嘘とお世辞を言うとパフォーマンスが落ちる

自分自身のパーソナリティを神経症とらえているからこそ、ぼくはストレスや不安を寄せつけないためのメソッドを、決め事をつくっている。

その決め事は、大まかに言って2つある。ひとつは、ウソをつかない、ということ。ウソといっても、約束を破ったり、だれかを陥れたりといったことではない。それはウソを越えて、ルール違反だ。そもそもあってはならない。そうではなく、ぼくがここで言いたいのは、日常の些細なウソである。一緒に過ごしていてじつは退屈なのに、楽しそうに振る舞う。さして美味しくない料理を、さも美味しそうに食べてみせる。べつに感謝していないのに、ありがとうと頭を下げる。つまり、おべんちゃらだ。

それは些細なウソだが、些細であるがゆえ余計に苦痛をともなう。なにも得をしないからだ。それでいていちいち調子を狂わされるのだから百害あって一利なしである。いったんウソをつけばまたウソを上塗りしなければならない。そうやって際限なく神経をすり減らしていく。自分が失われていく。堪えがたい。これがたとえば、仕事で大きな契約を成立させるための方側として用いるのなら別だ。相手も気分が良くなって、自分も気分がいい。ウィンウィンである。

堀江貴文『最大化の超習慣』

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