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臨床心理士による放課後等デイサービスへのコンサルテーション7

【対象児】
小学校2年生の男児。ASDとADHDの診断あり。コンサータ服用中。

【事業所が困っている対象児の行動】
奇声をあげたり、大声を出す

【上記の行動に対するスタッフの対応】
声のものさし(声の大きさを視覚的に示したもの)を使い、今の本人の声の大きさと、適切な声の大きさを伝えている。

#1~#2「枠組みの共有」

コンサルテーションの枠組みの中で具体的に行ったこととしては、事例検討の中に筆者が入り、『①対象児の行動問題』
『②対象児の行動問題が起こる理由(背景)』
『③理由(背景)をふまえたアプローチ』
までを、スタッフの意見を集約しながら整理していった。
スタッフから出た意見をまとめると以下のとおり。

【スタッフから出た意見】
①行動問題:奇声や大声を出す

②理由(背景):
「苦手なことから回避するために大声を出しているのかもしれない」、
「ADHDの特性があり、学校や家庭で失敗体験を多く積んでいるのではないか。日々の生活でたまったストレスを、事業所で発散しているのかもしれない」

③アプローチ:
「達成感が得られるようなかかわりを行っていく」
「苦手に直面するのではなく、得意を活かせるような課題を提供する」
「褒めることを中心としたかかわり、特別感や満足感が得られるようなかかわりを行う」
「クールダウンができるスペースをつくり、本児にとっての落ち着ける場所をつくる。クールダウンスペースを適切に利用できるようになることで、奇声や大声ではない、適切な回避の方法を獲得する」

その日の夕方、実際の療育場面を観察し、スタッフの動きを把握し、次の事例検討の中で振り返りを行った。

振り返りに関しても、スタッフの動き方に対してこちらが指摘するのではなく、スタッフがその時何を考えてそのように動いたかということを聞き取っていった。

次回に続く

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