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ブーケトス、ブーケプルズ

あの忌まわしい儀式が行われると、長年の友情も冷めるものです。
ご存じない方もいらっしゃるかと思うので、ご説明します。(最近の結婚式はご祝儀が電子化されたり非接触式にアップデートされつつあるので、変わったかもしれませんが、少し前に一般的だった例で説明)
結婚式の披露宴にて行われる余興です。以下、ゼクシイによると

花嫁が後ろ向きになり、独身女性にブーケを投げる儀式。
投げたブーケを受け取ることができた人は次に幸せになれるという言い伝えがある。花嫁が持つブーケとは別にトス用ブーケを用意する人が多い。
独身女性ゲストの人数分のリボンのうち、1本だけがブーケと結ばれていて、それを引いた人にプレゼントを渡すという演出。

縁起の良い余興のように思われる方もいらっしゃるでしょう。
まあ、見てる分には微笑ましいかもしれませんね。

では、上記の対象者とされる「独身女性」はどのように選別されるかご存じでしょうか?招待状に「ブーケトス・ブーケプルズ 参加・不参加 に〇を付けてください。」とは書いてありません。

式場スタッフが新婦友人席(新郎友人席や親族席にも女性がいれば)に直接回ってきて、「独身女性の方参加してください」と強要しに来ます。結婚願望の有無も聞かれません。強制参加です。

ブーケをもらったら、泣きながら嬉しがり、新婦を祝福するところまでがデフォルトです。(みなさん素晴らしいコメントを仰るので、事前に打ち合わせてるんじゃないかと思ってる。)

これまでは挙式する友人の手前、明確な拒否も場が悪くなるかと思い一応周縁に立って「無」になってました。学校でグループになりなさいと言われて入れない子供みたいな。たぶん写真とか撮られてるけど気にしない。

独身男性には言われないんですよ。
独身女性のみ独身を晒され、おそらく同時に外見をジャッジされ、結婚願望があるものとされ、既婚の新婦に憧れなくてはならないとされ、拒否権はないとされる。
祝いの席でもモノ化されるんだねー。
これご祝儀3万払って茶番を演じるってことなんで。こういうのこそレンタル友達に金払って、誰も傷付かないようにしてほしいよな。

そもそも独身女性を晒す目的が式場にいる男性とのマッチング目的ならTinderでいいだろ。

ブライダルビジネスは「マナー」ってもんにこだわるんで、新郎新婦より親世代や上司世代に忖度するのだろうが、自分のやってる言葉遣い、宛名の順番、上座下座、ブーケトス・プルズ、あらゆるものがジェンダーバイアスがんじがらめで、差別的と受け取られる可能性があり、それを拒否する権利は誰にでもあると知っておいてほしい。

クライアントである新郎新婦や親が望んだ?
ご祝儀包んだ招待客も間接的にクライアントですが。

マナー講師とかもそうだけど、マナーで飯食うなら、差別に敏感であれ。アップデートを怠るな。
一瞬にしてマナーは古臭くなり、差別となる。
誰かに忖度することは、誰かを傷付けていい正当な理由にはならない。

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