野生児を育てる元僧侶の狂気を描いた『野良人間 獣に育てられた子どもたち』
【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:92/92🤯
ストーリー:★☆☆☆☆
キャラクター:★☆☆☆☆
映像:★★☆☆☆
音楽:★☆☆☆☆
映画館で観るべき:★☆☆☆☆
【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ホラー
サスペンス
ミステリー
ドキュメンタリー風
【あらすじ】
犯罪大国メキシコ。そこでは、1日約300人、年間約10万人が誘拐され、3万人近くが命を落とすと言われている。身代金目的だけでなく、人身売買や臓器売買の犠牲となっているその犠牲者の多くが幼い子どもたちである…。
1987年、南西部の都市オアハカ郊外の人里離れた山岳地帯の民家で火災が発生し、家屋は全焼、焼け跡から1本のビデオテープが発見される。
その後紛失するが、2017年に見つかり、約30年ぶりに真相が明らかになる。ビデオに映っていたのは、まるで野獣のように野生化した子どもたちだった。
30年前、そこで一体何が行われ、何が起きたのか?なぜ、子どもたちは野生化し、どうやって獣のように生きてきたのか?
【感想】
現状のワースト1位になってしまうぐらいには、正直よくわからない映画でした。。。これ、理解できる人いるんですかね。。。
<画の雰囲気と中身がリンクしていない>
まず、映画の構成としては、現代のインタビュー映像と、VHSビデオに記録された過去の映像が半々ぐらいで流れます。で、このビデオテープっていうのがね、ホラー要素強く感じませんか?『リング』とか『パラノーマル・アクティビティ』の影響が大きいんでしょうけど(あ、ホラー苦手なのでリンク貼りませんw)。そのビデオには、元僧侶のフアンが野生児たちを更生する様子が記録されてます。
で、実際にホラーっぽい雰囲気も漂っているんですよ。なんですけど、、、実際はホラーじゃないっていう。元僧侶が野生児たちを更生する様子が淡々と記録されているのみです。もはやビビり損(笑)このギャップが、僕はマイナスだと感じました。
<野生児たちの背景が謎>
次に、結局この野生児が何なのかっていう謎が放置されっぱなしなんですよ。サブタイトルが『獣に育てられた子どもたち』っていうので、てっきりオオカミか何かに育てられた子どもたちを保護したのかと思ったんですけど、どうやら人間(親?)によって山の中に捨てられたっぽくて、、、?
なぜそうなったのかは語られていませんし、その理由もわからないし、フアンに保護されるまでどうやって生き抜いてきたのかもわかりません。一体、彼らが何者なのか謎に包まれたまま、話が進んでいく気持ち悪さがありました。
<実話なのか作り話なのか>
あと、この映画がフィクションなのかノンフィクションなのかもはっきりわからないんですよ。ドキュメンタリー風に作られているののでリアルではあるんですが、いろいろ「ありえないだろ」っていう部分も多くて、イマイチのめり込めませんでした。これがガチのドキュメンタリーだったら衝撃なんですけど。。。
<肝は元僧侶のフアン>
結局、この映画では野生児たちの存在よりも、元僧侶のフアンをどう捉えるかが重要なんでしょうね、おそらく。最初は、子どもたちをこんな目に遭わせた人に憤りを感じ、親身になって彼らに教育を施そうとする真面目で優しい人物には映ります。それが、途中から精神がおかしくなってきたのか、神について語り始め、子どもたちにも「神の羊飼いになりなさい」と強制する始末。
副題の「獣」ってこのフアンのことなんだろうなって思います。彼には自分の理想とするものがあるんですが、それを妄信するあまり、だんだん他のことが見えなくなってきます。そういう何かに取り憑かれてしまう恐怖を描きたかったのかなって。
いろいろ深読みすれば、もっとわかる部分もあるのかもしれませんが、、、ま、普通に観る分にはまったくもって内容がわからない映画ですね(笑)「ロッテン・トマト驚異の100%」っていう評判だったのでどんな衝撃作かと思いきや、、、だいぶアテが外れました。。。(笑)そんな怖い映画ではないので、そこは安心してください。
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