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先入観にとらわれない

 2020年、私たちの生活スタイルは大きく変わりました。これまで常識だった「会社に出勤する」という考え方はなくなりましたね。そして、「マスクをして暮らす」が当たり前になりました。新型コロナウイウルスの蔓延により、世界中の常識が突然変化したのです。この変化は自分たちの身に起きたことなので理解しやすいですね。

 インターネットが家庭で当たり前のように使われるようになる前、人々の暮らしの中に「インターネットショッピング」という概念はありませんでした。もちろん言葉も存在しません。しかし、各家庭にパソコンが導入され、人々が「インターネットは便利」と感じるようになると、それまでの常識だった「買い物といえばお店に行く」という考えがガラリと変わりました。「わざわざ買いに行かなくてもインターネットで買った方がラクだよね」となり、手放せなくなりました。もちろん、現在のような新型コロナウイルスが蔓延している時には、買い物に行くこと自体が危険ですから、リスク回避の一つとして選択されます。

 マーケティングの仕事をしている人なら、世の中の情報に鋭くならなければなりません。実体験に伴う変化なら、マーケティング担当者としてもわかりやすいものです。新しいライフスタイルにあった商品を提供しなければならないと考えるでしょう。

 しかし、全てが実体験に伴うかというと、必ずしもそうではありません。例えば、「少し先の未来に向けて行われている」ということや、「海外では当たり前だけど、日本では当たり前ではない」ということが該当するのではないでしょうか。

少し先の未来に向けて行われていること

 今、自動車業界が大きく変わっています。今年、トヨタ自動車の時価総額を米国の電気自動車会社であるテスラ社が抜きました。それだけでなく、「将来カリフォルニア州で、ガソリン車の販売が禁止になる」というニュースも出ました。今、日本の道路を見るとガソリン車が多く走っています。それを見ると「ガソリン車の販売禁止なんて、できっこないよ」と思われるのではないでしょうか。その理由はいろいろあるでしょう。例えば、「電気自動車は長距離を走ることができない」や「充電するための電力供給は?」など。しかし、日本人感覚で考えていてはいけません。「電気自動車=航続距離が短い」というのは過去の話し。モデル3の一番安価な「スタンダードレンジ プラス」で約400km以上、「ロングレンジ」で560kmです。参考までに、東京から名古屋は約350kmです。ちなみに、車種を変えればもっと長い航続距離が選べます。「電気自動車とはこのようなものだ」という先入観で考えていると、大きな間違いを犯します。

 ところで、「車」というと、「地球上の道路を走るもの」と考えるのではないでしょうか。確かに、私たちが目にする車は地球上の道路を走っています。しかし、自動車会社は必ずしもそのような車を開発しているかというとそうではありません。例えばJAXAとトヨタ自動車は、月用の車を開発しています。そしてテスラ社のCybertruckは地球用と火星用を作ると発表しています。「月や火星で使う自動車を開発する」という時代にシフトしているのです。「私は宇宙に行かないから関係ないわ」という考え方ではいけません。このようなことをきちんと知ってマーケティングを行いたいものですね。

 今、宇宙開発が進み、日本企業もJAXAなどと協業して様々なサービスの提供を計画しています。実際マーケティングの世界でも、宇宙は切っても切り離せない存在になりつつあります。

海外では当たり前だけど、日本では当たり前ではないこと

 一例として、環境問題が挙げられるのではないでしょうか。日本でも、温暖化による災害が増えています。水害にならないために高い堤防を作ることが大切と言われます。もちろん、川の氾濫を防ぐためには大切ですが、そもそも「なぜそのようなことが起こるのか?」という原因を取り除くことを考えることも重要です。いくら高い堤防を作っても地球の温度が下がるわけではありません。隣人から投げ込まれるゴミを防御するなら、高い塀を作れば効果があるでしょう。ゴミを投げ込めないくらい高い塀が作られれば、いずれ隣人は諦めるからです。しかし温暖化は「塀を作れば地球が諦めてくれる」というものではありません。世界ではクリーンエネルギーに移行しています。一例として「ガソリン車から電気自動車へシフト」です。もちろん発電もクリーンエネルギーにシフトしています。

 別の側面からも見てみましょう。「オイルマネー」という言葉は有名ですね。UAEは今、何を行っているのでしょうか? 今年7月に種子島宇宙センターから三菱重工業のロケットで火星探査機が打ち上げられました。これは「UAEの火星探査機」ということをご存知でしょうか。つまりここから読み取ることは、石油の時代ではなくなったということです。ちなみに、今年7月は3つの国の火星探査機が打ち上げられました。UAE、中国、そして米国(NASA)です。日本はありません。

先入観にとらわれず、広い視野を持とう!

 自分の目で見ることはとても確かなことです。しかし、100%見えることだけを信じていると、見誤ることも出てくるでしょう。マーケティング担当者は、自分の目の前で起きていることのみならず、海外や宇宙の情報までアンテナを広げておく必要があります。もちろん、先入観にとらわれず……。

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