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「ナッジ」を知ると戦略の幅が広まる‼️

 みなさんは、なぜコンビニのレジの前にある足跡などマークに従って並ぶのですか? 並ばないと店員さんに怒られるわけでもありません。違法行為だからといって逮捕されるわけでもありません。新型コロナウイルスの後は、ソーシャルディスタンスの問題があり、正しく並ぶことについて店から指導されますが、それ以前、つまりソーシャルディスタンスの概念のない時から、私たちは自然に足跡などのマークに従って並んでいました。

 これが行動経済学でいう「ナッジ」なのです。2017年にリチャード・セイラーがノーベル経済学賞を受賞しました。

 「ナッジ(nudge)」とは、日本語に訳すると「ひじでそっと突く」という意味です。イメージしやすいですね。

 ナッジは、相手に「こうしなさい」という強制はしていません。自然に「こうしてほしいな」という行動をとってしまう仕組みを作るのです。

 例えば、コンビニの例で考えてみましょう。もし、マークが何もなければ、レジで会計をしたいお客様はどこに並んでいいのかわかりません。それぞれが思うところに並びます。その結果、レジは2台なのにお客様の列は3列できてしまうこともあります。そうすると列の意味はなく、お客様同士がもめることになるでしょう。そうなったらお店は大変です。そういうトラブルは避けないといけません。だからといって「はい、こちらに並んでください!」と常にスタッフを配備することも大変です。人件費の上昇につながります。ナッジを活用することで少ないコストで効果を上げることができるというわけです。

 また、ビジネスは必ずしも人員を配置することで物事が解決できるというと、そうではありません。お金の問題に限らず、そもそも人を介することができない場合もあります。このナッジの有名な実験は「男子トイレの便器にハエを描いたことで、トイレがきれいに使われた」というものなのです。「我が社は潤沢な資金があるから、便器のそばに人を立たせてきれいにトイレを使わせよう」というわけにはいかないですよね? ナッジは、このように人が介するでことができない場所でも有効に使うことができるというわけです。

 ナッジは、企業はもとより行政も利用していることで有名です。日本でも多く活用されています。インターネットで調べると様々な情報を目にすることができるのではないでしょうか。実例を見ると「なるほど」と思うものがたくさんあります。例えば、申し込み率・受診率等を上げる時にも活用されます。人は「申し込め!」と強制されると反発したくなり申し込みを嫌がります。しかし、心理に作用する付加情報等を加えることで、「やっぱり申し込んでみようかな」と思うようになるものです。

「ナッジ」は非常に面白い理論ではないでしょうか❓

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