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Markover 50 の読んだ本

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Markover 50の読んできた本の読書感想文を収めています。
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2024年6月の記事一覧

『はじめての構造主義』を読む

本日は、橋爪大三郎『はじめての構造主義』(講談社新書1988)の読書感想文です。 お気に入りの論客の一人本書は、著名な社会学者(理論社会学、宗教社会学、現代社会論)である橋爪大三郎氏が、東京工業大学助教授に就任される直前、39歳の気鋭の研究者だった頃に書かれたもので、以来何度も重版化されている定評のある一冊です。 現代人のモノの考え方、社会の捉え方に深く根付いている「構造主義」を、初心者にも理解できるよう丁寧に解説してくれている良心的な書だと感じます。この本が、長年読まれ

『凱風館日乗』を読む

本日は、内田樹『凱風館日乗』(河出書房出版2024)の読書感想文です。週末プチ旅の移動の合間に挑みました。読了して、今の自分が漠然と考えているようなことを、クリアに表現されているフレーズに次々と出会うことができ、腹落ちするとともに、とても幸せな気持ちに包まれることができた一冊でした。 丁寧に語りかける論客最近、内田樹氏の著作を読む機会が急激に増えてきました。読む本の選択を、著者の好き/嫌いで判断するのはできるだけ避けたいと思いますが、自分の関心時についてどう考えているのか、

『女のいない男たち』を読む

家族旅行二日目は、雨が降る生憎の天気でしたが、筋金入りの『晴れ女』である妻の強運のおかげで、天気のトラブルに見舞われることなく過ごせました。前半で簡単に旅の総括をした後は、村上春樹『女のいない男たち』(文藝春秋2014)の読書感想文です。 家族三人が一緒にいるだけで幸せ昨夜は早めに風呂と夕食を済ませていたので、夜は早目に休みました。普段は夜更かし気味の息子も早起きして疲れたのか、ベッドに入るとすぐに眠りに入りました。 今朝は8時過ぎまで寝て、昨日訪れた赤倉観光ホテルのカフ