📗【文書版】統一教会の解散命令請求のことや、総裁の韓鶴子(ハンハクチャ)氏が名乗っている「独生女(どくせんにょ)」という称号についても少しだけ語ります。✴️礼拝メッセージ「愛のふいうち」マタイの福音書第23章1～12節　2023年11月5日

📗昨日の礼拝メッセージのテキスト版もここに掲載いたします。
✅統一教会の解散命令請求のことや、総裁の韓鶴子(ハンハクチャ)氏が名乗っている「独生女(どくせんにょ)」という称号についても少しだけ語ります。
✴️礼拝メッセージ「愛のふいうち」
マタイの福音書第23章1～12節　2023年11月5日

1そのとき、イエスは群衆と弟子たちに語られた。
2「律法学者たちやパリサイ人たちはモーセの座に着いています。
3ですから、彼らがあなたがたに言うことはすべて実行し、守りなさい。しかし、彼らの行いをまねてはいけません。彼らは言うだけで実行しないからです。
4また彼らは、重くて負いきれない荷を束ねて人々の肩に載せるが、それを動かすのに自分は指一本貸そうともしません。
5彼らがしている行いはすべて人に見せるためです。彼らは聖句を入れる小箱を大きくしたり、衣の房を長くしたりするのです。
6宴会では上座を、会堂では上席を好み、
7広場であいさつされること、人々から先生と呼ばれることが好きです。
8しかし、あなたがたは先生と呼ばれてはいけません。あなたがたの教師はただ一人で、あなたがたはみな兄弟だからです。
9あなたがたは地上で、だれかを自分たちの父と呼んではいけません。あなたがたの父はただ一人、天におられる父だけです。
10また、師と呼ばれてはいけません。あなたがたの師はただ一人、キリストだけです。
11あなたがたのうちで一番偉い者は皆に仕える者になりなさい。
12だれでも、自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされます。
 
主の恵みと平安が皆さんの上に豊かにありますように。
この日も皆さんとご一緒に主の日の礼拝にあずかれますことを心から感謝いたします。
 
　統一協会の解散命令請求が先月10月13日に文部科学省から出されました。これは「解散命令」ではないんですね。それの手前になります。文科省から東京地方裁判所に出されて、それから裁判所の方が請求した側と教団の双方の意見を聞いて、解散命令を出すかどうか判断します。
 
　でこれで解散命令が出されればこれで一件落着すべて解決かと言うととんでもない話で、被害者救済のスタートラインということですね。解散命令やらないよりはやる方がずいぶんいいわけですね。
　この宗教法人が解散というだけですから、固定資産税など税制優遇の特権が失われるだけなんですね。信教の自由がありますから、任意団体として継続して信仰を続け、宗教活動を続けることは可能なんですね。
　ですから、危惧されることは、この団体が地下化して、つまりより隠れるということですね。またこれを宗教迫害だと称して、結束が強くなる可能性もありますし、見えない形でなお被害が続く可能性はあります。
　また、統一教会は、企業などフロント団体をたくさん持っていますので、そこを通して韓国の本部に送金されたりあるいは信者の方が直接韓国の本部にお金を持って行ったりということは今も行なわれているようですので、まだまだカルト対策は気が抜けないところがあります。脱会なさった方・被害を受けた方の心のケアもこれから長い時間がかかると思います。
 
　それで、このことはご存じでしょうか？ちょっと昔にさかのぼりますけれど、韓国の本部で、文鮮明・ムンソンミョン氏が亡くなってから、教団の求心力が弱くなりました。そこで、後を継いだ妻の韓鶴子・ハンハクチャ氏が、自分を徐々に、独生女どくせんにょ、という称号で呼ぶようになって行ったんですね。独生女とは独自に生きる女と書いてどくせんにょですが、だんだん小出しで出していって、2019年(4月)に、ハンハクチャ氏はこういった内容の発言をしているそうです。
 
「この世のキリスト教徒たちは雲に乗って来るメシヤを待ちますが、韓国のこの神霊な団体はどの国よりも強烈な神霊と真理で肉身をもって来られるメシヤを待ちます。それで1943年に独り娘が誕生しました。奇跡のような出来事です。」(2019.4．20)
 
　メシアを待って、1943年に独り娘が誕生したということは、メシアは実はこの発言をしたハンハクチャ氏自身であると、そう言いたいのだと取れますね。いずれにせよ、神の独生女、神の一人娘という称号を作ってですね、そして独生女は無原罪つまり原罪が無いんだ、と主張しているんですね。
いつの時代のどこの宗教団体でも、信仰の指導者と呼ばれる人を、そういった特別な称号をもって権威づける、そして時にはその宗教的な言ってみれば一種の権力でもって、ゆがんだ支配構造を作ってゆく、ということがあり得るわけですね。
 
どうしてこの話を最初にしたかと申しますと、まさにこの呼び名の問題が出て来るからなんですね。
律法学者やパリサイ人が何という称号で呼ばれていたか、ということが問題になってくるわけですが、ここで、キリスト教会内ではわりと有名な、そしてそれだけ議論になりやすい箇所でもあるんですね。もちろん議論そのものは悪いわけではありません。議論というものがそもそも勝ち負けでは無いし、やりこめたやり込められたとかいうものではそもそも無いですね。建設的な議論であればむしろあった方が良いわけですが、礼拝説教ではそのこの箇所の議論にちょっとだけ触れるだけにとどめたいと思います。
その議論とは、教会内で教える賜物を与えられていて、そして人々を教える役目についた人、プロテスタント教会なら、おもに牧師ですね。そういう人を先生と呼ぶべきかどうか、という話なんですね。今神のことばとして共に聞きました主イエスのみことば、8節だけでもこうあります。
 
8しかし、あなたがたは先生と呼ばれてはいけません。あなたがたの教師はただ一人で、あなたがたはみな兄弟だからです。
 
他にも、イエス様のことば、は父と呼ばれてはなりません。師匠の師と書いて、師と呼ばれてはなりません。とも続きます。
 
まぁ父と言ったらですね、すぐ思いつくのは、カトリックでしょうか。ローマ教皇はポープと言います。このポープというのは、お父さんという意味ですね。それから司祭のことを、神父さまと言いますね。これは父という漢字が入っていますね。これはいいんだろうか。
まぁしかし、他の教派の批判をしても始まりません。プロテスタント教会はやっていないかというと、やはりはっきり、牧師や伝道師を、先生と呼ぶじゃないか、と、また牧師先生などという、私も他の牧師を尊敬してこの呼び名を使ってしまったことがあるんですけれど、そこまで丁寧な言い方さえある。
私も牧師として、常々心得ておきたいと思っていることですけれども、牧師は上でもなんでもないんですね。教派によって考え方の違いはありますけれど、わかりやすく言えば、牧師は役目の違う信徒なんです。教える賜物あるいは礼拝メッセージをする賜物を神さまからいただいて、教える役目、あるいは、福音の説教と聖礼典―つまり洗礼式と聖餐式ですね―この役目を果たすことを託された信徒ということですから、上下関係ではいっさい無いわけですね。ちなみに礼拝説教も牧師だけの専売特許ではなくて、福音をきちんと語るなら、信徒が説教をしてもいいわけですが、教会の中に、執事や役員や長老などという「呼び名」はあっても、誰かが誰かより上とか偉いとかいうことは一切ありません。
 
で、先生と呼ばれてはなりません、師と呼ばれてはなりません、と主イエスがはっきりおっしゃっていることから、良く知られている普通の牧場の牧に師匠の師ではなくて、牧場の牧に、仕える、という漢字を書いて、牧仕と、名乗る―若い人に多いんですけれど―教職の人たちがいます。
これは私は個人的には良いアイディアだと思いまし、私もその名称を使ってもいいかもしれません。もちろん色んなご意見があると思いますけれども、このフラット感が出ていまして、師匠として上から目線で教えるんだというような、ニュアンスが減っていると思いますし、このみことばの通りを実行なさっているんだな、とその名実ともに謙遜に仕える姿に尊敬も覚えます。
 
しかし一方で、こういう話も思い出したんです。まぁ日本で先生というのは教会では牧師がそう呼ばれるのが常ですが、お医者さん、弁護士さん、学校の先生、幼稚園の先生、その他色んな人が先生と呼ばれるわけですが、ある人がこのみことばを持ち出して先生批判をやった。先生、先生と呼ばれていい気になるな。もういっそのこと誰も先生と呼ぶのをやめよう、こう言った。こうすると、一人がその人に対してこう言ったんですね。あなたは家庭では父親でしょ？父と呼ばれてはなりませんと書いてあるでしょう。家で子供たちにお父さんと呼ぶのを禁じているんですか？そう聞いたら、その人は先生批判をやめたそうです。
 
ですからそういうことを考えますと、ここで、イエス様がおっしゃっていることは、そういう単に呼び名のことではなさそうです。ここでイエス様は、律法学者やパリサイ人たちを批判する文脈でこう言っておられるわけですが、どうもパリサイ人や律法学者が去ったところでお語りになったわけではなさそうです。彼らのうちの何人かはまだそこにいる状態で、弟子たちや群衆にお語りになったわけですね。
 
そこであるパリサイ人(たとえばツァデクさんとしましょう)がもし、「うーんそうだなぁ」と思い直しまして、自分の弟子たちのところに行って、「お前たち、もう私のことを先生や師と呼んではならない。」と言って、イエス様のところに帰ってきて、「イエスさん、私はあなたの教えに賛同しましたよ。そして弟子たちに言ってやりましたよ。もう徹底して、先生とか師とか呼ぶのをやめさせました。」と言っても、たぶんイエス様には、「わたしが望むのは、そんなうわべだけのことだと思ったのか」とでも言われてしまうのではないかと思うんですね。
 
ですから呼び名だけ変えるという規則だけ作ってもですね、「形だけ導入すれば新しい強制を生む」というのはルターの考えですが、新しい強制を生むだけになるかもしれないんですね。先生と呼んじゃいけない律法主義とか、あるいは牧師と名乗っちゃいけない律法主義を作っても意味はないどころか、むしろマイナスで窮屈になるだけなのかもしれません。
 
むしろ先ほど例にあげたパリサイ人のツァデクさん、この人がパリサイ人のもつ一種の権力を振りかざして、無理やり弟子たちに、先生、と呼ぶのをやめさせたとなれば、ある意味ゆがんだ支配構造で、ある意味カルト的にやっていると言えるわけですから、イエス様の言うことを聞いているようでありながら、じつはイエス様の心から遠く離れてしまっている、ということになりますね。
 
ここで、この時代のパリサイ人や律法学者と、教えを聞く人の状況というものを理解して、それをふまえた上でイエス様のみことばを受け止めることが必要だと思います。
ここで8節の「先生」ということば、これは「ラビ」ということばなんです。ラビはユダヤ教の教師、先生を指す言葉ですが、私の大いなるお方、偉大なお方、という意味で、最上級の尊敬を表す言葉です。これが称号になりました。また彼らは、父とも呼ばれていました。血がつながっていなくてもです。神のおきてを教えてくださる私たちのお父さん、ですから肉親以上に重んじるべきだ、とパリサイ人律法学者たちは教えました。あなたの血のつながったお父さんと、ラビであるお父さん、もし両方が誘拐されたならば、ラビの方を、身代金を払って先に解放してあげなさい、それほど重んじるべきだと教えていましたし、またさらに、このラビは弟子に対して不当とも思えるような権力をもっていて、弟子の職業や結婚にまで決定権を持っていたんだそうですね。これはですね、まさにゆがんだ支配構造ですね。こんにちの言い方でいえば、カルト的な面があるのではないかと思うわけですが、呼び名をどうするか、の問題よりも、彼らがラビという称号で呼ばれることによって、「不当な権力がふるわれて、人が人に支配されること」を問題になさったんだとみることができます。
 
ですから、日本で言われる「先生」というのとは全然ニュアンスが異なるということが分かります。日本語の「先生」は、先ほど申しましたように、保育園の先生というふうにも使いますから、単に役目を表すくらいに使われることもありますし、師匠の師も、病院の看護師と書く時にも師と使いますから、また日本の慣習的にも、先生と呼ばれることは問題は無いでしょうし、師匠の師という漢字を使っても大丈夫だと思います。私のことを田村先生と呼んでも差し支えないし、田村さんと呼んでいただいてもいいわけですね。ただ私が、もしですね、カルト化しようとしている、権力をふるおうとしている、ゆがんだ支配構造を作ろうとしている、そういう方向になっていたら、皆さんに愛をもって批判をしてだいて指摘をしていただいて、全力で止めてほしいと思うんですね。
 
最後の2節もそうですね。これだってカルト的に濫用する人はいるかもしれないんですね。
 
11あなたがたのうちで一番偉い者は皆に仕える者になりなさい。
12だれでも、自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされます。
 
「こう書いてあるでしょう？皆さんは自分を低くして、謙遜と従順を身に着けてください。そして霊的指導者の命令に聞き従ってください、文句を言うなんていうのは高慢ですよ。」などと言って、御言葉を人を支配するために濫用するのはですね、キリスト教と偽った異端・カルト団体だけではなくて、プロテスタントの正統な教義・教理を持つ教会でも時にはあり得ることですが、皆さんはもう騙されないですよね。神の権威と霊的指導者の権威を混同している、ごっちゃにしているわけですね。
 
ですから私もこのみことばを肝に銘じて、みことばの説き明かしをもって神と皆さんに仕える者として、高ぶらないように、よく自己点検をして歩んで行きたいと思います。皆さんも、私が高慢になったり、支配欲の誘惑に遭わないで神と人の前に謙遜に勤めを果たせるように祈っていてください。
 
ということで、このメッセージを終えていいのだろうか？これはよく考えてみれば、みことばに語る者が身をさらした、と言うよりは、みことばから、ゆがんだ支配構造を作っていないか、という基準、みことばによる道徳や倫理の基準を引き出して、その基準のものさしをもって、自分を点検しただけですので、それはよく考えたらパリサイ人がいつもやっていたことなんですね。613あるモーセの律法の中で、基準を決めて、これをしたから、うん、守れたことになった。これを避けれたから、やってはならないという戒めを守れた、そんなふうに、自己チェックしながら、一所懸命まじめに信仰生活をやっていたわけです。ですからそういうことでもないだろう、と。では本当に聞きとるべきなのは何なのでしょうか？
 
ある人がこのみことばは、私たち全員にとって、こういうものなんだと言っています。「人気のないところで、いきなり背後からイエス様に『あんた、色んなことやってるけれど、神さまのためとか、人のためとか言っているけれど、それ、ホントのところは、人に見せるためだ。なぁ、そうだろ？』って声をかけられるようなものだ」そう言うのです。
 
私はそのことばを聞いて、ぎくりとしました。確かにここを読んで、文字どおりには自分はあまり当てはまらない。聖句を入れる小箱を大きくしたり、今でも正統派のユダヤ人がこういう箱を頭につけている写真を見たことがおありでしょう。あれは、イエス様当時、旧約聖書のシェマーの聖句の他に、他の重要だと思われる聖書のことばをどんどん追加して入れて行ったので、モノがどんどん大きくなったそうです。衣のふさも、青色の糸で編まれて、これも聖句をいつも思い起こして、心と体を誘惑から守るための、信仰生活上の工夫なんですね。それをしかし、大きくすることによって、信仰深さアピールをパリサイ人律法学者たちはしていたわけですね。こんにちで言えば、クリスチャンだと分かる身につけておくグッズなどを増やして、目立つようにして、敬虔さアピールを増やす、ということになるでしょうか。私はあまりやらないですね。結婚式や葬儀の時でも、ゴテゴテの飾りがついたガウンは着ない。ガウンを着る時でも、シンプルなものを着ます。
また宴会では上座(かみざ)を、会堂では上席(じょうせき)を好む、いや、私はどちらかというと、控えめな方で、後ろの方の席に座る方が多いタイプだから当てはまらないかなぁ。
だからオッケー、まぁイエス様のことばに照らして、自分はまぁまぁ合格だろう、という話ではないんです。私たちはいつも、人の目を気にして、人からの評価を求めて行動しているのではないだろうか？
 
私は色んなSNSを使って、色んなことを発信します。やはりいいねが増えたり、フォロワーやフレンドが増えると嬉しいんですね。
ユーチューブでの礼拝配信もそうです。普通にユーチューブで礼拝を配信しても、数回から行っても数十回再生ですが、工夫をしまして、サムネイル画像といって、ユーチューブの各動画の表紙に当たる画像ですね、思わずクリックしたくなる文字と画像に工夫しますと、数十倍、時には100倍を超える視聴回数になります。やはりそういう工夫をして、みことばを広く多くの人に届けるという点では、良いことだとは思います。
ただ、そうやって多くの視聴回数が増えて、高評価の数も多くなりますと、、おかしなもので、何か私の人からの評判があがって、私の価値が上がったような気がしてくるんですね。でもこれは錯覚なんですね。
皆さんならどんなことがありますか？ネットでなくても、人から褒められると、悪い気持ちはしないでしょう。もちろん褒め言葉を素直に受けていいんです。
けれどもある人が大事なことを指摘しているんですけれども、そうやって人からの評判が高まると、神さまからの良い評価を受けているように思えてくる。神さまから祝福されているように思えてくる。これが実は、全くの錯覚なんだ、って言うんですね。
で私たちは、人からの評価がガタ落ちになったり、評判が失われることが、とっても怖いんです。
 
その人はこうも言います。
私たちは人からの評価を得ることで、自己安心が生まれる。そういう種類の安心は、神との関係を抜きにした安心感であり、神以外の手すりにつかまることでえられる安心感なんです。
その手すりとは、ここでは人に評価される、という手すりなんですが、自分はこれだけやっているのだから大丈夫、そしてそういう自分のことを、他人も評価してくれている。
人からよく見られると、神からもよく見られているように錯覚するけれども、実はそれは錯覚なんだと。
パリサイ人は、たくさんの善行をしているように見えますし、実際に善行の実践もしていますけれども、実は神の前には何もしていないと言えるのです。自分の前に、また人の前に善行をしているのだから。神様への心は無い。それはじつは、ある種、安心感のある歩みなのです。
 
パリサイ人にとって一番の盲点は、「汝はその人なり」これが聞こえていないことだ。律法を外側から見ている。律法が最後に問題にしていることは「あなたがその人だ」ということなんです。
旧約時代のイスラエルの王、ダビデが姦淫と殺人という大変な罪を犯した時に、預言者ナタンが彼のところにやってまいりました。たとえ話をもってダビデ王の罪を、ある人の罪としてナタンが指摘しました時に、ナタンは言いました。「汝はその人なり」「その人はあなただ」
そんなふうに、私たちの存在の真ん中から突き刺してくるのが神の言葉なんです。
私たちはどこかずるいところがあり、神のことばを聞いても、ここはだいたい守れているからオッケーだろう、といった具合に、神のことばを割り引いて、あるいは薄めて、自分はオッケーだとしてしまって、神のことばをかわそうとしますし、自分の言動で人からの良い評価、ほめ言葉、つまり人からの栄光を得るため、そしてそれによってもたらされる安心感を得ようとしてしまう。
 
そんな私たちの存在の中心を打ち貫くような、主イエスのみことばなんです。
そんな私たちが神の愛によって突き刺されるために、ついに神の御子イエス・キリストが十字架におかかりになります。先ほどイエス様の私たちの罪に気づかせるための言わば鋭いふいうちのことを語りましたが、もう一つのふいうちがあります。それは愛のふいうちです。イエス様の愛のふいうちはじつに十字架なのです。その十字架は、この今日のみことばの記事から言えばわずか数日後です。パリサイ人律法学者たちは、律法の細目を作って、口伝律法と呼ばれるモーセの律法を守るため、あるいは律法違反を犯さないための口伝えの律法をつくって、そのたくさんを束にして民衆に重荷として背負わせて自分たちは抜け道を作りましたが、
 
主イエス・キリストは、私たちの重荷をすべて負ってくださいました。それは人生という重荷とも言えますし、苦難という重荷であるとも言えるでしょうが、何よりも罪の重荷です。神の前よりも、人の評価の前に生きるというこの的はずれという罪の重荷を主イエスが十字架の上で全部身代わりに負ってくださったからこそ、私たちは完全に罪赦されました。復活の主の新しいいのちをいただいて、軽やかな歩みを作らせていただいているのです。
 
どんな軽やかな歩みでしょうか。マタイがこの直前に、第22章で、パリサイ人の1人が、たくさんある戒め(律法)の中で、どの戒めが一番大切ですか？とイエス様に問われたことを、書いてくれているのは私たちにとって幸いなことです。マタイは、前後のできごとを並べて書く時に、全く違う話をポンポンと置いているのではありません。関係があることとして、文脈上つなげて書いています。
このパリサイ人が一番重要な戒めとしてイエス様から聞かされたのは、「心を尽くし、いのちを尽くし、知性を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。」というみことばです。これは実は、その額につける聖句の入った小箱に最低限入れなければならないみことばの一つだったんです。
 
 
人からの評判を気にする心から自由にされて、全身全霊で神を愛する、そして隣人を自分自身のように愛する、そのような歩みが、今、まことに軽やかな歩みとして、私たちの目の前に広がっているのです。
 
お祈りをいたします。
恵みとあわれみに富みたもう、私たちの主イエス・キリストの父なる御神
あなた様は御子、主イエス・キリストをこの世にお遣わしになり、パリサイ人律法学者たちの偽善を見抜かれました。そればかりでなく、私たちの心の人の目に気にして、人の評判を気にして、生きることから、全く自由な新しい生き方へと導いてくださいます。私たちひとりひとりの魂が、人からどう評価されるかを忘れて、ただひたすらに、神と人とを愛して行く軽やかな歩みを、させてくださいますように。もうそうさせて下さっていますから心から感謝いたします。主イエス・キリストの御名によって祈り願います。アーメン。

#統一教会 #解散命令請求