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二つの「赤と黒」を観劇したこと

先月、梅田芸術劇場版のフレンチロックミュージカル「赤と黒」を観劇しました。

実は事前の期待値が高かった。
なぜなら宝塚星組の「赤と黒」が大好きだから!!

特にこのミュージカルは音楽が素晴らしくて、iPhoneでしょっちゅう聴いています。


お歌は星組、というより礼真琴@こっちゃんがすごかった


ジェロニモ役の東山義久さんのオープニングから始まります。
うん、男性の歌いいなあ!宝塚版のありちゃんもよかったけど、男性の男役は気負った感じがなくてナチュラルなんだよねー。

そして主役ジュリアン・ソレルの三浦宏規さんのソロ。
ラテン語の聖書を歌い上げるやつ!!
あまりのカッコよさに、人妻ルイーズが惚れ込む場面!!

あーーーー、高音でないかーー。残念すぎるーーー。

宝塚50年に一人の逸材、こっちゃんと比べるのは酷だよね。

でもね、梅田版は周りの役者さんたちの歌が素晴らしい〜。
マチルダ役の田村芽実ちゃんのような歌い方ってジェンヌさんたちにあまりないと思うんです。


衣装は宝塚

梅田版地味な衣装(というかこれが一般的)ですが、宝塚は時代を無視して派手!

赤と黒、白しか使ってないけど派手ー!

色の使い方が恣意的で、ルールや格式を重んじるブルジョワたちには黒を着せていて、欲望や感情は赤で表現。

ジュリアンやルイーズは黒ベースなんだけど内なる感情をインナーの赤で表現。

ただジュリアンとルイーズが結ばれる場面は、ルイーズは黒ドレスの上から赤のローブを羽織るんですね。

さらに欲まみれのヴァルノ夫妻は全身真っ赤な衣装で悪目立ち。

こうやって比べることで改めて宝塚の衣装の良さが見えてくることがわかってきました。

お芝居は梅田版

宝塚はどうしても女性だけだからね、男役の演技に限界があります。

ジェロニモ役の東山さんは手慣れた感じがでているし、

ヴァルノ氏の夢咲ねね様@ルイーズに迫るオヤジならではの嫌らしさは、うん、男性ならでは。


ダンスとか演出とか

ダンスは趣きが全く違うんですよね。
宝塚はクラシカルで、梅田版は斬新でダイナミック。

男性のダンサーが入るから、見応えがありました。

あ、でもでも宝塚版で黙って踊るノワールとルージュの二人は好きだなあ。


宝塚版では、舞台のバックで常に囚人たちが蠢いているのはなんだろう、と思ってましたが、

梅田版をみて、宝塚のバックの囚人は、ブルジョワをささえる最下層の人々を表していて、

その中からよじ登ろうとするジュリアンの心象につながるんだなー、ということがわかってきた。


つらつらと書いてみたけど。結論として

やっぱり宝塚はいいなぁ。

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