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スプラッター少なめ、刑事サスペンス多めで、「あー、そういう感じ?」だった『スパイラル:ソウ オールリセット』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:134/189
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

サスペンス
ホラー
スプラッター
刑事モノ
人肉

【あらすじ】

地下鉄の線路上。舌を固定され、宙吊りの男。舌を引き抜いて生きるか、ぶら下がったまま死ぬか?

猛スピードの電車が轟音を立てて迫り、やがて無残にも男の体は四散する。それはジグソウを凌駕する猟奇犯が仕掛けた、新たなゲームの始まりだった――。

ターゲットは《全て警察官》。不気味な渦巻模様と青い箱が、捜査にあたるジーク(クリス・ロック)と相棒ウィリアム(マックス・ミンゲラ)を挑発する。やがて、伝説的刑事であるジークの父・マーカス(サミュエル・L・ジャクソン)までもが姿を消し、追い詰められていくジーク。

ゲームは追うほどに過激さを増し、戦慄のクライマックスが待ち受ける。

【感想】

『ソウ』シリーズ最新作です。実はこれまでこのシリーズ観てなかったので、今作を観るために、この1週間で過去作全部観ました。もはや人生の半分ぐらいのスプラッターを吸収したかもしれない気分です(笑)

<ゆーてもそこまで、、、な感じ>

これね、もう結論から言ってしまうと、正直インパクトは薄かったです。巷では「ジグソウを凌駕する猟奇犯」やら「凄惨で新しいゲーム」やら言われていますけどね。この1週間、ソウ漬けだった身からしたらなおさら、「いや、ジグソウの方がヤバかったでしょ」って思います。

このシリーズに何を求めるかによりますが、スプラッターを期待していると、だいぶ物足りないかもしれません。その分、サスペンス要素が強くなっているので、これは前作に引き続きって感じですが。

<スプラッター要素の強い過去作>

このシリーズ、『1』は秀逸な設定で面白かったです。で、続く『2』~『7』がただのスプラッター映画になっちゃってるんですよね。よくもまあそんな装置作るよねってぐらいの殺人装置に囚われる人々。体の一部を犠牲にないと抜け出せない構造。で、ほとんどの人がグッチャグチャになって死にます。「そんなんなる?」ってぐらいに腸は出るし、骨は出るしのB級感(笑)

それが、8作目の『ジグソウ:ソウ・レガシー』(2017)から方向性が変わってきます。スプラッターシーンは控えめになり、推理要素が強くなってるんで。真犯人が誰かを追っていく展開で、ラストに驚きの結末っていう。

<ちょっとハードな刑事モノの今作>

今作はその8作目の流れを引き継いでいると言えます。相変わらず死に方はエグいですが、そこはもはや見せ場ではないんですよ。警察官が次々と殺されていく中で、真犯人を追う刑事モノを主軸にしたサスペンス映画。その点、緊迫感とスピード感はあったと思う。

とはいえ、ラストのオチを観ても特に驚きはないぐらい普通(笑)というか、1週間ずっとこのシリーズを観ていた身からしたら、もうそのオチしかないよねって思っちゃって。多分、勘のいい人ならすぐにわかるかと。。。

<人が死に至る背景の差別化>

特に印象的な部分としては、人が殺される背景が過去作と一線を画すかなってことですかね。これはシリーズを観てきた人にしか違いがわからないかもしれませんが。

これまではジグソウの思想が色濃く出ていました。「命のありがたみを知って生きる」、「過去に犯した罪を償う」など。囚われた人々はジグソウとは何の関係もなく、その生き方を改めるためにゲームに参加させられていたんですよ。

ところが、今作はそうではありません。ジグソウの模倣犯である"真犯人"は、ある強い目的のために行動しているんです。それが何なのかは、ぜひその目で確かめて欲しいですが、まあサスペンス映画によくあるような感じはあります(笑)

<その他>

全体的にそこまで衝撃的ではないですが、内容からして観るなら映画館がいいとは思います。『ソウ』シリーズとして観ると期待外れなので、あくまでも"ハードな刑事モノ"として観ることをオススメします。ちなみに、続きはありそうな予感。この映画のヒット次第だとは思いますけど(笑)


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