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意識低い系経営のススメ 経営者の悩み~意識低い系経営者ができるまで~その1

この記事を書こうと思った理由

「心が疲れた社員思いの社長さんを励ましたい」
「社員に優しく、共感性の高いリーダーが増えて欲しい」
「楽しく仕事する人が最強」
この思いで経営される会社が増えれば
社長さんも社員さんも、それぞれの家族も少しずつ幸福度が上がるかな、
こんな想いが相まって、私はこの記事を書くことにしました。

1号社員が取締役になった

社長という立場の人は皆それぞれに大きく悩んでいます。
最終決断をする立場ですから、悩まないはずがない。
会社では威張り散らして怒鳴ってばかりの社長さんがいたとしても
家でひとりになったときは、きっと悩んでいるはずです。
その悩みに耐えられなくなって、羽目を外したり豪遊して気を紛らわす人もいます。
でも、基本は日々悩んでいます。

いや俺は悩まない、という社長さんや
いちいち悩んでいる人はリーダーとして相応しくない、と思っている社員さん、
そういう方は、ここから読まない方がいいです。
きっと不愉快な内容になると思うからです。

日々私は悩んでいる。大いに悩み苦悩している、という社長さん
或いはそういう社長さんの下で働いている社員さんにとっては
少しはお役に立てるかと思って書いてみます。

私は元々リーダーシップに欠けるという人物評でした。
また自分自身も、人前に立つとか、周囲を巻き込んで進むというのを
好まない性格です。

創業者が起業した会社の1号社員として入社し、
会社の立ち上げから、手がけた通信販売事業が軌道に乗るまで企画の現場で働きました。
商品開発、広告制作、販売計画、商品仕入、注文の受注、発送、クレーム対応、
通販に関わる仕事の全部やり、そして売上を伸ばしていきました。

その後役員としてその会社を任さられるようになったという経歴です。
よって起業家ではありません。
社員から繰り上がった雇われの2代目社長です。
※創業者は自分が最初に創業した会社の社長を継続し、
また新たに設立した会社の社長も兼任していました。

現場仕事では相応の成果を上げましたし、その自負もありました。
しかしどちらかというと一匹オオカミ的で
リーダーとして組織を率いるのは苦手でした。
ただ1号社員で、業務に精通し成果も上げたことから
任される(試されたともいう)ことになったのだと思います。
そして自分自身、通販業界の仕事が天職に感じられたこと、
自分なりに目指したいと思う通販企業の形が見え始めてきたこともありました。
「よし、いっちょやってみますか!」

苦悩の日々が始まる

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組織をまとめるようになってみると
まあ、みんな言うことを聞かない。
リーダーとして面倒見もいいわけでなく、熱い言葉で魂を駆り立てることもなく、
方針や指示も不明瞭だったしな、と今は思います。

一匹オオカミタイプなので、基本は自主性や個人の自主性、独創性に任せたいのですが、
それにしても、私の目から見て、我が道を進む人の多いこと。
自分もきっとそう思われていたのだろうと考えると、
彼らを止めるのも憚られてしまいました。

しかし誰かの自主性は、他の人にとっては妬ましくなることもあります。
「あんなの認めるんですか?」
「どう考えてもおかしいでしょ!」
なんて声も増えてきます。
「人それぞれでいいんじゃないの」
なんて私が言うものなら、
「トップがそんなじゃダメでしょう!」
「社員をちゃんとまとめてください!」
なんて社員から怒られます。
「確かに」
それも正論だよなあ、と納得してしまう性質です。

よし、と気合をいれて
指示を細かく出して、指示通りに動け、というやり方に変えてみます。
そうすると、
「そんなやり方では上手く行かない」
「自分はこのやり方でやりたい」
「ワンマンはうちの社風ではない」
と反発されます。

「どっちだよ!!」
なんて思って
ひとり思い悩むようになるわけです。

あれこれ試行錯誤してみると、次は
「常務(当時は常務でした)は近ごろブレてる」
「昨日と言ってることが違う」
なんて声が上がってきます。

ならばと、
今後はひとりひとりと向き合ってきちん話し合って説明しよう試みます。
話し合ってみると、
「そうだったんですね。わかりました!」
となってホッとします。
やっぱ話し合えば分かるんだよな、と実感します。

しかしそうした話し合い(今で言いう1on1かな)をしていると
実際は社員からこんな言葉が聞かれ出しました。
「常務が私に行ったことと違う」
「私にはこう言ってた、そんなことは言わなかった」

「えっー????」となる私。
そう聞こえたのなら、きっとそうだったのでしょうが、
私の本心は違います。
伝えたいことは同じことなんです。
ただ相手の理解や興味に合わせて
説明の順番や話し方、たとえ話を変えていました。

もちろん説明の仕方が悪い、私の表現力が乏しかったのは事実でしょう。
その時の社員を責めるつもりはなく、
ただただ、己のリーダーシップの無さを嘆きました。

そしてまたひとり思い悩みます。
「なんて言えばいいのだろう?」
「何を伝えればいいのだろう?」
「そもそも自分が目指したいと思った企業像は間違っているのでは?」
「自分が上に立つと、みんなの為にならない」。。。

もう会社行きたくない。
社員と話ししたくない。
心の中でそう叫んでいました。
きっとリーダーには向かないんだろうな。
自ら身を引くべきなんだろうな、なんてひとり愚痴ってました。

でもやめませんでした。
なぜか?
業績は良かったんです。売上は上がってましたし、利益もありました。
もちろん社員の努力や才能もあります。
私自身も元々企画屋出身なので、アイデアは結構あたるんです。
会社の雰囲気は良くない、常務批判は多い。
けど業績はよい、というなんとも摩訶不思議な状態でしたので続けられていました。
数字が出てることには手応えはありましたし、楽しかったんです。
でも、それだけではリーダーとしてダメだなとも感じてました。

その2に続きます。


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