セクハラを隠蔽する陸自問題考察〜本能と知性の混乱〜

 ココロもカラダもまるっとあ・かるく✨のマリ真理学を提唱しているマリエ・セレスティーヌ斎藤です。

 今日の主張はこの動画の内容です。これは、なかなかこのサムネイル、激しいアタックですが、どうしても文章にしたくなっちゃいました。

 こういう性の話をする時、たくさんのエクスキューズ(前提やスタンス表明等)が必要になるので文章を書く時字数がただでさえ多いと定評をいただいているわたし的に、ウッとなってしまう部分があるんですけれど、それでもちゃんと文章にしてみようと腰を上げてみようと思います。

客観的事実

 わたしがこの事件について知っていることを大雑把に説明します。

〈この若い女性は、柔道をやっている方で、全国レベルの方。それの絡みもあり、自衛隊に入隊した。自衛隊ではセクハラがすごいと女性の先輩隊員にも言われていたように、それは事実で、実際にひどい被害にあったということです。その内容は、毎夜自衛隊では訓練後には宴会を催すらしいのですが、その場では、全員先輩、ある訓練の宴会で、その日はこの女性一人で、その宴会中に柔道の技を仕掛けられる側にされ、首を”キメ”られ、股を広げられ、その先輩隊員は腰を振って、服は着ていたもののセックスの真似事(同意がないのでレイプの真似事とも言えますね)を代わる代わる3人にやられた、と。それを他の人数十人は見ていたと。で、そのことを関係各所と検察に訴えたけれど棄却されたということです。
 また、自衛隊では、廊下をすれ違うだけで抱きつかれたり、触られたりキスをされたりするのが日常だったということです。
 この女性は、動画を見るにあたり、身体がとても大きく、男性よりガタイがいいです。さすが柔道のエキスパートです。つまり、本当はとても強いスキルを持っているということでしょう。〉

考察の前提

 わたしは全面的にこの女の子を応援するというスタンスです。それは揺るぎません。でも、これから書く内容には、おそらく人間の性についての良い悪いではない見解を書いていくので、この自衛官たちを批判していないようなことを書くかもしれないので、誤解のないようにこの前提をキッパリ置いておきます。

 また、わたしは、何かをジャッジするつもりも「義憤」を持つつもりはなく、人間というものの本質と実際の行動原理について、そのままの現実とそこから読み取られる推測に思いを巡らせ、どうなっていったらこの様なことがなくなっていくかを考察してみようと思っています。もしおつきあいいただければ嬉しいです。

 もしかしたら、18歳未満は読んではいけないという内容になってしまうかも知れませんが、これは、自衛隊に入隊できる年齢より前から読んでもらえたらいいなと思うので、できるだけそうならない様祈ります。

「ミニスカートで夜道」と「女子の自衛隊入隊」

 女性がレイプされた時、よく言われるのが、そんなところにそんな格好でいた方が悪いという論調です。夜道をミニスカートで歩いているあなたが悪いというやつですね。そんな場所にノコノコ行った方が悪いとか、はっきりしない態度をとったあなたが馬鹿だ、とか、枚挙にいとまがありません。

 ということは、この事件の場合も、「そんな暴力を仕事としているほとんどが男性の閉鎖的で無法地帯とも思える仕事場を選んだあなたが悪い」と言われても仕方ないのではないでしょうか。わたしは自衛隊というところは当たり前に絶対そういうところだろうと思っていましたし、たいていストレスの多い職場は男性でも女性でもみんな多かれ少なかれおかしくなるものです。心理的に言えばいわゆる「堅い仕事」というものであればあるほど、心の不健康度は増すと思うのです。
 自衛隊が堅い仕事と言えるかどうかは難しいところですが、たくさんの規範があることと完全トップダウンの閉鎖的な組織であることは確かです。実際に、自衛隊員の妻には人付き合いにも制約があると聞きますし、警察官もその様に聞きます。それはストレスですよね。
 その上、自衛隊は良くも悪くも人を殺す訓練場です(それは全然良くはないですが、ジャッジはしないということで)。危険物をたくさん扱い、想像力を働かせ、心も身体も戦闘モードにしていかないとならないと思います。そして、ほとんどが男性で、そしてほとんどの人が10代もしくは20代前半で入隊します。ということは、、、一番性欲が盛んな年頃に、女性との付き合いも社会的な経験もほとんどないまま、非常にストレスフルで戦闘的な男性性バリバリの、頭の中で人の心よりも人を殺すことを優先させないとならない世界に突入していくのです。

 そうでなくても、20歳前後の男性の性欲は理屈を超えたものと思われます。それは、良いも悪いもなく「人間という生物の事実」なのでしょう。そして、暴力とセックスは脳内の神経回路が複雑に絡み合っているそうです。しかも、

「侵入してきた雄からは自分の縄張りを守り、侵入してきた雌とは交尾する必要があります。言ってみれば、脳の回路にそれが組み込まれているのです」

セックスと暴力は脳内でリンク

だそうです。こういう、本能みたいなものを、是とするか非とするか。知的生命体と自負し、理性と知性で社会規範に則って生きるのが是だという絶対的前提に立つと、これは是正しないといけない、抑制コントロールしないといけない人間の悪い部分となることでしょう。元々ある悪いところとでも言いましょうか。そして、知性と理性で絶対に解決できる、と信じたいところですね。

 さて、このサイトにも「これは、動物が自分の縄張りを守り、子を養うのに十分な場所を確保するための術なのです」と書いてある様に、この本能のニーズは「種の保存」です。「自衛隊組織」は種の保存のために備わっている本能を理性でコントロールできていない組織と言えるかも知れません。
 でも今現在はそうである、ということです。そこに、男性よりガタイの良い、攻撃力も同じかそれ以上ある様な女子がやってきた。これは、攻撃すべきか交尾すべきか脳みそ的には混乱するところでしょう。きっと、まだ脳の発達が未熟なこの隊員たちには、自分の強さを印象付けたいというオスとしての無意識の危機感があったかも知れません。

 この事実は、社会的制裁が怖くて隠蔽したい、社会規範に一番則っていたい、正義の宝刀を振りかざしていたい分野の組織としては苦しいところです。
 でも、上司の人たちもある意味同じ様な脳の発達を遂げてきた部分があると思われます。ですから自浄作用は期待できない。これがわたしの推測です。

男女平等という知性の暴走

 本能やホルモン分泌、神経回路などの身体に備わっているシステムが時代によったり、個人的、集団的精神的な成長によって物理的な変化をするのか。わたしは、専門的なエビデンスは知りませんが、そうとも言えないことはないでしょう。
 ホルモン分泌は状況により起きるので、我々の精神的な成長が社会に及ぼす影響があるとすれば、状況の変化が起きることによっての分泌されるホルモン変化はありうるでしょう。神経回路も使われたり使われなかったりで変化するかもしれません。
 本能が変わる?かどうかはわかりませんが、性的衝動は生命維持的に切羽詰まった時に活性化するということはあると思うので、理性と知性でその様な状況を回避できる状態を恒常的に創り上げられれば、本能も無理なくコントロールされるのかも知れません。

 と考えた時に、精神的な成長をうながされない環境においてまだ未熟な若者が、過度な規範によるストレスと擬似的であれ生命維持的に切羽詰まった状況を体験し続けている状況において、女子の自衛隊入隊は、夜道ミニスカをはるかに超えた危険な行動とも言えるかも知れません。

 しかも人数的に不利、そして閉鎖的な機密保持機関です。人権よりも規律優先であろうことは想像に難くありません。

 それはわたしの好みではないですが、もう一方で、現代の人間は脳みそが発達しすぎて、身体的な欲求をあまりにも軽視しすぎていると思っています。つまり、事実を受け入れようとせず、コンセプトだけで爆走している状態です。

 男性は、性欲が盛んということを言うと、それは決めつけ、男性差別、そんなことを言ってはならん、という自己規制が働き、抑制しているうちに、その「事実」をなきものにして、ないと思っているから、ないということになっている、と。
 この五ノ井さんも周りの人も、男はみんなそういうものだと思ってはいけない、自衛隊は男性ばかりだけど、常識的に国を守ろうというむしろ正義の味方ばかりがいると思っての入隊だと思います。まさか、ミニスカートで夜道を歩くより危険な行為だとは思いもよらないことでしょう。わたしだったら、恐ろしくて絶対にあり得ない選択ですが。それは、わたしの脳みそが身体感覚とまだ連動しているからでしょう。

 わたしは自衛隊において、女性自衛官がどの仕事にどの程度必要なのか全くわかりません。でも、災害などにおいて女性隊員も必要かも知れません。たんなる戦闘には必要性は低いと思いますが。

 先日、『トップガンマーヴェリック』を観てきましたが、そこにも男性が気絶する様な仕事をする仲間の中に女性隊員が一人入っていました。あれは、何の配慮なのかわかりませんが、男女平等の一つの表れなのだと思います。それも「そうしなければいけない」という様な意図を感じました。

 正直、わたしは、男女の違いという事実を鑑みて、脳みそ(知性理性)が男女の心身の違いを無視し、男女同じことをしないといけないと考えるのは、知性の暴走でしかないと思っています。

 それは男性の側だけではなく女性の側にも起きていることで、とりあえずは一人一人が判断して行動しないといけないのでしょうが、今は社会全体が男女平等の取り扱いで混乱している様に脳みそが自分自身を把握することと、正しい判断ができていないとしか言いようがないです。
 
本能、理性、判断の混乱という「事実」をどうしていくか、ですね。

五ノ井さんの活動の意味

 なので、できる対策としては、もし、女性自衛官が必要なのであれば、第三諮問機関をもっとアクティブにすること、監視の目を入れること、罰則や被害者を積極的に守るシステム導入(男性の中に超少人数の女性隊員を配置してはならぬ等)などを設けることも必要なのかも知れません。とにかく、組織として女性が必要なのであれば、男性の本能をも無視せず、教育も取り入れつつ、やっていくしかない。今回の五ノ井さんの件ももちろん証明されて、周りの人も正直に証言し、その男子たちやその場にいた止めなかった人も反省してほしいです。でも、人は自分を守るものです。もしかしたら、それは無理なのかも知れません。
 じゃあ、五ノ井さんのやっていることに意味がないのかっていうとそれはもう全然意味のあることです。これは声を大にして言いたい。

五ノ井さんのやっていることはとっても意味のあること!

 どう意味があるかというと、騒げば騒ぐほど組織内に自浄作用が働かざるを得なくなります。この動画によりますと今現在の女性自衛官がセクハラがひどいと認識しているのですから、たった今現役の女性自衛官や男性自衛官も声を上げる人が出てくるかも知れませんし、過去に同じ様な経験をした人も声を上げてくれるかも知れません。

 それがなかったとしても、世間の目が集まれば集まるほど、当事者、関係者も敏感になりますし、これから入隊しようとする女性も一回立ち止まったり、自衛をできるかどうか考えるかも知れません。人間に「本能」はあるのです。そしてまだコントロールはできていないのです。無きものにしようとすればするほど男女が理想的な関係を築く道は遠のきます。

 わたしの考えは、自衛隊という闘いを誘発する様な軍隊組織の存在はいらないと思っています。攻め入ってきたらどうするんだ、と言われたら、戦っても痛い人が増えるなら少ない方がいいと思います。今も、平和な様で何か目に見えない支配を受けている様なものです。ですから、何が幸福かもわかりません。なんにせよ、自分も他人も痛いのも、うちの旦那がもし人殺ししないといけない様な状況になるのが一番嫌なのです。うちの旦那の筋肉はそのためにあるのではありません。もちろん、他人の自衛隊員であってもそんな経験はしてもらいたくない。殺すのだったら殺された方がマシと思っています(みなさんがどう思うかはそれぞれ自由です)。

 わたしは、自衛隊が災害救助隊になり、本当の意味での国を守り周囲の国の人たちの役にも立つ組織になってほしいです。そしてそうはまだならなくとも、今せめて内部での今回の様なことを起こす不健康な集まりでなくなることを希望します。

 なので、訴訟を起こすということであれば五ノ井さんに寄付をしたいと思っています。こんなことを思うのはわたし的にはかなり珍しいことで、自分でもよほど変わってほしいんだなあって思っています。

 もっとひどい目にあった経験を持つ人もいるんだろうな、と想像に難くない。。。ほんとに、、、。とにかく


 五ノ井さん声を上げてくれてありがとう!

頑張れ!応援します!


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