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控え選手はフレーミングを練習せよ(野球界における下剋上の方法)

2022年春の選抜高校野球は大阪桐蔭の圧倒的な強さでの優勝で幕を閉じた。高校野球全国4112校の頂点に立った。そんな輝かしい栄光とは裏腹に悔しい思いをした高校球児はとても多い。当然だが、嬉しい思いをした選手よりも遥かに悔しい思いをした選手の方が圧倒的に多いのだ。

高校球児、いや野球選手にとってもっとも悔しいことは、スランプに落ちいった時でもプレーでミスをした時でも、ましてや試合に負けた時でもない。野球選手にとってもっとも悔しいことは試合に出られないこと。野球をプレーしたくてもプレーできない時である。

日本の野球界、特に高校野球というものは世界的に見ると異質である。アメリカや南米のU18の世代の選手はとにかく試合に出るために野球をプレーし、野球を練習している。チームもそのように選手を起用し、チームの全体が試合に出られるように配慮をしている。それに対し日本の高校野球といえば、強豪校と呼ばれる高校だと部員が100名を超え、メンバー外は日常的に練習すらまともに出来ないことも珍しくはない。

基本的に、公式戦にメンバーとして入れる人数は20名。部員が100名いれば実に80%の選手がメンバーにすら入れないことが現実である。三年間一度もユニフォームを着れず、一度もベンチ入りをすることなく高校野球生活を終えることも珍しくない。これはどのカテゴリで野球をプレーしようがつきまとう問題で、実際に全国制覇を果たした大阪桐蔭にもメンバー外は存在する。自分はメンバーに入れずに、チームは甲子園出場を決め、心の底からチームのことを応援出来ているメンバー外の選手がどれだけいるだろうか。少なくとも私は高校時代、スタンドから自チームを応援していて、心の底から応援出来ていたことは一度もない。むしろメンバーに入れない悔しさのほうが圧倒的に上回る。自分のチームが負けても良いと思うほどに自分の精神状態は落ち込んでいた。自尊心は失われ、チームに自分の存在価値を見いだせない。メンバー外の選手はこの気持ちに常に苛まれている。

ではどうすればこの気持を晴れせるのか。心の底からチームの勝利を願い、チームに自分の居場所を見出し、今後の人生の核となる自尊心を手に入れる方法は果たしてあるのか。その答えは一つ、チームでメンバーに入り、試合に出られるチャンスの機会を獲得することである。

今回はそんな野球への情熱はありながら、高校野球という過酷な世界でもがき苦しんでいるすべての球児に向けた高校野球における下剋上の方法を伝授したいと思う。

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