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Markover 50 の読んだ本

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Markover 50の読んできた本の読書感想文を収めています。
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2023年8月の記事一覧

『2020年6月30日にまたここで合おう 瀧本哲史伝説の東大講義』を読む

本日は、瀧本哲史『2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義』(星海社新書2020)の読書感想文です。 偶然の出会い本書は、2012年6月30日、著者の瀧本哲史氏(1972/1/22-2019/8/10)が、東京大学伊藤謝恩ホールで行った講義の内容を一冊にまとめたものです。京都大学客員准教授、成功した投資家、事業家であり、『武器としての交渉思考』『武器としての決断思考』など話題になった著作がある瀧本氏は、病との格闘の末に2019年に47歳の若さで亡くなっ

『戦争の近現代史』を読む

本日は、保坂正康『戦争の近現代史 日本人は戦争をやめられるのか』(幻冬舎新書2023)の読書感想文です。 引き籠りの一日の最後に手にした書今日は朝からアクティブに活動する計画だったものの、気分が冴えず一日引き籠りを続けて、貴重な休日が更けていきました。外出しようかと考えた時には、外は土砂降りで雷の音が響き渡る悪天候に変化していて、あえなく断念しました。こんな日もあります。 雨が収まった間隙を突いて買ってきたコンビニ弁当で夕飯を済ませ、食後に手に取ったのが、本書でした。

『経済の不都合な話』を読む

横浜の自宅に帰ってきて二日目です。午後からは息子との電車旅に付き合いつつ、気分的にはのんびりと余裕をもって過ごしています。本日は、自宅に置いてあった、ルディー和子『経済の不都合な話』(日経プレミアシリーズ2018)の"第6章 大企業が機能しない神経学的理由"から拾い上げた幾つかの気になる表現から、思考を広げてみます。 心に引っ掛かった文章に着目する読書本書はおそらく再読になる筈なのですが、しばらく読み進めても、その時の記憶が全く蘇ってきませんでした。おそらく、ふむふむと流し

『暇と退屈の倫理学』を読む

本日は、JR飯田線の長旅用に買い込んで読み始め、大量の付箋紙を貼り、知的興奮を味わいながら読み進めた國分功一郎『暇と退屈の倫理学』(新潮文庫2021)の読書感想文です。 2022年東大・京大で1番読まれた本2021年発売の新潮文庫版(令和5年3月 16刷)で読み進めていますが、オリジナルは朝日出版社から2010年に、増補新版が2015年に発刊されています。哲学書という難解なジャンルの本ながら、異例のベストセラーになっていると知り、興味を持っていました。購入した本に巻かれてい