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『RAILWAYS 49歳で運転士になった男の物語』を観る

この週末は、外出自粛要請を守り、外出を控えます。今日は朝から季節外れの雪が降り、薄く地面にも積もっています。息子は精神状態が不安定なのか、これまでにないようなヒステリーを起こしました。得体の知れないウイルスが相手なので、当面辛抱の日々が続きます。

映画鑑賞三昧

どうせ引き籠るならその時間を楽しもうと思い、amazon primeで映画をよく観ています。ここ数年は邦画作品を面白いと感じています。今回はその内の一つ、『RAILWAYS 49歳で運転士になった男の物語(2010年)』について、記録を残したいと思います。

あらすじ 〜Wikipediaからそのまま引用

主人公・筒井肇は大手家電メーカーの経営企画室長。取締役への昇進が内定するなど、東京で妻子とともに暮らす彼の人生は一見、順風満帆そのものだった。そんなある日、故郷・島根に住む肇の母が倒れたという一報が入る。さらに、親しかった肇の会社の同期が自動車事故で亡くなった。 

久々に帰郷した肇は、家庭を顧みてこなかったこれまでの人生、そして今後の人生について考えた。そして自分の子供の頃の夢だった「一畑電車の運転士になる」ことを実現すべく会社を退職し、一畑電車に中途入社することとなった。 

晴れて運転士となったのは肇の他にもうひとり、肘の故障でプロ野球入りの夢を絶たれた青年・宮田がいた。

登場人物

主人公の筒井肇役は、中井貴一さんが演じています。妻役が高島礼子さん、娘役は本仮屋ユイカさん、母役は奈良岡朋子さん、同期入社の運転士、宮田役が三浦貴大さん(本作で第34回日本アカデミー賞新人賞を受賞)です。

また、脇役陣も重厚で、私がいいなあと思ったのは、同期入社で事故死する親友役の遠藤憲一さん、入院中の母の担当看護士役の宮崎美子さん、一畑電鉄社長役の橋爪功さん、先輩運転士で指導員役の甲本雅裕さんです。

鉄道映画としては楽しめるのですが…

作品を通じて描きたかったコンセプト、主人公の生き方には共感しますし、「本当に好きなことをする」という挑戦に憧れます。ローカル鉄道の魅力を描く「鉄道映画」を楽しむことを主眼に観れば、成功していると思います。歴史のある車両、デハ二52・53がもう一つの主役で、いいアクセントになっています。

ただ、個人的には幾つか違和感と物足りなさを感じた部分があります。俳優さんの演技力が活きるいいシーンは満載なんですけどね。

主人公は、母親の病気や親友の突然の事故死を契機に、エリートサラリーマンの地位を捨てて、少年時代の夢である電車の運転士に転身することを決意します。ただその決断に至るまでの過程の描き方にはやや不可解な印象が残りました。親友の死が契機になるにせよ、いきなり豹変したかのように会社を辞めることを決めるのは、唐突感がありました。

また、映画前半の主人公の社畜風の考え方や振る舞いと電車運転士に転身してからの人間味溢れる言動や行動とのギャップもかなり極端で、差があり過ぎないかと戸惑いました。

電車運行時の不祥事エピソードが、あっさりと解決されるところもちょっとモヤっとしました。伏線はうまく回収されているとは思うのですが。

ちょっと辛口コメントが続きました。40~50代で、自分が本当に好きなことと向き合えずに、サラリーマンを長く続けてきている人には響く映画だと思います。



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