臨床心理士による放課後等デイサービスへのコンサルテーション11
#12 ブレークスルー〜急な知らせ
次回の事例検討会のやり方について、児童発達支援管理者の先生から相談があった。
自分たちにとって、『療育とは何か』を振り返るセッションを一度設けたいというのである。
筆者としては、前回のセッションの中で事業所のスタッフとつながることができたという思いがあったため、ここで『療育とは何か』を改めて考えるということは良い機会となるのではないかと思い、その申し出を受けた。
コンサルテーション当日は、『療育とは何か?』というテーマで、それぞれの思いを付箋紙に書いてもらって模造紙に貼り、グループ分けして共有した。
スタッフからの意見では、「自分を理解するためのお手伝い」「自分がここにいてもいいという居場所を作ること」「自分の力だけでは難しいことを手伝ってもらいながらやり遂げる場所」などの意見が出た。
たくさんの付箋紙が張られた模造紙を最後に皆で眺めた際には、ここにいるメンバーで「目指す療育のかたち」が共有できたように思え、今後への希望が湧いたような気がした。
その日のセッションが終わった後、児童発達管理責任者と数名のスタッフが、事業所を退職するという話を聞かされた。
理由は、福祉のことを全く理解しない管理者との意見の相違からだという。
筆者としては驚きを隠せなかったが、療育には今後も携わっていく予定であるとのこと。
ちょうど同じ地域に新規の放課後等デイサービスが立ち上がる予定であり、その管理者が、「スタッフ全員うちで雇いたい」と言ってくれているとのことであった。
次回につづく
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