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☢️トリチウム水を飲むとどれくらい被ばくするか

この記事では、1500ベクレル/リットルのトリチウムを含んだ飲料水を、体重70kgの人が毎日2リットルを1年間飲んだときに、どのくらい被ばくするのか、その被ばく線量を計算している。

1500ベクレル/リットルはALPS処理水の希釈目標濃度。良い子はまねしないように!

1500ベクレル/リットルは、1リットルあたり1500ベクレルのトリチウムを含んでいるので、毎日2リットル飲むということは、毎日3000ベクレルのトリチウムを体内に摂取することになる。

計算条件

  • β線エネルギー:最大18.6keV(平均5.7keV)

  • 摂取したトリチウムは水の状態で体内に存在すると考える。

  • 水は骨を除いて身体全体に分布しているとする。

  • 骨は体重のおおよそ15%程度として、骨の重量を除く60kgの体液や筋肉などが被ばくすると考える。

被ばく線量は下記の式で計算できる

  • 一年あたりの被ばく線量(mSv)=(1日当り摂取する放射能Bq)✕ 0.005 ✕(β線平均エネルギー MeV)/(被爆対象の重量 kg)

  • 被ばく線量は『1年間で0.0014 mSv』となる。

参考に、トリチウム水を摂取した場合、人体にどのくらいの期間残るのか、計算してみる。

  • 物理的半減期:12.3年

  • 生物学的除去の半減期:12日

  • 物理的半減期と生物学的除去の半減期から、実行半減期は(12.3×365×12)/(12.3×365+12)より、約12日となる。

  • 平均残留期間は実行半減期/0.693より、17.3日となる。これは一度に摂取した場合でもトリチウムは人体に17.3日とどまることを意味している。

(参考文献)
『新装版 人間と放射線 医療用X線から原発まで』ジョン・W・ゴフマン著(明石書店)

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