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『THE FIRST SLAM DUNK』を観る

今夜は、連日悩まされている確定申告作業を放り出して、近所の映画館へ。目的はまだ観ていなかった『THE FIRST SLAM DUNK』の鑑賞です。期待し過ぎないように心を抑えて、今から席につきます。
※ ここから先は、鑑賞後に書いていきます。

平成の傑作が令和に復活

本作は、昨年12月に公開された時点から、必ず観ておくべき映画として、リストアップをしてありました。いつ観に行こうか、とタイミングをはかっているうちに月日が流れ、今日のこのタイミングになってしまいました。

『SLAM DUNK』は、1990年から1996年まで少年ジャンプに連載され、大好評を博したレジェンド漫画です。平成を代表する人気作品が令和の時代に復活すること、漫画の原作者である井上雄彦先生自らが脚本・監督を担当する渾身の作品ということで前評判も上々で、大ヒットするだろうと予想していました。先日、興行収入が100億円を突破する大ヒットになっていると報道されていました。

観終わった率直な感想は、「いやいや、素晴らしいクオリティでした!」というものです。シリーズの中でも最高傑作と言われている、全国大会の山王工業戦が映画の舞台ですが、漫画ではサブキャラクターである、宮城リョータが主人公で物語が展開していく演出になっていて、これはこれで全然あり、見事でした。

コミカルさは封印された硬派な映画

連載当時、バスケットボールを扱うスポーツ漫画は珍しかったし、絵の描写が巧みで、登場キャラクターひとりひとりが丁寧に描かれていて、単なるスポ魂モノとは一線を画する斬新な作品だったと言われます。私はオンタイムではなく、数年前になってようやく原作を読む機会がありましたが、夢中になって読めてしまう魅力が詰まっていました。漫画やアニメでは、ギャグやユーモアの要素も多分に含んでいましたが、この映画版ではコミカルさは封印され、全体的にシリアストーンの劇画風に表現されていました。

オールドファンには感涙ものの、名台詞も随所にバッチリと入れ込まれていました。この作品の特徴は、敵方にも魅力的なキャラクターが大勢いて、丁寧にエピソードが描かれているということです。対戦相手の山王工業メンバーたちのキャラクターも立っていて、漫画のストーリーをよく知らない人でも面白く観られたと思います。ただ、宮城が主人公なので、試合終了直前の土壇場に、普段は相反し合っている花道と流川のパス交換から決勝点を挙げる感動的な場面の盛り上がりはやや期待を下回ったかなあというのが率直な意見です。とはいえ、何度も観たくなる映画です。総合的には観る前の期待を遥かに上回っていました。

希望を捨てず、最後まで諦めないこと、何度でも再起することがテーマです。自分が遥か昔に失ってしまっていた大切なことを、この映画きら改めて教えられた気がします。

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