頭がごちゃついている状態
頭の中がごちゃついていることがある。
ごちゃついていることがある、というより、だいたいごちゃついている。
頭の中が整理されていると、ただそれだけで、自分が進みたい方向に自然に進めるような気がする。
世の中には自分以外にも、頭の中がごちゃついている人は、結構いるんじゃないかなあという気もする。
今はなんとなく、頭の中がごちゃついているとき、「自分は今頭がごちゃついているなあ」ということを意識できている気がするけれど、子どもの頃には、というよりつい最近まで、自分の頭の中がごちゃついているかどうかを自覚することもできなかったような気もする。
なんだかよくわからないまま、イライラしたり、焦ったり、不安になったりしていたんだろうと思う。
カウンセリングで会う子どもたちを見ていると、「ああきっとこの子たちも、以前の僕と同じように、なんだかよくわからないまま、イライラしたり、焦ったり、不安になったりしているのだろうなあ」と思ったりする。
でも、じゃあ、「あなたは頭がごちゃついているだけなのだから、頭の中を整理すればいいのよ」と言ったところで、それはほとんどなんの役にも立たない。
もしその子たちに、「あなたは頭がごちゃついているだけなのだから、頭の中を整理すればいいのよ」と言ったとしたら、「ああ、そうなんですね」という反応をする子どももいれば、「うるせぇ、殴るぞ」という反応をする子どももいるだろう。
でも、どちらにしても子どもの身にはなっていない。
実際に話を聞いてもらいながら、頭が整理されていく、その体験を通して、子どもたちに「頭が整理された状態」と「頭がごちゃついている状態」の違いを感じてもらうことが必要なのだろうと思う。
仮に子どもたちが「頭が整理された状態」になったとして、「ほら、それが頭が整理された状態なのよ」と言っても、それもはじめはピンとこないだろう。
でも、私たちにできることは、何度も何度もそれを繰り返しながら、子どもたちが自分で、「頭が整理された状態」と「頭がごちゃついている状態」の違いを感じとれるようになる日を待つ、ということだけである。
それに気づく日が来るのは、3ヶ月後かもしれないし、20年後かもしれないし、私のようにおじさんになってからかもしれないし、もしかしたら死ぬまで気づかないこともあるかもしれない。
でも、結果は結果である。
関わり方に意味があると信じて、関わりたいと思う。
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