『ふんふん なんだかいいにおい』感想メモ

絵と文 西巻茅子
こぐま社

初版は1977年。私が持っているのは、1978年第4刷です。

久々に本棚から出して読んでみました。

全頁フルカラーで挿絵がカワイイ絵本です。

【あらすじ】
朝食を終えたさっちゃんは、走って出かけます。
慌てて食べたので、目玉焼きと、イチゴジャムと、鳥のスープのにおいが顔などについたまま、駆け出していきました。

道中、橋できつね、森で熊、野原でオオカミに会います。
美味しそうなにおいがしているので、さっちゃんにねだったりします。
さっちゃんは、そんなに食べたいなら、私のうちに行けばお母さんが食べさせてくれると言います。すると、彼らはさっちゃんの家に行きました。

さっちゃんは、お花を摘んで家に帰ります。
お母さんの誕生日だからです。

家に帰ると、きつね、熊、オオカミが来ていて、食べ散らかしていました。
お行儀の悪さをさっちゃんがたしなめます。

お母さんにプレゼントの花束を渡すと喜んでくれて、抱っこしてもらいました。それを見ていた狐と熊は、お母さんが恋しくなり帰ります。

オオカミの子は、お母さんが小さい頃に死んでしまったと泣きだします。さっちゃんのお母さんが抱っこしてくれると、満足して帰っていきました。

さっちゃんは友達が増えたと、お母さんは子どもが増えたみたいだと喜びます。

【感想】
著者の言葉にあるように、子どもと食べ物の相性の良さが際立ちます。
子どもたちは美味しいものが大好きです。
イメージが具体的に広がってワクワクする感じがあるかなと思います。

また、母性と美味しい食事のイメージの結びつきも想起されます。
お母さんに、美味しいものを食べさせてもらう。おふくろの味、家庭の味、家庭のあたたかさ、お母さんのやさしさ。

さっちゃんは、お母さんが大好きです。
お誕生日に喜んで欲しくて、花束をプレゼントします。母子の労りあいです。

お行儀の悪さも指摘されて、すこし教訓も入っていますね。

お母さんがいない子どもの寂しさも描かれます。

お母さんや家庭を大事にしましょう。
食事は落ち着いてこぼさず食べましょう。
食べこぼしたらきちんとふきましょう。
お友達を大切にしましょう。

などがメッセージでしょうか。


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