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MCA道場 #06「クリエイターがなぜマーケター・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのか!?」開催レポート

マーケターとして生き抜いていくためのスキルを「発見」「習得」「研鑽」できる〈経験〉を提供するMCA道場。今回は、貝印株式会社・グレートワークス株式会社の鈴木曜氏をお招きしたイベントを開催しました。このnoteでは当日の様子やハイライトをご紹介いたします。

MCA道場 第六回
「クリエイターがなぜマーケター・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのか!?」
2022年1月19日(水) 17:30〜

<師範>
鈴木 曜 氏
貝印株式会社
マーケティング本部 広報宣伝部 兼 デザイン部 兼 ブランド企画部 部長
グレートワークス株式会社 最高クリエイティブ責任者(CCO)

<タイムテーブル>
17:30-18:00 ネットワーキング
18:00-20:00 講義+ワークショップ

<流れ>
・イントロ
・レクチャー
・個人ワーク
・2人1組で議論
・まとめと質疑応答

ドキッとする問いかけでスタート

MCA代表理事 田中のイントロダクションを受け、まずは鈴木氏より簡単な自己紹介。貝印・グレートワークス、両方の顔をもつ働き方がとても独特で、思わずMCからの質問もさっそく挟み込まれます。

いくつかのエピソードトークも挟まり、場の空気もどんどん和やかに。それではそろそろ本題に入ろうかというなかで、参加者の皆さんにドキッとする問いが投げかけられました。

“今日、この会場に来るまでに見た「広告」を全て書き出してください。”

さっそく5分ほどの個人ワークが始まります。

「そう言われると、どうだったろう…?」

運営としても考えてみましたが、想像以上に覚えていない事実に気づきます。

参加者の発表のなかでも、細かくいくつかの事例を挙げる声もあれば、全く覚えていないという声まで様々。意識をしなければ「見ているようで見ていない」という現実があるなかで、生活者の注目を奪うのがどれだけ難しいことなのか、マーケターとして非常に大事な気づきを得ることにもなりました。

ちなみにこの問いは、過去に勤められていた会社で常に聞かれたものだそう。これにより、素振りのように思考を続ける癖ができたと語る鈴木氏。その言葉に嘘がないことを示すかのように、参加者の発表に対して、どんどん深掘りをしていく姿もみられました。

キャリアを振り返ったトークセッション

その後、いくつか事前に設定されたテーマをもとに、キャリアを振り返っていきます。

車好きから派生して自動車メーカーに就職。様々なトラブルや争いがありながらも、小田原での営業時代はトップセールスを記録。マーケティング部署に異動後は、デジタル担当とモータースポーツ担当の兼務という忙しい毎日。どのエピソードも非常に濃く、参加者もどんどん引き込まれていきます。

特に、若手ながら大規模予算のサイトリニューアルを推進した際には、どのようなユーザー体験を提供すれば良いかを徹底的に考えていたと語る鈴木氏。営業経験があるからこそ分かる「顧客の行動変容」を、サイトでどうのように再現すれば良いか。デジタル黎明期の時代において、クリエイティブからアナリティクスまで、先進的なアプローチで試行錯誤をされていた様子が語られました。

境界を超えて融合していきたい

マーケティング部署で仕事をするなかで、広告代理店との付き合い方にも疑問を持ち始めた鈴木氏。垣根を壊して一緒に物作りをする体制にするため、お付き合いする全ての代理店には自ら足しげく通っていたそうです。

このように強い関係性を作ってプロジェクトをリードした結果、有名な広告賞やWeb人賞など次々と受賞し、社会的な評価もどんどん高まることに。特に、ガイナックスと共に製作したアニメ「放課後のプレアデス」では大きな話題も生み出しました。

車とアニメのように、一見関係がないカテゴリをいかに掛け合わせていくのか。境界を超えて、どのように融合させていくのか。新しい価値を作るためには、とても大事な観点であるといいます。これはクリエイティブの世界に限らず、チーム作りにおいても共通すると強く語られていました。

貝印で「紙カミソリ」が生まれた訳

北欧のクリエイティブエージェンシーであるグレートワークスに転職後、現在担当される貝印との関係もはじまった鈴木氏。北欧カルチャーからインスパイアを受けたクリエーティブを貝印にも落とし込んでいき、今回マーケティング・オブ・ザ・イヤーの受賞にもなった「紙カミソリ」が誕生します。

製品としての機能性能を落としながら環境性能をあげていく新しいチャレンジに、当初は様々な社内議論が生まれたそうです。そのハードルを越えるために、プロトタイピングや、自社商談会での反響を積み重ねてきた、裏側の生誕秘話も語られました。

強いコンセプトが設定できたからこそ、著名人とのコラボモデルや、ファーストシェイブブックなど、コピーワークの細部までこだわりながら次々と派生したクリエーティブも展開。時代の流れに合わせて、新しい価値を生み出す意図も紹介されます。

最後に、「なぜマーケター・オブ・ザ・イヤーに選ばれたと思うか」という問いに対し、自身ではクリエイターだともマーケターだとも思っておらず、驚かれた側面もあったそうですが、「市場に対して新しい価値を生み出したことが評価されたのではないか」と考察されていました。これも既存のカテゴリや常識の垣根を壊し続けたからこそ、生まれた価値なのかもしれません。

気づけばあっという間に時間が過ぎ、参加者からの質疑応答のコーナーに。

「カテゴリをどのように捉えているのか」「クリエイティブの評価はどのように行なっているのか」「ブリーフィングを受ける上で大事なことは?」など様々なものがあがりました。概念の解説から、現場に活かせる助言まで、本日の話を振り返るように一つ一つ丁寧に回答していただき、イベントは終了となりました。

最後に告知

ここまでレポートをお読みいただき、ありがとうございました。詳細なレポート記事はExchangeWireでも公開されていますので、これまでのMCA道場のバックナンバーと合わせてご覧ください。

MCAでは今後も様々な活動を通じて、マーケターの価値を明らかにしていきたいと考えています。今後も様々なセッションやイベント、プログラムを行なっていく予定ですので、公式サイト・各SNSをチェックしてみてください!

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この記事を書いたひと

福島広大(ふくしま こうだい)
電通レイザーフィッシュ(現:電通デジタル)を経て、2017年にLINE入社。マーケティング戦略、PR、事業企画などを担当。2021年より複業としてcodama始動。MCA道場の運営も担当。


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