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とんでも立候補者と裏金議員

都知事選は小池百合子の圧勝?で幕を閉じた。
今は、石丸伸二が二位に食い込んだことが話題になっている。

今回の都知事選での当初の話題は、なんと言っても、候補者の数だろう。
その数、なんと前代未聞の56人。
掲示板が足りずに、クリアケースで追加する羽目にも。
そして、掲示板や政見放送が商売に使われたり、宣伝に使われたりしたことも話題になった。
もちろん、そうしたことは今回が初めてではないが、特にその数が目立ったということだろう。
300万円で1400万人、都知事選ともなれば全国民に宣伝できると思えば安いものだ。
YouTuberなら、充分採算が取れるのかもしれない。

それが、今回はあまりにも度を超すケースが多かったり、組織的に行われたために問題になっている。
事前に取り締まれなかったのかと言われるが、今の法律では取り締れない。
彼らも一様に、「違法ではない」と主張する。
そこで、公職選挙法の見直しが盛んに言われるようになってきた。

「こらまでは取り締まるまでもなく良識で判断されていた」→「良識など意に介さずに行動する人が出てきた」→「違法ではないから取り締まれない」→「法律を見直すべきだ」

これって、つい最近も目にしたことがないだろうか。

そうだ。
政治資金規正法だ。
あれも、本来は政治家は悪いことをしないという前提があった。
いやいやもちろん、昔から悪いことはやりますけれどもね。
それでも昔の悪いことは、「国のため」「国民のため」「党のため」そんな建前があったような気がする。
それが、今はどうやら悪いことをして私服を肥やしているようだ。
しかし、今の法律では取り締れない。
議員本人も言う。
「法律は守っています」
そこで、法律を見直さなくてはならなくなった。

構造は同じではないだろうか。

まさに政治資金規制法が議論されている真っ最中に、「政治資金パーティ」を開催した議員がいた。
その議員は取材に対して、
「今は違法ではない。法律が改正されればやめます」
これって、都知事選のとんでも立候補者(失礼)の言い分と寸分違わない。

以前に旧文書通信交通滞在費が問題になった時にも、
「これは公開する必要はないけれども、良識で判断して、使い道は公開しましょう」
そんなことを発言する、そして率先して行動する議員が一人でもいただろうか。

良識で判断することには、功罪あるだろう。
しかし、それがこの国の良さであったことは否めないと思う。
つまり、グレーな部分がグレーなままでも、みんなが同じような判断をしていけると言うことだ。
そこに、きっちりと線が引かれだすと、それが暮らしにくさの原因にもなる。

今回の都知事選の状況に対して、良識が踏み躙られたと憤っている国会議員がいたが、いやいや、その前に既にあなたたちが踏み躙っていたのだと言いたい。

もちろん、公職選挙法はこれはこれで見直すべきだとは思うけれども。

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