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ねぇ、憂歌団なら何聴くん?

絞り出すようなしゃがれ声、
「えーおっちゃんまたこんなに呑んでからに」
と言ってしまいそうな風体でステージに出てくる人、木村充揮さん。

もう30年以上前の話。
「ユウカ、行かん?」そう誘ってくれた人がいて、
「え!ユウカ?行きたい行きたい!!」私がそう応えた。

当日その人は花束を持って来てくれて、デニムの後ろポケットには
ウイスキーの入ったスキットルをしのばせていた。
もっと言うなら、付き合ってもないのに偶然にも2人とも生成りのアランセーターを着て来ており、彼はそれに気づくやセーターを脱いでくれた。
イヤだったのかもしれないけど、良い方に取ることにした。

田舎の町の小さな公会堂で、憂歌団を聴いた。

酒瓶の首の部分を指にはめてアコースティックギターを演奏する
「ボトルネック奏法」も、この時に初めて知った。
やさぐれてしゃがれているように見えてもかっこよかった。
アレを指にはめるためだけにギターが習いたいほどだった。
格好良かった、憂歌団。

タイトルの「憂歌団なら何聴くん?」だけど、
「胸が痛い」とか、「嫌んなった」とか...
名曲がたくさんあるから、どれも、どれも好きだけど、
いっとうすきなのは「ザ・エン歌」。

酔っ払って言うのじゃないけれど
俺はおまえと 俺はおまえといれば それで天国
だからこのまま 今夜はふたり

私がいれば、それで天国。
いい歌。惚れ込まれとる、、、

番外では「イコマ」

女に生まれて良かったわ
ホントはいいことないけれど
そうでも心で思わなきゃ
生きてはいけないこのアタシ
イコマは哀しいおんなまち




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