マガジンのカバー画像

Markover 50 の読んだ本

242
Markover 50の読んできた本の読書感想文を収めています。
運営しているクリエイター

2021年11月の記事一覧

『それでも映画は「格差」を描く』を読む❷

昨日に引き続き、町山智浩『それでも映画は「格差」を描く』(インターナショナル新書2021)の読書感想文です。二回に亘って記事にする予定では無かったのですが、それぞれの章の解説を読んで考えてしまった部分が多かったので、自分の無知と気持ちの動揺の記録を残します。 映画監督の解説でもある実は昨日noteを書いた段階では、「はじめに」「あとがき」と『ジョーカー』の章くらいしか読んでいませんでした。昨夜や、本日松本へ戻ってくるバスの中で、他の評論もしっかりと読み込みました。取り上げた

『それでも映画は「格差」を描く』を読む❶

本日の読書感想文は、町山智浩『それでも映画は「格差」を描く』(インターナショナル新書2021)です。 映画評論家という仕事一本の映画作品には、膨大な予算が準備され、多くの才能あるタレントやスタッフが動員され、長時間自らの全精力を拘束を捧げることを強要され、技術の水位が結集されます。究極のエンターテインメントと言ってもよいかもしれません。そんな映画ビジネスの世界で生き残っていくのは、並大抵の才能と努力では覚束ない荒業です。 映画評論家とは、映画製作に携わるクリエイターたちが