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ふと帰りたいと思う


 懐かしく思う。
こどもの頃に住んでいた町にもう一度帰れたらいいのにと常日頃考えるようになった。

 公園でサッカー、水遊び、遊具を使ったちょっと危ない遊び、自転車の練習用のサイクリングロードでのマラソン練習。

「ばいばい」

手を振って帰って行くちいさい友達の姿は、
おとなの私にとってはもう見ることは出来ない。  

 今はもういない母と行ったスーパー。
卒園式にたんぽぽを摘みながら歩いた歩道。
お祭りで迷子になった大通り。
ちょっと鼻につく納豆工場(幼少期は納豆だと気づかなかった)。

全て大切なもの。

 早く大人になりたかった私は、今ではこう思う。

「あの頃に戻りたい」

たしかに、嫌な記憶やトラウマなどがほぼ多くを占めるような波瀾万丈なこども時代だったけれど、その中にある素敵な記憶は未だに私の中で光っていて、きっと年老いていくまでは忘れることはないんだと思う。




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