見出し画像

ユダヤ人からナチスへの報復を描いた『復讐者たち』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:116/154
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

ヒューマンドラマ
ホロコースト
ユダヤ人
ナチス
復讐

【あらすじ】

1945年、敗戦直後のドイツ。ホロコーストを生き延びたユダヤ人男性のマックス(アウグスト・ディール)は難民キャンプに流れ着き、強制収容所で離ればなれになった妻子がナチスに殺された事実を知る。絶望のどん底に突き落とされたマックスは復讐心を煮えたぎらせ、ナチスの残党を密かに処刑しているユダヤ旅団の兵士ミハイルと行動を共にすることに。

そんなマックスの前に現れた別のユダヤ人組織「ナカム」は、ユダヤ旅団よりもはるかに過激な報復活動を行っていた。ナカムを危険視する恩人のミハイルに協力する形でナカムの隠れ家に潜入したマックスは、彼らが準備を進める“プランA”という復讐計画の全容を突き止める。

それはドイツの民間人600万人を標的にした恐るべき大量虐殺計画だった……。

【感想】

毎年ホロコーストを題材にした映画はいくつか公開されますが、今年は4本もあります。まずはこの『復讐者たち』ですね。

<ユダヤ人によるリベンジがテーマ>

この手の映画は歴史のお勉強も兼ねているので、個人的には映画としての面白さよりも、史実を知れることに意味があると思っています。この映画に関しては、ホロコーストで迫害されたユダヤ人のナチスに対する“報復”がテーマです。

最初のテロップから映画の中に引き込まれる作りがよかったですね。

「想像してみて欲しい。もし何の罪もない自分の家族が殺されたら?兄弟、姉妹、両親、子供たち」

主人公のマックスはまさにそんな苦難を味わいます。離ればなれになった家族。その安否を気遣うも、実際はすでに殺されて埋められたと。。。

<殺してやりたい気持ちと、踏ん切りがつかない気持ちの葛藤>

愛する家族が何の罪もなしに殺されたんですよ?これ以上の復讐の動機はありませんよ。やがて、ナチス残党処刑を行なっているユダヤ旅団に合流した彼は、より過激な報復活動をするユダヤ人組織「ナカム」の存在を知ることになります。

彼らもまた、ナチスの残党狩りをしているので、目指している方向としては、マックスたちと同じはずなんですけど、ナカム(中村という人のあだ名にしか聞こえませんがw)とは、程度の激しさに大きな差がありました。彼らが行おうとしているのは大量虐殺。もちろん、マックスも気持ち的には絶対ナチス全員亡き者にしたいはずですよ。ただ、ナカムがやろうとしていることを実現してしまったら、罪もない他のドイツ人たちも巻き添えを食らうんですよ。そこに葛藤するんですよね。絶対許せない相手なのに、それをやったらナチスと同じになってしまうって、きっと心のどこかで感じていたんだと思います。

「真の復讐とは、遠く離れた地で、次の世代と平和に暮らすこと」みたいなことを誰かに言われていて、確かに長い目で見たらそうですし、すごく真っ当な意見だとは思うんですけど、、、いやー、僕だったら感情的にはなかなか受け入れられないですね。。。

<その他>

今この時代、そして世界の中でもとりわけ平和な日本にいると、いきなり家族が殺されるという事態にはなりにくいですが、マックスの気持ちを考えると、とても心苦しい映画でしたし、ユダヤ人がナチス狩りをしていたという史実も初めて知ることができて、僕としては有意義な作品でした。

ただ、ストーリーの進行的には暗く淡々と進んでいくので、勉強にはなることは確かなんですけど、映画として面白いかというと、それはまた別のお話かなって(笑)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?