人生ではじめて見た、オレンジ色
今日は、ひとりで土手へ出かけた
本当は愛犬も連れて行きたい
だけど、もうこれ以上
触れることはできない
壊れてほしくない
そして
これからはあなたがいなくても
ひとりでお散歩に行けるのよ
とわたしの強い姿を、みていてほしい
こんなに早い時間から
川を眺めて、黄昏ている人を見た
会社に行きたくないのかな
それとも
ぼんやりとしたいだけなのかな
そんな背中だった
そこから、しばらく離れたところに
ちょこんと座った
暖かくも、寒くもないその場所から
空を見上げた。
夜の淡い青と
朝焼けのピンクが
混ざったような色だった。
そこに、地上一面に広がる
オレンジ色が、加わった
日の出?
お日様が顔を出した
日の出なんて
人生で一度も見たことがない
あーあ。
きっと太陽が上に登るまでは待てずに
家へ戻っているのだろう
そう、思った瞬間に
っと!!!
力強い
大きな
大きな光が
ものすごい勢いで空に舞い上がった
なあんだ。ここにいたのか
そう、思った
そう心の底から思うことができた
もう、あの可愛らしい姿を
見ることはできないけれど
こうやって、また別のカタチで
一緒にいられることがすごく嬉しい
やっぱり
お日様がないと
わたしは生きていけない
そんな当たり前のようなことを
考えたことがあっただろうか
一緒にお散歩したこの道を
たどるように歩きながら
これからたくさん考えるかもしれない
そして、毎日感謝をしたい
光が、真っ直ぐと
顔に差し込む
あぁ、なんて、あたたかいんだろう
本当に、ほんとうにありがとう。
体験して、はじめてわかった
黄昏てたんじゃない
会社に行きたくないとか
ぼんやりしたいとかじゃない
この景色を見たかったんだって。