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ドラマ『アンチヒーロー』の感想

昨夜は、早い時間に寝落ちをしてしまい、日課の連続投稿をまたも止めてしまいました。残念ではありますが、note投稿は、自分自身の思い出作りの為、ライフワークとして何年でも続けていきたいと考えているので、諦めずに何度でも立ち上がります。再開の今日は、日曜劇場『アンチヒーロー』の最終回を観終えての感想です。

ドラマをよく観たクールだった

連続テレビドラマの愛好家ではありませんが、年に1〜2本くらいはハマって観るものがあります。この4-6月クールは、割とよく観た感じで、火曜日のテレビ朝日系列の『Destiny』、土曜日の日本テレビ系列の『花咲舞が黙ってない』、そして日曜日のTBS系列の『アンチヒーロー』の三本を観ていました。オンタイムではなく、TVerの無料配信を利用して、深夜や早朝のスキマ時間で視聴していたので、見逃した回も多数あります。

実際、『花咲舞が黙ってない』については、通しで観たのは最終話とその前の二本だけで、後はダイジェスト版で飛ばし見したので、「観ていた」と言える程の感想はありません。設定自体は荒唐無稽であり、要潤が好演する悪玉の不正の手口は稚拙ですが、ユーモラスな娯楽作品だと割り切って楽しみました。主演の今田美桜さんのビジュアルの美しさと、最終回に半澤直樹役で出演した劇団ひとりさんの抑えた演技が印象に残っています。

面白いと感じた『アンチヒーロー』

途中までは楽しんでいた『Destiny』は、最終回に伏線を残し過ぎてしまい、荒っぽく辻褄合わせをして強引に終わらせた感が強く残りました。全9回だったので、細かな演出を端折らざるを得なかったのは仕方ないのかもしれませんが、ちょっと残念なフィナーレでした。脇役に配していたいい役者さんを、十二分に使い切れてない感じもやや不満が残りました。

なので、今クールの私のNo.1は、この前の日曜日が最終回だった『アンチヒーロー』に落ち着きそうです。横浜の自宅から松本の部屋に帰ってきた日曜日の深夜に、TVerで観ました。なかなか見応えのあった最終回は、謎解きで楽しませるよりも、メッセージ性を強く打ち出した演出になっていましたが、成功していたと思います。色に因んだ名前を持つキャラクターが全員繋がるであろうことは予想されていたと思いますし、それぞれの役柄を演技で魅せてくれたように思います。敵役の伊達原を演じた野村萬斎さんの、胸糞悪いキャラクターは流石でした。

型破りな敏腕弁護士、明墨正樹を演じた長谷川博己さんも存在感、確かな演技力を存分に見せつけました。超大作、話題作への起用が続いており、いよいよ名優の域に達しようとしているようです。役者としてのキャリアの軌跡が、堺雅人さんと似ている気がします。アンチヒーローである明墨を支える若手弁護士、赤峰柊斗役の北村匠海さん、紫ノ宮飛鳥役の堀田真由さんも光っていました。どんでん返しのキーマンとなる検事、緑川歩佳を演じた木村佳乃さんの最後の活躍も見事でした。

『アンチヒーロー』のメッセージ

『アンチヒーロー』からは、作り手の「単純にエンタメで片付けられたくない」という意地と矜持を感じました。この作品を通して伝えたかったテーマとメッセージは、偏り過ぎないように捻りが加えられてはいましたが、私は明確だと感じました。突然身の上に理不尽が降り注ぐ社会に対する怒りや苛立ちも、熱量高く表現されていたと思いました。

作品のメッセージは、必ずしも真正面から受け止めて腹落ちできるものではなかったものの、決して忌避するものでもなく、十分に理解できる深みのあるものでした。できれば製作に携わった人たちは、必要以上に解説や説明を加えず、そっと静観しておいていただければなあと思います。

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