2023 J2 PLAYOFF 東京ヴェルディ ✖ 清水エスパルス 観戦

　今年は自分がサッカーにどっぷり浸かる一年になりましたね　笑
スポーツという「勝負事」、勝者が生まれれば、必ず敗者がいる。もちろん勝った側のサポーター諸氏は特に「J1昇格」という大きな「果実」を味わうことができた。けれどそれは対戦相手が居てのこと。特に今回は「古豪同士の対決」「J1昇格」「国立競技場開催」「53,264人の観客」という様々な条件が重なった「特別な一戦」。ホントにその場所に居ることが出来たことは、いちスポーツファンとしてすばらしい体験になりました。

　ゲームの内容や分析はいろいろなところで書かれているので、ビギナー目線の自分が感じた事を書きます。
　このゲーム、昇格争いの「特別な雰囲気」の中、両サポーターの後押しも特別な想いがあり、まして舞台は国立競技場。選手の精神的高揚感は特別なあものがあったと思う。それによって、とっても引き締まったゲーム内容となり、観客諸氏に多くの感銘を与えたと思う。
　清水はプレーオフ準決勝で山形に引き分けで決勝に進み、東京Vは千葉にゲームで勝ち、決勝に進んできた。レギュラーリーグでは東京Vが3位、清水が4位で、決勝でも上位チームのアドバンテージがある。レギュラーリーグ直近5試合を東京Vは4勝0敗1分け、清水は3勝1敗1分けと遜色ない結果。
　ただ自分が試合前に気になったのは、清水がレギュラーリーグ最終節の水戸戦に1-1の引き分けを喫したこと、プレーオフ準決勝の山形戦も0-0のスコアレスドローとしていること。今年の清水は攻撃力が強力なのに、大事な直近2戦でそれができなかったこと。ましてやプレーオフ決勝はJ2リーグ最少失点の東京Vだ。清水がなかなか得点出来なかった時、選手のストレスは相当なものになるだろう。一方の東京Vは接戦をものにしてきた印象が強い。

　ゲーム内容では双方譲らず、完全に相手を切り崩す事はできなかった。ゲーム入りの前半15分くらい、清水はいい攻めを見せていたし、あの時間帯に得点できていれば、違った展開になったかも知れない。だんだんゲームが落ち着いてくると、普段の東京Vのゲームペースになってきていたかと思う。そして前半は双方とも得点できず。
　後半16分すぎに、東京Vはゴールエリア内のハンドを取られ、PKに。清水はこれを冷静に決めて、0-1とゲームが動く。ゲームが終わったあとに何でも言えるけれど、もしこのPKが後半16分過ぎでなく、30分過ぎに起こっていたらどうだったのか…個人的には清水は逃げ切れたと思う。しかしまだ時間は30分以上残っている。東京Vに追いつかれる可能性は十分にあり、ここで2点目と取らないと、清水が優勢になったとは言えない状況だったと思う。

　結局この後もゲームの最終盤までは一進一退の攻防がつづき、アディショナルタイムは長い8分。この時点で清水が5バックにしてるのは当然だが、守りきりたいという意識が強すぎるのか、先制してからの時間帯でカウンター攻撃あるものの、東京Vに圧力をかける事は出来ていないように見えた。一方、東京Vは相手エリアで怒涛のプレッシャーをかける。PKの前にも決定機があり、清水は防戦一方。そんな状況の中で、ゴールエリア内での反則を取られ、PKを与える事になる。時間も残り2分の時点。これですべては決まってしまう。

「つくづくサッカー（スポーツ）はプレーヤーのメンタルに左右されるもの」と思う。長い時間1点差を守り切る事の難しさ、メンタル的に守勢一方に回り、相手のプレッシャーに負けて反則を献上する、というのは今年のゲーム観戦で何度も見てきたし、アディショナルタイムの決勝ゴールやそこでの失点というシーンを見ていた。
　やはりゲームは「攻撃は最大の防御」というところに尽きるような気がする。相手エリアでプレーしていれば、こんな事は起きないわけで、守備重視のゲーム進行は、特に「ゴールキーパー」のいる種目はプレーヤーの置かれた特にメンタルも加味しないと難しいのかもね。
（バスケットボールやバレーボールはまた違った意味合いがあるのかも知れないですが）

　もし、清水がレギュラーシーズン最終節で勝っていれば、自動昇格となったわけだし、それもプレーオフに影響していたのかも知れない。また準決勝で持ち前の攻撃力を生かした勝ち方が出来ていれば、ゲームの展開も変わったような気がしなくもない。東京Vは戦い方や結果もシーズンの延長で来られて、それが強さになったのではないか、と。

　どちらのチームもいいゲームをしてくれたし、単純に「選手能力」という点では清水のほうが上回っていたと思うけど、勝負事はやってみないとわからないし、ホントに最後に笛を吹かれるまで「攻め続ける」事をしないと勝利の女神は微笑んでくれない。「勝ち切る」力、それは「負けない事」ではなく、「最後まで諦めない精神力」だと思う。