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Markover 50 の読んだ本

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Markover 50の読んできた本の読書感想文を収めています。
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2021年2月の記事一覧

『沢村栄治』を読む

本日の読書感想文は、太田俊明『沢村栄治 裏切られたエース』(文春新書)です。 伝説の名投手野球ファンならば、沢村栄治(澤村榮治 1917/2/1-1944/12/2)という名前を一度は聞いたことがあるでしょう。戦前の職業野球創設期に活躍した最大のスターであり、優れた成績を収めた先発完投型の投手に送られる『沢村賞』に今もその名を残す伝説の名投手です。 沢村栄治を日本野球史に燦然と輝かせているエピソードが、1934年11月20日静岡県草薙球場で行われた日米野球第十戦での快投で

『ショック・ドクトリン』を直視する

まずは御礼を。 2021/2/15に累計PV数が20万を突破しました。これまで私の記事に目を止めて読んでいただいた全ての方々に深く感謝を申し上げます。私は引き続き書き続けていきます。どうぞよろしくお願いいたします。 本日のテーマは、『ショック・ドクトリン』です。 『ショック・ドクトリン』とは?『ショック・ドクトリン』は、カナダのジャーナリスト、ナオミ・クライン(Naomi Klein, 1970/5/8-)が2007年に発刊(日本語訳版は2011年)した『ショック・ドク

『失われた三時間/乗り継ぎのための三時間』を読む

本日取り上げるのは、フィッツジェラルドの短編小説『失われた三時間』(村上春樹訳)/『乗り継ぎのための三時間』(野崎孝訳)です。 フィッツジェラルドとの出会いアメリカ文学史上に残る小説家、スコット・フィッツジェラルド(Francis Scott Key Fitzgerald, 1896/9/24-1940/12/21)の名を知り、人物と作品に興味を持つようになったきっかけは、村上春樹氏の著作です。 村上氏が翻訳を担当した『マイ・ロスト・シティー』(中公文庫1984 絶版?)