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臨床心理士による放課後等デイサービスへのコンサルテーション4
前回の続き
コンサルテーションに関する研究はいくつかあるが、多くの論文で共通して挙げられている課題が2つある。
それは、「専門家への依存」の問題と、「自信の低下」の問題である。
コンサルテーション関連の研究が発展する中で、このような問題をふまえた実践もなされるようになった。
たとえば、阿部(2015)では、保育士が自分たちでコンサルテーションを運営できるような能力を高めることを目的としたコンサルテーションが実施されている。
つまり、何か問題が起きたときに専門家の力を借りることなく、スタッフが自分たちで問題を解決していけるような能力を高めるようなコンサルテーションを実施しているということである。
具体的にはどのようなものかというと、コンサルタントがスタッフに対して、問題解決のための話し合いの方法を教えるというものである。
コンサルタントは答えを教えるのではなく、話し合いのポイントを置いてくるのである。
そうすることで、保育士は自分たちでポイントを押さえた話し合いを運営することができるようになり、「何か問題が起きても自分たちで解決することができる」という主体的な保育者になっていったという。
この阿部の取り組みは上記で挙げた、「専門家への依存」の問題と「スタッフの自信の低下」の問題を解消するものと言える。
筆者もこれまで放課後等デイサービスへのコンサルテーションに長年携わってきた。
依存の問題も、自信の低下の問題も、身をもって実感してきたところである。
そのような流れから、筆者も阿部と同様の考え方で、問題解決のための話し合いの方法を教えるというコンサルテーションの形をとってきた。
しかし、それでもうまくいかないケースが存在する。
本稿では、筆者がある放課後等デイサービス事業所のスタッフに対して行ったコンサルテーションの1事例を取り上げ、コンサルテーションにおけるスタッフの成長について考察する。
さらには、「果たしてコンサルテーションとは何か?」といういささか大きなテーマをも論じることを目的とする。
次回に続く
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