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好きな楽曲:ホワット・ア・フール・ビリーブス

本日は、朝から松本の市街地で一日ガッツリ勉強を積み、適量の酒を気持ち良く飲んでから、部屋へと帰ってきました。本日の記事は、好きな楽曲 ~守備範囲ではない1970年代の大ヒット曲~ 今も色褪せることのない名曲、ドゥービー・ブラザーズ Doobie Brothers「ホワット・ア・フール・ビリーブス What a Fool Believes」(1979)を語ろうと思います。


鬼才・マイケル・マクドナルド

この曲は、彼らの通算8枚目のアルバム『ミニット・バイ・ミニット Minute by Minute』(1978)に収められており、1979年1月にシングルカットされ、全米No.1を記録しました。この曲とアルバムの大ヒットにより、玄人受けする職人的なバンドとして知られたこのベテランバンドは、翌年の第22回グラミー賞において、最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞の2部門を受賞し、一躍アメリカを代表するバンドとして、世界的にも認知されることになります。

その立役者になったのは、1975年にバンド加入後に変革に着手し、この稀代の名曲を、ケニー・ロギンス(Kenny Loggins 1948/1/7-)と共作したマイケル・マクドナルド(Michael McDonald 1952/2/12-)です。マクドナルドは才能 ~特に作曲能力~ が豊かな人で、トム・ジョンストン(Tom Johnston 1948/8/15-)がバンドを牽引していた時代の粗削りなロック魂に惹かれていたコアなドゥービーズ・ファンからは蛇笏のように敬遠されたものの、その類稀なる才能によって、バンドの商業的成功を導き、人気を世界中に浸透させていきました。

印象深い創作エピソード

私が、中学時代に読んだ『FMレコパル』のコミックスによれば、ロギンスとマクドナルドは元々知人同士であったようです。ある日、ロギンスが、マクドナルドの部屋を訪れたようと階下に着いた時、マクドナルドの部屋から流れてきた楽曲のフレーズに衝撃を受け、普段はエレベータを待つのに、その日は階段を駆け上がり、ドアを蹴飛ばして中に入って叫んだのだそうです。「何なんだ、今の曲は!」と。ロギンスが耳にしたのは、私も初めて聴いた時はその斬新さにぶっ飛んだ、あの有名なサビの部分へと転調するパートだったようです。

ピアノに向かっていたマクドナルドは、ゆっくりと振り返り、「やあケニー、君もそう思うかい。実はねえ、僕もこのフレーズを思い付いた時、世紀の大発見をした! と飛び上がったんだけど、その後のフレーズがどうにもしっくりこないんだよ…… 次のアルバムに入れたいんだけど……」と語った際、食い気味にロギンスが、「任せろ! 僕にアイデアがあるから……」とピアノを弾き始め、即興でこの曲が出来上がったそうです。

まあ、私の記憶はかなり曖昧で、適当な誇張が入って伝わっているのでしょうが、二人ともこの曲が出来上がった時に、大ヒットを確信していたのは本当でしょう。なかなかに凄いエピソードです。

愚か者が信じていること

What a Fool Believesを直訳すれば、”愚か者(たち)が信じていること”です。当時中学生でも訳せました。特に好きなのが、

But what a fool believes he sees
No wise man has the power to reason away
What seems to be is always better than nothing

Kenny Loggins & Michael McDonald "What a Fool Believes" Produced by Ted Templeman

のサビ部分です。”愚か者”である私自身のテーマソングとしても、しばしば使ってきました。まずは、騙されたと思って、是非とも味わって聴いて欲しいと強く願う一曲です。

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