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万年セカンドポジションで体だけ許しまくる『男の優しさは全部下心なんですって』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:121/123
   ストーリー:★☆☆☆☆
  キャラクター:★☆☆☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★☆☆☆
映画館で観るべき:★☆☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

ヒューマンドラマ
セックス
ビッチ
メンヘラ

【あらすじ】

遊園地の跡地にできたショッピングモールのメリーゴーランドで働く宇田みこ。好きになる男には常に本命がいて、"恋愛体質純情セカンド"状態の日々を送っている。

次々訪れる出会いと別れの仲、日地上と非日常の境界線も超え、宇田みこの奮闘は続く……!

果たして、宇田みこは愛する人の一番手になれるのか?

【感想】

この世界観や作中に流れるBGMなど、監督には独特の才能とセンスがあると思いました。ただ、映画自体が面白いかというと、個人的にはあまりハマれませんでしたね。。。

<男目線からしたらヒロインはただのビッチ>

ストーリーはあってないようなもので、ヒロインの宇田みこが恋人の家を追い出されるところからスタートします。彼女はただの浮気相手でしかなかったので。

その後、いろんな男に会うんですが、全員本命アリ。つまり、彼女は常にセカンドポジションなんですよ。でも、求められたら、とりあえず体は許しちゃう。それが本命に見つかって、追い出されて、また別の男のセカンドになって、、、っていう繰り返しです。

男目線からすると、結局ヒロインってただのビッチにしか映らないんですよね。そこに人間ドラマも感じられず、面白みがなかったなって。

<男の優しさがない>

タイトルで『男の優しさは全部下心なんですって』とは言うものの、優しさの描写なんてあったかな、、、っていうぐらいには、優しさがわかりづらいです。行く家がない彼女に「ウチ来る?」と聞く人はいたけど、それ優しさじゃなくて、ヤリモク確定じゃんとしか思えず(笑)そもそも家に本命がいるのに誘う男もだいぶアレだし、それでホイホイついてく宇田みこも相当なアレですけど。

<宇田みこのキャラがわからない>

今回、とりあえずすぐに体を重ねちゃうヒロインですが、彼女って特にセックス好きっていうわけじゃないんですよ。セックスが好きで、体を重ねているときだけ生きている実感が沸くとか、そういうんじゃない。また、体を許してでも、誰かに必要とされたいという承認欲求が強いわけでもなく。なんか、人生諦めてるというか、ルーティンとして受け入れているような気さえしたんですよね。だから、彼女は一体何を考えているんだろうっていうのがわからなくて。。。

上映後のトークイベントで、監督は「生きてるってのを描きたかった」みたいなことをおっしゃっていましたが、それにしてはヒロインがあまりにも生きてる感がなくて(笑)若い頃にはこういうタイプの人もいたような気がするぐらいにはリアルだったし、実際に誰さんの実体験かもしれません。普通は病みそうなのに、それでもなんとか元気に生きているヒロインはよかったというか、図太さも感じます。

とはいえ、シリアスなのかコメディなのかホラーなのか、いまいち掴めない映画でしたね。女性目線からしたら、また違った見え方になるのかもしれませんが。

<その他>

この作品とは関係ないんですけど、邦画でこういう性とか男女間のあれやこれやを描く場合、割とシリアスめな作品が多い気がします。で、「わかるぅ」って共感を呼ぶものとか。これがコメディに走ると、今度は最終目標がキスでしかない、量産型高校生キラキラ青春純愛映画になっちゃって、だいぶパターンが偏っているように感じます。洋画みたいに、「やっば、まーた寝ちゃった!」みたいなポップな感じのものってないですよね(笑)

韓国映画も純愛系が多くて、むしろ男女の絡みってまったく見ませんが、あっちは通常時の感情表現が豊かすぎて、コメディでもシリアスでも面白かったりしますけど。

邦画独特なんですかね、こういうの。


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