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日本会議の研究 / 菅野完を読んで

「日本会議の研究」読了。日本会議が行なっている活動の根源を辿って行った先にいるのは櫻井よしこやケントギルバートではなく70年安保の学生運動を続けるかつての右翼学生達。自民党が信頼するのは50年以上も地道な活動を続ける組織力とオペレーション能力。その根幹にあるには「生長の家原理主義」。組織だった宗教団体のオペレーション能力は政治家にとって魅力的で公明党と連立を組んだのも必然と思われる。日本会議の原動力は谷口雅春の教えであり「神=天皇=谷口雅春」。ネトウヨが騒ぐようネタは日本会議にとって瑣末なものであり本当の目的は、憲法から「個人の尊厳」の削除と「家族保護条項」。自民党が夫婦別姓を頑なに認めないのも頷ける。しかし、選挙にまつわる膨大なオペレーションを行うには宗教団体に頼るほかないという現状に嫌気がさす。「日本会議」は多くの人が想像するような謎の巨大組織ではない。地道な活動を続ける堅実な右翼組織。故に選挙に強い。故に強敵。

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