希望もへったくれもない『半世界』
2019年公開映画26本中16位。
予告を見たとき、
いわゆるおっさんメインのヒューマンドラマだろうなって思ったら、
まさにそのまんまでした(笑)
39歳、何かを諦めるには早すぎ、焦るには遅すぎる、
人生のちょうど折り返し地点に差し掛かる年齢の3人の男の物語。
父親から継いだ製炭業を何となく営み、
年頃の息子に手を焼く稲垣吾郎と、
結婚せずに中古車販売をしている渋川清彦、
地元を離れ自衛官として働いていたがふらっと戻ってきた長谷川博己、
という味のあるメンツ。
(物語はこの長谷川博己が地元に戻ってきたところから始まる)
中学時代の同級生3人が再び集まることで、
昔を思い出し、懐かしい気持ちに浸りながら、
しかし何か希望が湧いて人生が好転するということもなく、
それぞれの「世界」を生きる日常淡々系映画。
諦めていた夢をもう一度とか、
久しぶりの出会いが運命を変えてゆくとか、
そういうのをちょっと期待したんだけど、
まったくなかった。
現実と真摯に向き合い、懸命に生きていく、
ただ、それだけのこと。
自分の人生もこうやって幕を閉じるんだろうなと思うと、
ちょっと寂しい気もするけれど、
とはいえ、今はそれなりに満足している。
時々、そんなんでいいのかなって自問自答はするけど、
年齢と共に、いろいろなことがどんどん面倒くさくなっていってしまい、
何かしようとは思わない。。。
まあ死んだら、自分にとっては全部なかったことになるし、
それでもいいのかなー、なんて。
でもなー、なんて。
この映画で一番よかったのは、長谷川博己の圧倒的強さ。
長谷川自衛官だから強いんだよ。
そこが一番かっこよかった。
自己防衛術が学べます。