見出し画像

函館おもかげ探し

pixiv掲載の、函館遠征記録と同内容です。時々ゴールデンカムイネタも入りますが、その辺りはご愛敬ということで。

前説

実は、2020年のGWに行く予定だったんだよ。
ところがコロナ蔓延!
泣く泣くキャンセルしたんだよ、ええ。

それから二年。2022年になって、一応は知っていたゴールデンカムイにドはまり。
鬱から復活したとたんそれかよ、お前……
(適応障害確定で、薬のみながら仕事してたその間二年)

仕事はこれまたクソッタレな(失礼!)状態で、毎日罵声や卑猥な単語を浴びせられ、指導入れても入らねえじゃねえかコノヤロウ。
おまけに、産休でチームが二人抜けることに。
なんとか代打は来たが、新人さん。
4月からも新人さんが来ているので、二人を抱えてヒーヒーしながら回し……
そしたら自分に内臓疾患まで発覚しやがりましたよ。
長年の貧血はどうもこいつのせいだったらしい。

マジDEATHか。

しかし!貧血気味が通常運転だったので、いまさらである。
今すぐ命に関わるわけではないらしいので、色々と疲れはてた私は、とりあえずそちらは放置して、後悔しないように、やりたいことをやろうということにしてしまったのでありました。

1日目 2022.11.5
土曜出勤だったので、そのあと新幹線で行こう!と、えきねっとでチケットを予約済み。
早割万歳!20パーセントくらいoffになるのよ超便利。
なんで飛行機ではないのかというと、便数がないからである。
何?新千歳なら多い?
やめてくれ。
新千歳から特急で4時間近くかかる。
トランジットも嫌じゃー!
じかに函館行きたいー!!
というか、私は、そもそも上野や大宮ユーザーなので、函館行くのに飛行機も新幹線も、所要時間はさして変わらんのである。
そもそも羽田空港や成田空港にいくまでに2時間近くだな……

まあ、そういうわけ。
おまけに、東京から函館空港飛ぶ飛行機、最終が17時台なんだもん。無理!
新幹線だと、はやぶさ新函館北斗行きの最終が19時台なのだ。

そんなわけなので、定時で仕事上がってやる!と意気込んだものの、突如なにか飛び込んでくるのが我が業種。
ばっきゃろー!と叫びつつ処理し、辛うじて、なんとか新幹線に間に合う鈍行にはのれるかな…という時刻に退勤。
が、そこに救いの手が!
なんと、東京まで、鈍行の半分の時間で行ってくれる特急に間に合った!ので、贅沢して特急利用。
確実に新幹線に間に合うためである。イッツ必要経費!

で、無事に上野から乗り込み、一路北を目指すのでありました。
そういや、キャッチフレーズ変わりましたもんね。
「その先の、道へ 北海道」でしたっけ。

さあ、約四時間半の旅路の始まりです。
こちら「はやぶさ」は、秋田新幹線「こまち」と連結して17両編成で走っていますので、盛岡で切り離しとなります。
盛岡までは何度も来ているので、連結は見ていたけど、切り離しは見たことがない。
停車時間が5分くらいあるので、撮影しに走りました。

無事に切り離され、旅立つ「こまち」を見送ったら、今度は自分がまた新幹線に乗らねばならないのですが…
連結していた10号車はグランクラスで、9号車はグリーン車……乗車券無い人は通り抜け禁止なんだよね( ̄▽ ̄;)
結果、8号車のドアまで、22時の盛岡駅構内を爆走する奴が出現しました( ̄▽ ̄;)

2分以内に滑り込まねばならんので、がんばった…
そうこうするうちに、青函トンネルを抜け、定刻通り新函館北斗、函館へと駒を進めたのでありました。
ここでちょうど24時。
宿にチェックインしてシャワーを浴び…
気づいたら朝でした( ; ゚Д゚)ギャー

二日目 2022.11.6
おはようございます。
HOKKAIDO LOVE!割のおかげで、宿泊費が4割引きになっていた上に、クーポン券4000円分も付いてきて、めちゃめちゃビックリした…!
申し込んだけどさ、ダメだと思っていたもので。
今回、ありがたく交通費や食費で使わせていただきました。

宿が最上階に露天風呂作ってたんで、摩周丸を眺めながら朝風呂してました。

その向こうは函館湾。
ここに大湊の駆逐艦隊が展開していたのか……
鯉登提督ぅ……
駅の場所から考えて、暴走機関車が水没したのも摩周丸の近くになるのかな。

朝市が近かったので、朝ごはんには海鮮丼の小。好きなの三つ乗せてイイっていうから、ボタンエビとカニと、特産のイカを楽しみ、そのあと函館バスと路面電車に乗れるフリー切符の2日間(1700円)をゲット。
最初の目的地は、函館ハリストス正教会。
函館にいったら、絶対に行きたかったんだけど……
ただいま工事中!
あれま。ま、そういうこともあるさー。
どのみち、日曜の主日聖体礼儀に参祷したかったので(ハリストス正教会では、祈祷に参加することを参祷と言う)、信徒会館に突撃!
最近はコロナ禍のせいで、信徒以外は参列不可というところが多いので、参加させてもらえるところは貴重です。

プロテスタントの礼拝とも、カトリックのミサとも全然ちがう、けど、確かにハリストス(キリスト)を通して互いがひとつになり、つながる…
うまく言えないけれど、そういう感覚が指先をかすったような気がしました。
式次第はざっくり一時間半くらいなんですが、前半三十分間、なぜか泣いていました。
怪しすぎだぞお前。
…此については、説明できないです。ホントに。
始まって、聖歌聴いてたら、勝手に涙が出てきて止まらなくなってしまったんだ……としか。
……夏に岩倉の実相院でも泣いたくせに。

正直、泣いたのなんて何年振りというレベル。
それがこんな立て続け…
みんな仕事が悪いんだ!
荷が重すぎる、と、絶叫していたからなぁ、夏も、この秋も。
泣いたところでどうなる訳じゃなし。
人前でなんて、意地でも泣いてやるもんか。
たとえ、それを期待されようと。
くそくらえじゃ!
とまあ、可愛げの無いやつなので。
(媚を売っているようで、ものすごく苦手なんですよ…)
そんな私が、人目も憚らず 泣 き ま し た 。
本人が一番信じられないですが。
さすがに30分も泣いたら少しマシな気持ちになりましたね。
His yoke is easyとはこういうことか。
メサイアの歌詞が、急に実体を伴ってきた瞬間……
Come unto Him, all ye that labour,
ye that are heavy laden, and He will give you rest.
と、アルトが歌うアリアの意味がやっとわかったかもしれない。
(G.F.ヘンデル、オラトリオ「メサイア」より。アルトがアリアで「重荷を負い苦しむものは、誰でも彼のもとに来なさい」と歌い、続く合唱は「彼の軛は負いやすく、荷は軽い」と歌う)

……申し訳ない。熱く語りすぎました。

元・某大学聖歌隊員、メサイアは毎年歌っていたので、どうしても思い入れが……
サントリーホールでの公演が一番思い出深いですね…

それはさておき。(そればっか)
主日聖体礼儀の最後は、信徒以外も、神父様の前に進み出て、十字架をかざしていただくことができます。
信徒の方に続いて、私もかざしていただきました。
「また来てくださいね」と言われ、はい、と即答。
次は、工事を終えた聖堂で参祷できるのか。
それは嬉しいなぁ。
今回の、信徒会館でのお祈りも、それはそれで、色々なものが近く感じられてありがたいものでしたが。
神父様の焼いたパンを持たせていただき、教会を後にしたのでありました。
今回参祷されていたのは、私よりも遥かに年上の方ばかり。皆様とても優しく、詮索しないでくださったので気が楽でした……

さてさて。
もともと、元町の洋風建築巡りも目的だったので、マンホール蓋のデザインにもなっている、旧函館区公会堂を目指し、てくてく。
古い建物を眺めて楽しんでいると、函館西高校の隣に、小さな神社がありました……
船魂(ふなだま)神社といい、実は北海道最古の神社だそうです。
ふなだまさん、と呼ばれ、函館港、北洋・遠洋漁業や青函連絡船の守護神として篤く信仰されていたそうです。
今でも船に関わる仕事の人や、港湾作業に関わる人を始め、海上や航海安全を願う人々が崇敬しています。
舵守り、UW旗守りなど、船にゆかりのある物を用いたユニークなお守りがありますよ。

舵は、人生の航路の舵取り…進むべき道を守る意味とのこと。
UW旗は、国際信号旗…船舶の通信に使うもののひとつで、相手の船の「ご安航を祈る」という意味。
人生を航海に見立て、ご安航を!ということらしいです。
なるほどなぁ。

ここで御朱印をいただきましたら、「巴港」と書いてある。
函館港の形が、巴の形に似ているからだそうで。なので、市章も巴形と。ふむふむ。
(この話は、函館山登山バスの運転士さんが教えてくれました。ありがとう!話わかりやすかったよ!)
ちなみに、この神社には義経伝説が残っていました。西波止場から、そこそこ近いもんなぁ…
義経一行が上陸しても、おかしくないね。

このすぐそばの八幡坂は、非常に眺めがよろしいのであります。
こういう景色を、蝦夷共和国を夢見たメンバーも見たのだろうか……

そのまま、坂は下らず、高校や神社を背にして左に進みます。
すると、マンホール蓋にデザインされている、旧函館区公会堂に行き着きます。
明治洋風木造建築の代表的な作品で、重要文化財。
修復をへて、今は建築当初のグレーに黄色が映える、美しい姿をみせています。
ゴールデンカムイの頃は、ちょうど建築するぞと話し合ったりしている頃ですね。
従って、鯉登少尉の子供の頃は、まだこの建物はありませんでした。

美しい、見事な装飾や壁紙、暖炉に使われているタイルなど、見所が色々ありますよ。

中では、十字屋という昭和初期から自家焙煎の珈琲豆を販売している食料品店がカフェを出しています。
建物内の大食堂で珈琲をいただけるのはうれしいですね。目の保養と舌の保養が一度にできてしまうという贅沢。
十字屋には他にも支店がありますが、ここで売っているコーヒーのドリップパックだけ、パッケージに公会堂の絵柄のラベルが貼ってありますので、ちょっとしたお土産にもよいかと。

ここを楽しんだら、坂を下って元町公園の洋風建築を見たり、その先の広場でペリー提督の像を見たりして、開港当時に想いを馳せてみました。
秋の今ごろは、ナナカマドが真っ赤な実をつけていて、綺麗です。
大三坂は、街路樹がナナカマドなので、とても写真映えしますよ。

次は、旧イギリス領事館だ!
安政6年から75年間にわたり、ユニオンジャックを掲げてきた領事館。
現在地付近に移ってきたのは、文久から慶応年間。まさに幕末の動乱の中にいたのです。
うおお……滾るわ……

まあ、そんなわけで、建物の形こそは異なりますが(今の建物は大正時代に竣工)、この坂道などを、鯉登少年はド・ディオン=ブートン社製の三輪車にまたがって爆走していたわけですな。
領事館は、こぢんまりとした、しゃれた建物です。
家族の部屋も公開されていて、ああ、イギリスだなーと、納得の雰囲気。
庭にはバラが植えられており、今は秋バラが美しい。
建物の中にはティールームもあり、アフタヌーンティーが、とても手頃な価格で、一人から楽しめます!
ここで、お昼ごはん代わりにアフタヌーンティーをいただきました。のんびり。

さて、領事館前の坂は、基坂といいます。
基と書かいて、「もとい」と読む。
ここもまた、しゃれた風情の坂なので、写真映えします。
たのしい。

この近くには、アイヌの資料等を沢山持っている資料館があったり、函館市文学館があったりするのですが、今回は時間の都合で割愛。
次のお楽しみです。
色々と興味深いものが密集していて、取捨選択が大変!!
ウィークリーマンション借りて、長期滞在したい。
そのあと、西波止場や金森倉庫群をぬけて、十字街電停へ。倉庫群で「かけはしカード」、地域交流センター(アクロス十字街の隣の建物)で「マンホールカード」をもらい、今度は湯の川へ。

さて、北海道には全部で14か所、北海道弁でかかれたおみくじが引ける神社があります。
えぞみくじといって、各地の名物の張り子つき。函館は、湯の川電停すぐそばの湯倉神社でいただけます。
釣竿でつりあげるのだ!
白と金のイカがいますが、イカすおみくじ、というんだから、金のイカ狙ってきました。(なんだ、その理屈)
結果は中吉。幸運の北海道名物はガラナとでた。
後で買うかー。

ちなみに、旭川でも授与があり、その張り子は米俵らしいっすよ。ほほう……

湯倉神社で紅葉も楽しんだら、再び市電に揺られて五稜郭公園前へ。
ここで路線バスに乗り換え、一路五稜郭駅を目指します。
歩いてもいいけど、暗くなって、疲れてもきたので楽しました。
フリーパスあるしね♪

何故に五稜郭駅かというと、鉄印が欲しかったから。
道南いさりび鉄道の鉄印をゲット!
ここで、いさりび鉄道デザインのクッキー缶と五勝手屋の羊羮も入手。
いさりび鉄道の、懐かしさを感じる車両にテンションがあがる……(本当に怪しいヤツでしかない)
昭和レトロというやつです。

で、帰ってきたらどうするのかって?
函館の夜、それも天気がいいなら、彼処に行くしかないでしょう!

函 館 山

ところが今、ロープウェイは法定点検のため運休中。
代替バスが出ているので、そちらに乗車して山頂を目指します。
片道500円なり。
フリーパスがつかえる!ありがたや!
山頂は結構風が強く、体感温度が低いため、防寒装備はしっかりと。
亀田半島の美しい夜景が見られます!
実際に見られて、本当によかった!!
ここと、ハリストス正教会をはじめとする元町散策ができたので、上々でした。
なにより、混んでいるといってもあの程度なら……
(桜の時期の京都とか、土日は地獄絵図…)

そういえば、函館ってミシュランガイドで星がついているところが、20か所以上あるんだそうですね。納得です。
この後、バスで下山して、十字街(西波止場)のハセガワストアで、タマ子さんから薦めていただいた、やきとり弁当二種類を購入。
普通量が小サイズです。
注文すると、店頭で焼いてくれるんですね。
出来立てほかほかを食べるのが一番でした!
晩御飯に、王道の味のやきとり弁当をほかほかで頬張り、幸せな気持ちでこの日を終えたのでありました。

三日目 2022.11.7
最終日、飛行機は函館空港16時台。

今日は、念願の幕末史跡巡り。
朝御飯に、ハセガワストアのやきとり弁当…季節のご飯バージョンを食べて、幸せチャージ!
わさびご飯が大変美味!
これに、塩味のやきとり(ただし豚肉)がジャストフィットなのであります!!
また食べたい…!タマ子さん、おしえてくださりホントにありがとう!

まず、函館駅から徒歩10分の一本木関門へ。
函館市総合福祉センターにありますので、そこを目指しててくてく。
センター前にはバス停もあるけれど、1日1便しかないよ。
本当に駅から近いので、とにかく歩くべし。

土方歳三最期の地は、こぢんまりとした庭園のなかにあります。
冠木門と、最期の地であることを示す石碑があり、石碑の前には花がたくさん手向けられておりました。
函館どつく駅のそばにある、弁天台場を目指したものの、道半ばの此処にて落命…
合掌し、黙祷を捧げてまいりました。
さて、ゴールデンカムイ内では鯉登少尉が「一本木関門の場所は函館駅、この列車の終着駅」という旨の発言をしていますよね。
この当時、函館駅は初代の頃なので、今の函館駅よりも少し手前…海岸町10番地今の函館西警察署の辺りにあったんですね。そこからも歩いて10分くらいになります、一本木関門。
終着駅の先だから、まさに終着点というのがしっくり来るような位置ですよね。
この駅は、火災により3年間の休止を経て、1911年に廃駅となっています。
函館駅は、連絡船との連絡の利便性から、今の位置に移転しました。

……は!
もしやこの火災とは、暴走機関車の巻き添えを食らった結果?!(違います)

そんな与太話はとりあえず置いておいて。

しみじみしてきた後は、駅二朝市にある十字屋函館朝市店へ。
昨日飲んだ十字屋ブレンドが美味しくてね。
朝市のところでも飲めると言うので、寄ってきました。
ついでにドリップパックも買っちゃいました。仕事場で飲む用。まとめ買いするとちょっとお得。

この後、宿を引き払って一路、碧血碑を目指します。
市電で谷地頭電停まで行き、まずは函館八幡宮へ。
谷地頭には、温泉施設もあるのかー。
今度はいってみよーっと。
月曜日、というのもあり、住宅地であるこのあたりは観光客の姿がほとんどなく、とても静か。
のんびりした気持ちで石段をのぼり…
紅葉がきれいでした……
御朱印を受けたら、勾玉型の落雁をいただきました。ありがたや。

ここから徒歩で、割りと近くにある碧血碑へ。
「義に殉じて流した血は、三年たつと碧色になる」という中国の故事に由来します。

ここは、ふざけた気持ちで足を踏み入れてはならない場所だと実感しました……
そして、まだここ、多分『いらっしゃる』

この土地は、はじめは旧幕軍の死者の埋葬を行ったお寺が払い下げを受けて持っていたそうですが、後に榎本武揚が買い取り、昭和まで榎本家の所有だったのだそうです。
その後、函館市に寄付されて今に至ると。

碧血碑の裏手には、幕臣とおぼしき方の墓石もありまして。
ご冥福をお祈りし、光明真言をあげさせてもらいました……
ポーン!と頭に浮かんだんだよね……

それが正しいのかどうなんて、誰にも判じることはできない。
どの側であれ、信じるものがあって戦った。
その結果、今があり、私たちは此処に生きている。
そんなことをつらつらと考えておりました。

帰り際、一筋の光が射したのがとても印象的でした。
とても美しかった……

そのまま、足を伸ばして立待岬へ。
山道を20分ほどハイキングすると到着します。
途中の木々の合間から見える、大森浜の景色は趣があります。石川啄木も愛したという風景を眺めめ、写真を撮っておりました。

さて、立待岬ですが…津軽海峡に面した岬で、切り立った崖が荒々しくて思わず目を奪われます。
美しくも恐ろしい、自然の有り様をじっくりと見てきました。
立待岬の由来は、アイヌ語のピウス(岩の上で魚を待ち伏せしてヤスで獲る)を訳した、といわれています。

対岸に、もう青森県が見える…本当に海上交通の要衝なんだな、ここ津軽海峡は…
そりゃ、大湊に要港部が置かれるわけだ。
なんせ、チョークポイントです。
戦略的に重要な海上水路なのです。宗谷海峡や関門海峡、対馬海峡などと並んで。

そんなわけで、江戸時代から北方警備のために台場が、明治時代には要塞が置かれました。
のんきに津軽海峡冬景色なんか歌ってる場合じゃねえぜ……

景色を堪能した後は、谷地頭電停まで歩いて…
おおおい!いきなり墓場かーい!!
函館市営の住吉町共同墓地が隣接しておりました。
両サイドを墓に挟まれた坂道を、てけてけとくだります。
いやー、立待岬は午後遅くは行っちゃダメ!!
危ないです。

晴れた日の午前中だから良かったものの、と思いつつ歩いておりました。
真面目な話、碧血碑から立待岬は、山の中のハイキングコースなんで、昼間でもちょいと暗いのですよ。
函館山、熊こそいないですが、何が出るかわかりませんのでね、このご時世。
墓石の波を見ながら、函館八幡さんが持たせてくれた落雁を、帰りの飛行機で食べようと思ったのでありました…
なんか憑いてこられても、あたしゃ何もできないよ!!

さて、この共同墓地には、石川啄木と一族のお墓もありまして、道沿いなので見せてもらってきました。
色々大変だったのでしょうが、最期は好きな函館の地に墓を作ってもらえてよかったね…

この墓地は、昔からあって、代々使用権を引き継いでいるらしく、時々明治などと書かれた墓石があります。
後は、家ごとの墓のみならず、個人のお墓も。市営だから、神道、仏教、キリスト教、天理教なと、いろいろな宗教のお墓が並んでいて興味深かったです。

特に印象に残った墓石のうち一つが、昭和の戦争末期のころの軍人さんのお墓。
たしか、陸軍甲種幹部候補生歩兵科軍曹と書いてあった。
予備役の将校補充のための制度なんだけど、(旧制)中学卒業したあと、志願者の中から選抜された人が教育を受け、平時は在郷軍人として、戦時は召集されて軍務につく。
この人は、その教育中に戦死されたんだろうな。まだ、若かったのだろうに……
墓石の側面に、昭和17年靖国神社に合祀と彫られていたから。
この人は靖国神社に合祀されたから、ここに魂はもういない、と、家族には考えられていたんだろうか。
家族はこの墓をよすがとして、遠い遠い靖国神社に祀られたこの人のことを思っていたのかな……
改めて、祖父が靖国神社にこだわっていた理由を実感することになった一時でした。

住吉漁港を見ながら、谷地頭の電停へ。
きた路面電車にのって、一路五稜郭を目指します。

ここでちょうどお昼。
五稜郭タワー向かいのラッキーピエロでランチです。
一応、ハンバーガーがメインなのは知ってるけど…
店の外装も内装も、メニューもカオス!!
何屋さんよ、マヂで……!!?
濃いです!めちゃめちゃ個性的!!
困った私は、とりあえずNo.1セットを注文。
Twitterでおすすめしていただいた、チャイニーズチキンバーガーと、ラキポテとウーロン茶がセットで800円くらい。これ、ボリュームに比して安くない?
出来立てほかほかのバーガーに、マグカップからあふれるフライドポテト(しかもソースがかかっている)!
ウーロン茶はホントに烏龍茶!
中国茶の味でした。本物!油っこいものに最適なドリンク。
バーガーは、たれがパンに染みてしまうそうなので、アドバイス通り、出来立てホカホカで食べるのが一番ですね、ラッキーピエロ。
あー、美味しい…!そして満腹!幸せーっ!
(´∀`)
エネルギー補給したところで、五稜郭散策開始!!

ついにやってまいりました、五稜郭です。
子供の頃は板橋、流山付近ですごし、今夏は会津若松の新選組展にも突撃した自分は、まあそんなわけで、心情的には昔っから若干そちら側に天秤が傾いている。
だからといって、別に相手方をどうこう言うつもりはないですし、見方は公平でなければならないと考えています。
なので、そんなきれいサッパリ、どっちが好きだなんて、私は言えない。そこのところは汲んでほしい。

入り口二の橋のところで、永倉VS鯉登や、必死に泳ぐ二階堂を思い浮かべつつ中へ。
月曜日なので、ゆったりと散策できました。
防御の仕掛け、石垣や堀の様子などを観察。すごいなぁ…これは見ていて面白いよ。なるほどな、と納得することがいっぱい。
復元された奉行所では、御城印を入手し、各部屋を覗き見。
現代の技術の進歩が、復元に当たってのネックになるということの説明に、難しいなあと思いましたよ。まさかのまさかです。
奉行所向かいの売店で、老舗の美鈴珈琲が、当時の文献から再現した「箱館奉行所珈琲」の豆を買ったので、飲むのが楽しみ。

幕末の珈琲の味を文献に基づいて再現といえば、なんといっても故・徳川慶朝氏が関わっておられた、茨城県のサザコーヒーの「徳川将軍珈琲」、「渋沢栄一仏蘭西珈琲物語」「プリンス徳川カフェ」あたりがパッと思い付くところ。
この辺は、とうらぶにも足突っ込んでたんで、その縁で……
最近、サザは東京や大宮にも出店しているから便利なんよ…

ちょうど家にあるので、飲み比べてみようと思っているのでした。うん。

満喫し、その後は五稜郭そばの最上寺で御朱印をいただきました。あ、おせんべいも?!ありがとうございます!
え?ここ、法華宗なのか!御首題帳もってくりゃあよかったorz
使わないと思って、駅のロッカーに荷物として入れてしまっていたのですよ、アハハ(;゚∇゚)
さて、最後に、五稜郭タワーにのぼります。
切符の窓口で市電と函館バスのフリー切符を見せると、絵はがきもらえるよ。

五稜郭の全体を撮るのであるならば、午後の方がいいです。朝は逆光になるので。
タワーから五稜郭、そして函館の街の景色を楽しんでいたら、もう二時半。
そろそろ引き返さないと、飛行機に間に合わない。名残惜しさを抱えつつも10分ほど歩いて市電の電停、五稜郭公園前から函館駅に戻るのでありました。
JR・道南いさりび鉄道の五稜郭駅は、 全く五稜郭の最寄駅ではないのでお気をつけて。遠い!
ついでに電車の本数も少ないよ。
基本的に一時間に3本。

函館駅に戻り、荷物も回収して空港行きのバスに乗車。空港バスは混むので、早めに並んで正解だった…

無事に函館空港についた私は、残りの時間、カフェ美鈴でコーヒーソフトを食べてました。
さすが、コーヒー屋さんのソフトクリーム。コーヒーの味がしっかり出ていて美味しい(о´∀`о)
しかも、ちょっとボリュームもある。
器型のコーンに入っておりましたので、全てを食べ尽くせるという。
最後の最後まで、食い道楽できることの喜びよ!
ありがとう!

四時半過ぎになると、ちょうど日の入りに重なるので、飛行機の機窓からは美しい夕暮れグラデーションが見られました。
うーん!!幸せ!!

一時間くらいのフライトで、無事羽田着。
今回はAIRDOとのコードシェア便。
機内で出たホタテスープ( ゚Д゚)ウマー
あ、AIRDOの制服着た熊ちゃん、機内販売で買うの忘れた( ̄▽ ̄;)
次回、旭川日帰り弾丸ツアーの時に買います。うむ。
そして、スープ飲んでたので、落雁食べるの忘れました。あっはっはー。

飛行機から日本の国土を見ると、改めて、大半山林で、平野は僅かなのだということを実感します。
関東平野だけが突出して広い。
生まれてこの方関東人してますが、ほんと、山なみが遠くに見える程度なのよ。
それが、ちょっと出掛けると、すぐ近くに見える。不思議な感覚です。
夜になり、東京湾岸の夜景がキラキラと眩しい…
やっぱり関東ってちょっと異質なんだなぁ…

そんなこんなで、無事戻ってきました。

翌週の日曜日、念のために、いつもお世話になっている神社に寄ってから、土方歳三資料館に出掛けました。

なんか、「祓ったのに、また危なそうな所にいくんかーい!」と、激しく突っ込まれた気がしますが、キニシナーイ。

付き合い数十年、たぶんもう、諦められてる。
こいつ、止めてもどうせ行くし、と。
ただ、多分迷子防止用ハーネスは付けられてそう。
お陰で、遠征先で体調を崩したり、事件や事故に巻き込まれることはなく、どうにかなってます(笑)

さて、そもそも私は、土方歳三資料館に、ちゃんとたどり着けるのか?

函館遠征日記はひとまず終わりますが、新選組をめぐるうろちょろは、まだまだ続く……

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?