童話『はじめてのおこづかい』感想メモ

フォア文庫『はじめてのおこづかい』
生源寺美子作、山中冬児画
1983年

収録
はじめてのおこづかい
はじめてのたんじょう会
はじめてのなみだ
はじめてのガールフレンド
はじめてのおとまり

久々に読んでみました。
小学生くらい男の子や女の子が主人公で、それぞれ別の短編です。
やっぱり、はじめてのおこづかい、の印象が強かったです。

・はじめてのおこづかい
主人公:きこ(女の子)
毎週50円ずつおこづかいを貰えます。
学校で、一個60円の「ねんど消しゴム」を5人に買ってきてあげると約束したけれど、おこづかいをためるまで何か月もかかってしまい、やっとプレゼントしたところ、時間がたってしまっていたので喜んでもらえずがっかりしました。お金の使い方、お金の大切さなどを学びました。

お金をためなくてはいけないのに、自宅近くの「たなかや」さんで、小学生の女の子が好きそうな商品がたくさんでてきて、ピン止めやお菓子などをつい買ってしまいます。その様子がとてもかわいらしくて楽しかったです。

小さいころ、読んだ記憶がよみがえってきました。その頃、「ねんど消しゴム」が欲しくなった気がします。

・はじめてのたんじょう会
きこの弟の「のぼる」が主人公。
親友のまさとに、誕生会に読んでもらえずがっかりしたお話です。
小学生にとって、誕生会って大事です。
ボールをプレゼントしようとお店で箱に入れてもらいリボンをかけて準備していたエピソードなどは、うっすら覚えていました。

・はじめてのなみだ
泣き虫の女の子のお話です。
めそめそ泣く子が、ワーッと泣くことを経験するお話し。

・はじめてのガールフレンド
男の子が主人公です。
気になる女の子が出来ます。

・はじめてのおとまり
かやこが主人公。同級生のしのちゃんは、チューリップを折ったり、かやこのお父さんのことをケチだと言ったりしたので、かやこは彼女を意地悪な女の子だと思い嫌いになりました。しかし、実は事情を抱えていると分かります。彼女のお父さんが事故で入院していたのです。お父さんの手術の際、お母さんがお父さんの病院でつきそうので、しのちゃんは親戚の家に預けられ、学校も来なくなります。しのちゃんが親戚の家を抜けだして、誰もいない自分の家に帰ってきて泣いていたため、お父さんが手術の間い、かやこは自分の家に泊めてあげることにしました。

小学生で自我が芽生えてくる時期の女の子や男の子の色々なエピソードが描かれていてとても面白かったです。


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