいに扇の軌跡で
まるを描いて見つめ合う
すこし顔をそむけては
はなれてみたり

寄せてははなれ
そんな戯れの遊びをくり返し
ふわりととまる
すこしはなれて見つめ合いながら

ひとつが大きな孤を描きながら
はなれて
ギリギリをすれ違いながら
寄せてははなれまたとまる

前に前に進みながら
ふと向き合ってとまり
再び後ろ後ろに進みながら
寄せてははなれ

おたがいに半円の軌跡で球をつくり
端と端で見つめ合いながら
はなれていく
そして寄せて向き合い並んで飛ぶ

片方が虫かごに囚われて
相方がにげる
しかし助けに向かい
自由になった

八の字でまわりながら
喜び舞う
右にひらひら
左にひらひら

また片方が囚われた
でも大丈夫
もうひとりで出られる
相方に見守られながら解き放たれた

ふわりと下から交差して
おたがいに大きな孤を描く
再び交差し中位の孤
それから向かい合いながら小さな孤へ

その動きが楽しくて
もう一度大きな孤を描いた時に
ひとつが上からつまみ上げられてしまった
相方は下弦の軌跡で大きくにげる

今度はにげた方も囚われた
でもちゃんと教えてあげた
相方にも自由になる仕方
ひとりでも大丈夫

大きく大きくただよう
それぞれまるい円を描いて
しかしひとつが下に急降下
だけど相方が一緒に落ちて共に上がった

あぁもう大丈夫
もうどんなことがあっても
不安じゃない
あなたがいるから

再並んで下弦を描きながら
横ならびに向き合って
もうはなれていても
はなれることはない

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