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意識低い系経営のススメ 評価制度の運用~意識低い系経営者ができるまで~その2

評価制度の経験がなかった

経営者となって悩まされたこと、特にひとりで抱え込む状況になったものがいくつかります。
その中での大きなひとつが

評価制度でした。

まず前提として、私は評価制度で評価を受けた経験がありませんでした。
新卒で就職した最初の勤務先には評価制度はありませんでした。
そもそも上司と目標設定や面談ということもなかったです。

上司に呼びだされて指示や注意、叱責を受けることはあまりなく、
都度の業務の結果や取り組み方について話をされるだけです。
賞与も昇給も明細を渡されて、はい終わり、といった感じです。(1990年前後の話)

その後転職して今の会社に1号社員として入社。
社長と以下社員数名で事業の立ち上げという状態ですから、
やはり評価制度や面談といったサイクルはありません。

都度の課題にひたすら向き合い、
結果を出せば、喜んで報告、で、次なる指示や方向性が示される。
でも結果が出なくとも、叱責ということはなく、
アドバイスや反省会をして、次に生かそうと言う感じ。
結果が出た時は社長に声をかけて個別に交渉してましたね。

そんなわけで、評価制度についての経験や予備知識はまったくなし。
それゆえに、
評価についての不満や疑問といったものも、ほぼなかったのです。
不満とかが身に染みていれば、自分なりの改善点や理想も生まれたと思うのですが。

部下を指導するという経験もほぼなかったです。
新人社員を指導することも一応はありましたが、
あまり指導力があったとは言えず、
むしろ私に新人を任せても、みんな辞めてしまうから、
「お前はもう指導はするな」と言われてました。
一匹オオカミでしか仕事ができない人だったんです。

こんなでよく取締役を任命されたと思います。
創業者の心の広さには感謝しかありません。

はじめての評価制度

役員になって、やはり評価制度があった方がいいだろう、
という社労士さんのすすめもあって
導入することにしました。
社労士さんがもっている標準的な評価シートに、自社の要素を少々アレンジした
ほぼテンプレート丸写しのような制度でした。

最初は全員自分がひとりひとりと面談して評価を決めていました。
ちなみ評価項目は個別に作るのではなく、
すでにシートに書いてあります。
だから目標設定の面談はなく、半期末に評価決定の面談をするのみ。

なので、面談シーズンは精神的につらかったです。
試行錯誤なんてレベルではありません。
行き当たりばったりです。

「あるある」話になりますが、悩ましいのは以下のような場合です。

私の評価は低いが本人の評価が高いケース

面談で話し合い、本人の話を聞きつつ、私の評価を伝える。
だけども、結局は私の評価を納得させるために、私がしゃべり続ける。
一度は納得してもらえた
はずなのですが、
後日に「やっぱり納得いかない」と再面談を求められるなんてこともありました。
そんな感じだったので、
「評価制度なんて形だけだね」なんて声がだんだんと漏れ伝わってくるようになりました。

定量評価と定性評価について

そもそも定性と定量なんて言葉を知ったのはずっと後の話。
部署や役割の内容や目的に対して、定量定性の区別はありませんでした。
定量項目だけの人もいれば、定性だけの人もいる。
ミックスもあるし、その比率もバラバラ。
そりゃ、評価に納得感はでないよね。

会社が求めるレベルとは

評価シートには評価基準が記してありますが、
会社が求めるレベルに対して
1 著しく達していない
2 やや達していない
3 達している
4 求めるレベル以上に達している
5 求めるレベルより遥かに高い

という、感じです。
しかし、この「会社が求めるレベル」って具体的にどんなレベル?
というのが曖昧なままでした。
いわゆる要件定義ができていないので、
今だからぶっちゃけて言いますけど、「人によっ変わるし、日によっても変わる」です。

まあ、こんなレベルで始めたので、
そもそも私が、取締役レベルに「著しく達していない」1の評価だったわけです。

でも、
これで評価をしていました。
そんなわけで揉めることも多かったですし、不満も多かったです。

だから私は6月、12月(賞与支給月)と4月(昇給月)が大嫌いでした。

そもそも自分自身の納得と明快さもないので、
ただただ「悩む」
そして「苦しむ」
逃げ出したいのに、でも逃げ出せないという日々。

この評価制度については、こんな状況が4年ぐらい続いたと思います。

で、
このままじゃいかんという、のっぴきならない程に必要に迫られた結果、
ついに「人事評価制度改定プロジェクト」を立ち上げることとなります。
詳しくはまた日を改めますが、

その基本原則としたのは
「自分がラクする」こと。
そして
「自分がラクになる分、みんなももっとラクになること」
この方針を心に抱いて進めることとなっていきます。

その3につづきます。


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