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【俳句】逃げ水〜碧萃生

逃げ水を追ふ休日の旧国道

洗車は、スタンドで手洗いしてもらっている。
一回に4,000円近くはするので、月に一回程度の割合だ。

若い頃は、毎週のように洗車していた。
家の前で、朝から夕方までかかりきりのこともあった。
ホースを引っ張っての水洗いから、ワックスがけ。
ドアの裏側から、センターピラーまで拭きあげる。
ボンネットの裏、エンジンルームのワイヤーやベルトまで手を入れる。
ホイールを外して裏側までブラシがけ。
ひと通り終わると、オイルの量やベルトのたわみをチェックする。
タイヤの空気圧を測る。
仕事柄、車には詳しい方だったと思う。
タイヤの交換はもちろん、オイル交換、当時はチューブ式のタイヤで、パンク修理も教えられた。

そこまでではなくても、休日に家の前で車を洗う光景はよく見かけたものだが、最近はほとんど見かけなくなった。
みんな、僕のようにスタンドで洗ってもらっているか、洗車場のようなところで洗っているのだろう。
洗車機で済ませる人も多いのかもしれない。

今の車は、なかなか素人では触りにくくなってはいるが、それでも車の基本的なことを知らない人が増えている。
実際にタクシードライバーでも、ジャッキアップもできない人が、かなりの割合でいる。

洗車場の高圧洗浄機ではなくて、雑巾を手にして洗い流せば、愛着も変わってくるだろう。
人に洗ってもらうお前が言うなという話だけれども。

そんなことを考えているうちに、洗車が終わった。
スタンドを出ると、旧国道はまっすぐ遠くまで見通せた。

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