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Vol.3 「THE CULTURE CODE~最強チームをつくる方法」~前編~

週末読書の3冊目に選んだのは「THE CULTURE CODE~最強チームをつくる方法」です。

今までは私はどちらかというと個人で成果を出すことに集中することが多かったのですが、年齢的にも立場的にもチームを持ったり、チームを創っていく機会が増えてきたので、ちゃんと知識を入れようと思い、選びました。

決して今までも学んでない訳ではないですが、改めて、という感じです。

この本ではチーム作りに関して、
・安全な環境をつくる
・弱さを共有する
・共通の目標を持つ
という3つのスキルに焦点を当てて書かれています。

この本は具体的なチームの事例が多く、紹介されているチームや出来事もグーグルやNBAのチーム、特殊部隊など業界を限定せずに様々なパターンで紹介されています。

なのでとにかく...

「面白い!」

雑学が大好きな私にはピッタリでした。雑学が好きな人であれば別にチーム作りに対して興味が無くても楽しめる一冊だと思います。

今回は1つ目のスキル、「安全な環境をつくる」の内容を私の過去の失敗と照らし合わせながらまとめていきます。


私のチーム作りでの失敗

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私が初めてチームといえるものを作ったのは、28歳頃でした。当時勤めていた会社で九州エリアの立ち上げをやることになり、社員、アルバイトの採用からはじめ、小さいながらも福岡支店、北九州支店、合わせて10名のチームを作りました。

先に結果から書くと初めは比較的順調だったものの、次第に様々な問題が発生し始め、最終的にはチームは崩壊しました。結果が出ないとかではなく、人が居なくなりました。

まぁ、色々な面で自分が至らない点があった訳ですが、その中の1つがこの本で紹介されている「安全な環境をつくる」という点です。これは全く出来ていなかったなぁ。と思います。


「安全な環境」とは?

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ここで紹介されている安全な環境とはどのような環境を指しているのか?そしてその環境はどのように作られているのか?

まず事例としてマシュマロ・チャレンジの話が出てきます。パスタで塔を作ってその上にマシュマロを置き、マシュマロをどれだけ高い位置に置けたかで競うゲームです。

これを優秀な学生のチームと幼稚園児のチームの2チームで行う実験の話です。この話は結構有名なのですが、皆さんは結果は知っていますか?

普通に考えれば優秀な学生チームが勝つと思います。しかし、勝つのは幼稚園児のチームです。何故そうなったのか?

理由は単純で幼稚園児のチームは「高い所にマシュマロを置く」ことしか考えていないからです。各々がマシュマロを高い位置に置けるように最善を尽くす訳です。

学生チームももちろんより高い位置にマシュマロを置こうとしている訳ですが、そこには「マシュマロを高い位置に置く」こと以外の考えが発生しています。「リーダーは誰だ?」「この役割は誰がやる?」「自分の役割は?」などです。要はマシュマロを高い位置に置くこと以外のことを考えているわけですね。

これを職場に置き換えると、「上司はどう思うだろうか?」など本来の目的とは逸れたことを考えている状態な訳です。

要するに他のことを考えずに「目的だけに集中出来る環境」が安全な環境ということだと私は解釈しました。


安全な環境の作り方

それではその安全な環境をどうやって作っていくのか?
この本では帰属意識の重要性が書かれています。帰属意識をチームが持つために必要なのは帰属のシグナル=安心で安全ですよというシグナルをどのくらい発することが出来るのかという点がポイントになってきます。

具体例もたくさん載っていましたが、その中でも最も納得した点は「距離とコミュニケーションの関係性」です。アレン曲線はご存知でしょうか?

アレン曲線

要はお互いの距離が近いほどコミュニケーションの頻度が変わるというものである。図を見るとわかるように8m付近から爆発的にコミュニケーションの頻度が増える。しかもこれは対面のコミュニケーションだけでなく、メールなどデジタルのコミュニケーションにも影響する。

これには私自身心当たりがある。マーケロボは以前WeWorkに入っていたことがある。固定で借りているスペース以外にもフリースペースを自由に使えるし飲み物も飲み放題。仕事をする上では申し分ない環境でした。しかし、現在マーケロボは日本橋にオフィスを借りてみんな同じ空間で業務に当たっている。すると明らかに以前よりもコミュニケーションの頻度も質も向上している。

ただ、距離が近づけばそれだけで安全な環境が作れるわけではない。シグナルを発する必要がある。紹介されていた具体的な手法を箇条書きするとこんな感じ。

・聞きすぎるほど聞く
・自分の弱さを認める(リーダーはこれが重要)
・使者を抱きしめる
・未来の約束をする
・しつこいほど「ありがとう」を伝える
・メンバー選びは慎重すぎるほど慎重に
・腐ったリンゴを取り除く
・安全で、衝突がたくさん起こる場所をつくる
・すべての人に発言の機会を与える
・ゴミを拾う
・第一印象の効果を最大化する
・「サンドウィッチ・フィードバック」を避ける
・楽しむ

ここから特に私が印象的だったものをいくつかまとめます。

聞きすぎるほど聞く

これは単に質問をするということではない。表情と姿勢、そして「はい」「えぇ」「なるほど」といった「話を聞いている」という合図を送ること。そして最も大事なのは相手の話を遮らないということ。これはセールスの現場でも言えることがあるらしい。

自分を振り返るとどうだろうか?

セールスの場面でお客様の話を遮ることは絶対にしない。でもチームメンバーの話は遮ることは、、、ある、、、。

違いはセールスの現場ではお客様の考えや不安を少しでも取り除こうと一言一句逃さないように、それこそ聞いている。しかし、チームメンバーの時はそうじゃない場面がある。過去の私は特にその傾向が強かった。「聞いても仕方ない」と思っていたためである。それでは意見や提案が無くなって当然。しかし、これはすぐにでも改善出来るポイントでもある。

使者を抱きしめる

これはリーダーであれば誰しも知っている。でも実際は出来ないことが多いのではないでしょうか。悪いニュースを持ってきたメンバーを受け入れるだけではない。抱きしめる。もちろん物理的に抱きしめる訳ではないw
伝えてくれたことに感謝をする。

しかし実際の現場はどうでしょうか。自身の失敗を伝えてきたメンバーに対して伝えているのはありがとうではなく、「それから?」「なぜそうなった?」といった追求、もしかしたら「ふざけるな!」といった叱責ではないでしょうか。

私は追求が多いかもしれません。それでは伝えてくれなくなって当然。だって面倒だし出来れば隠したくなる。私だってそうです。

伝えてくれたことに対してまずは感謝。それから対策を練っても遅くない。

すべての人に発言の機会を与える

これは意外に難しいのではないでしょうか。MTGの場だけではなく、普段からそうなっていないと機能しているとは言えない。

MTGの場はルールを定めれば恐らく解決する。「例えばファシリテーターは必ず全員に質問をする」とか。ただ、普段から帰属のシグナルを発信していないと場当たり的な発言になることは目に見えている。

そういう意味では前提としてまずは聞く文化を醸成する必要がある。それを率先して行うのは誰か。そう、リーダーがまずやる必要がある。

楽しむ

ここでは具体的な手法は書かれていませんでしたが、結びの言葉が非常に印象的だったのでピックアップしました。

人が笑うのは、心から安心し、仲間とのつながりを信じている証拠

話が上手ければ話でその場は笑いを取ることはできるかもしれない。でもそれはただ笑っただけで楽しんではいない。安心を提供し合いつながりを感じている心から楽しんでいるチームを作りたいと心から思います。

前編まとめ

今まで何度も何度も失敗してきた私にとっては非常に学びが多い本です。なので前編と後編に分けようと思いました。

後半は「弱さを共有する」「共通の目標を持つ」の2つのテーマでまとめようと思います。それでは後半へ続く!


マーケロボでは一緒に働いている仲間たちが日々何かしらのテーマでnoteを書いています。是非、そちらも見ていただけると嬉しいです。


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