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最低限の労力で最大限の利益を出したい

ラクをしよう!という合言葉で経営を進めてきました。その背景にある思いは何かというと、表題の言葉になります。
本音で語れば共感する人も多いのですが、
表向きに発するとなるとちょっと憚られます。
実際に明らかに不快な表情をされることもありましたし、苦笑いされることもありました。
なぜなんでしょうね?

惜しむのは努力ではなく労力

最低限の労力で最大限の利益を出したい。
労力と書いてるのは一つの意思でして、
決して努力しないとか、手を抜くという訳ではないのですが、
その辺を誤解される点もあったかもしれません。

手間隙を惜しまない、
仕事は丁寧に、
ということを否定したいわけでもないのです。

私の感覚では、
手間隙を惜しんで雑な仕事をすると、
かえって労力が掛かり面倒が増える。
だから、手間隙は惜しまずに丁寧にした方がラクできるよね。
と思うわけです。

クリエイティブで労力を惜しむには

例えば通販広告を作る場合。

通販広告は言葉と写真やイラスト、図表といった画像でお客様に説明し
「これ欲しい」と思っていただきご購入いただくというモデルです。

言葉を文章にして、分かりやすい画像を組み合わせて広告を作ります。

言葉は単語や言い回しを組み合わせて文章にします。
なので、日頃から単語の語彙力を高めたり
言い回しのストックを増やしておく必要があります。
画像も然りです。
そうしたストックを集めておくためには日々の努力が大事です。
意識して目に入るそれらのものに注目し、
メモしたり、記憶に刻んだりしながら
自分なりの使いどころ、応用のしどころを考えます。
これが私的には日々の努力に当たります。

いざ広告を作るとき、或いは新商品を考えるときに
このストックの中から最適と思うものを選択して
組み合わせて広告デザインと文章の原案を作ります。
ここは広告を作るための労力と考えています。

日々のストックを努力で積み重ねることで
作る労力を最低限へと減らします。

広告には納期がありますので、
その時間内では検討を重ねますが、
納期が来たらそこで終了します。
ここで個人的なこだわりとか、納得感を追求しません。
なぜなら追求し出すとキリがないからです。

通販に関して私が思うこと、
それは売れる売れない、成功するしないに予め決まった正解はないということです。
やってみなければ分からないので、
追求したところで、結局は自己満足で結果に関連するとは限らないからです。
経験上、相関していると実感したことはない。
むしろ逆かもです。

だから時間内で出来たもので終わらせます。
これが最低限の労力の意味になります。

言い換えると日頃の単語や言い回し、情報を集める努力の積み重ねが
労力を減らすということでもあります。

経営マネジメント的に考えると

この考えは経営者になっても基本は変わりませんでした。
経営者として顧客に送るレターやメッセージ
社員に向けたメッセージや告知
取引先に対してもそうですが、
こうしたメッセージを書くことにおいても同じ考えでしていました。

売上データや財務分析的な数字の話でも同じで
日頃のストックを集めて
その時に必要になりそうなものをストックから選択して検討し判断する。
選択して検討して判断する時間と労力を掛けないことを心掛けました。

準備には手間隙を掛けて
実際の作業や行動は最低限の労力といった感じです。

実際の作業の部分で手間隙を掛けて
自分のこだわりを貫こうとするのは結構シンドイです。

キリがないのです。
このキリがないというのが私的にはとても面倒くさいと感じられます。

上でも書きましたが
売れるか売れないか、
成功するかしないか、
という問いには正解がないからです。

データに基づき可能性や確率は求めますが、
それでも100%にはなりません。

その不安を何とか減らそうと、
いわばゼロリスクを求めてしまうと、
どうも本質を見失って、手間隙を惜しまないことが目的化してしまうのです。

こだわりとの折り合い

「自分が納得するまでこだわりたい」
と思って
ずっと試行錯誤を続けることを悪いと思いませんが、やはり限度はあります。
限られた時間内で、一定のレベルをクリアしたら、
そこで割り切る、開き直ることが大事です。

今日中の締め切りであれば
今日中に尽くせるところで終わらせる。
というか割り切る。
終業時間が18時なら、18時までは手間隙を惜しまないけど、
18時を過ぎる手間隙は掛けない。

そこで納得できなかったら、
それを糧に次は18時で終わるよう自分のスキルを上げたり、
協力してくれる人と関係性を築く。
その手間隙を少しずつでもいいので、心掛ける。

これを日々続けていくことで
最低限の労力で最大限の利益を出せるようになる。

私は信じてやってきました。

これは社長になってからは私自身に向けてではなく、
そうした仕事の進め方を社員に共感してもらうという方向性も生まれました。

「考え抜いてもいいけど、時間内で終わらせようね」
「終業時間に出来たものがベストだよ」
「夜中まで残業したって、いいものは出てこないよ」
「明日でも間に合うなら、明日でいいよ」
「間に合わないなら、次からは間に合うように日頃の準備をしておこうね」
こんな感じの声掛けを意識してました。

管理職に対しても同じです。
この感覚を管理職が認識して腹落ちしていないと、
結局は社員に浸透しませんから。

業種や職種もありますので、
こうした考え方や企業文化が絶対にいいとは言いませんが、
社内にギスギス感は生じず、
議論も対立も比較的穏やかに関係性の質を高められたと感じています。

結果として、
会社自体の売上も利益も安定して確保しながら向上させることは出来ました。

タイトルを逆に言うとこうなります。
最大限の利益を出したいなら、労力は最低限に抑えよう。

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