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いつも心に、セーラー戦士


2021年9月12日
ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」かぐや姫の恋人
全16公演が終幕しました。

このコロナ禍の時代に、一人も欠けることなく、全員で16ステージを完走できた奇跡について、わたしの思いの丈を綴ることにします。最初にお伝えしておきますが、大学生の卒論くらい長いので、どうぞ流し読みしてください。


夢見た舞台


わたしは3歳からバレエ、13歳からジャズダンスと声楽を始めました。途中で宝塚にハマって受験するも一次審査で落ち、すぐに諦めてただのファンに。

ダンスは大好きだったので楽しく続けていたらバックダンサーの仕事を少しずつもらうようになり、19歳の時に「タンブリングvol.3」という舞台でバックダンサー出演をしました。ものすごく楽しかったけど、「次はあっち側(メインキャスト)で出たい」と思い、芸能界を意識するようになりました。

color-codeのオーディションに合格したのは本当にまぐれだとおもいますが、アーティスト活動を開始。それでも、ミュージカルに出るという夢はずっと持ち続けていたので、レッスンを受けながらいろんな舞台のオーディションを受けてきて、落ち続けて、、
初めて受かったのが、このセラミューでした。
それも、"人間ルナ"の役でお願いします、と言われた時、
昔見た劇場版の、あの可愛いルナを、わたしが?ほんとに?大丈夫?と、信じられない気持ちでした。


いつだか、ネルケの野上社長がテレビに出ていらして、その時に「オーディションには必ず行く。骨格から見る」と仰っていました。
わたしは骨格的に🦴okなのか?でも、野上さんの審美眼はすごいから。ネルケさんのミュージカルでキャスティングミスなんて見たことがない。うん、わたしもきっと、大丈夫。

そう言い聞かせて、セーラームーンの漫画を何周も読んで、アニメを見て、過去のセラミューも全部見て、たまに録画の野上さんの言葉をみて、
ドキドキしながら、稽古に臨みました。オーディションから実に約3年弱が経っていました。

キャストは全員が一人残らず美少女で、キャラにぴったりで、細くて、マスク越しでも顔が小さくて、おまけに声も可愛い、セリフを読んだら上手い、歌も上手い、ダンスも踊れる、セリフ覚えてくるの早い、、、ちょっ、ちょっとなにこれ、稽古見てるだけで幸せホルモンが出るんですけど…ハピネス…と呆けながら、最近の若い子はすごいなぁ、と、毎日感動の日々が始まりました。


「最近の若い子はすごい」

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その筆頭にいたのが、セーラームーン役の田中梨瑚ちゃんでした。

ハキハキして、でも気さくで、よく笑う。直されたところは翌日には全部練習して自分なりに芝居を作ってきて、セリフなんて最初からほぼ完璧にして稽古に入っていました。いつも全力で声を出して、集中して、ありのままで「うさぎちゃん」を生きる姿に、ついていきたくなるし、何かあれば守りたくなる。彼女は、生き様がそのままうさぎちゃんに重なる。若いながらにお芝居や芸能界を色々経験してきて、まさに10戦士で戦うシーズンに入ったうさぎちゃんそのものでした。まだ10代なのに、座長というに相応しい器のある人。本当、どんだけ好きなん?て感じだけど、好きなんです。love。


それを取り囲む個性豊かな仲間たちについて一人ずつ語っていいですか?ほんと、わたしはただのオタクが何かの間違いで中の人になってしまったようなものなので、全員への想いが募るばかりです。


キャスト紹介(MARISA目線)

セーラーマーキュリー/前川歌音ちゃん
トゥイーティーに似てるねって言ったら、好きなんです!!!と言ってました。いつも宝塚の話で大盛り上がりしてました。小さなパーツが奇跡的な配列で並んでいる、幼稚園生のお弁当箱くらい小さいお顔に、フィギュア体型。そのままお人形にして売ったらどうでしょうか?わたしが全部買います。


セーラーマーズ/小林れいちゃん
真面目で、一人でもくもくとコーラスの練習をしてたイメージがあります。クールな美人で声がハスキーで、戦士の口上ソングの「セーラーマー↓ズ♪さーんじょー♪」の↓のとこが超好きです。


セーラージュピター/松村キサラちゃん
今日好きに出てる子が出るんだ!とは知っていたものの、ご本人を初めて見たとき、そのスタイルの良さにおったまげでした(古)この調子で、現代に生まれる子たちはどんどん脚が長くなっていくんでしょうか?勘弁してください。。好きです。。


セーラーヴィーナス/牧野真鈴ちゃん
こんっっな可愛い子、見たことない!!!本当に!!!全人類が恋するってこういうこと!!
まりんちゃんをヴィーナス役にしたの誰ですか!?天才ですね!!!ほんとにかわいいのに、普段から一生懸命で、1ミリもどこにも嫌味がないんです。まさに愛と美貌の戦士。推します。


セーラーウラヌス/寺田真珠ちゃん
ウラネプは最初っからずーーーっと一緒にいました(尊)。この子、さぞかしかっこいい子なんだろうなと思って話しかけられずにいたところ、「わたし、オーディションでMARISAさんのこと覚えてます!」と話しかけてくれて、その声がふわっと優しくてほんわかしていて、ギャップに殺されてしまいました。なんかもっと話したいな、と思う人でした。真珠ちゃんのファニコンに入るかどうか検討しています。対戦よろしくお願いします。

セーラーネプチューン/ 木下綾菜ちゃん
マスクを外したら予想の半分までしかアゴがありませんでした。顔が小さすぎて恐ろしいです。そして、稽古で第一声を聞いた時、深海から聴こえるセイレーンの声ってこんな感じなんだろうなという、遠くから響くようでもあり、はっきりとそばで囁いてるようにも聞こえる、素敵な声だなと思いました。「気に入らないわ、この口紅の色」のあとに小さくぼやく「…そうかしら?」が好きです。対戦よろしくお願いします。

セーラープルート/南千紗登ちゃん
オーディションで見て「あ、この人プルートだわ」と思った人です。「デッド…………………スクリーム」の……………が超好きで、袖に張り付いてみていました。あんなにかっこいいのに笑ったら八重歯可愛すぎる問題で訴えて良いですか?個人的にご飯食べに行ったりしてみたい人No. 1です。対戦よろしくお願いします。

セーラーサターン /井手柚花ちゃん
本読みのとき、「この眩しい声はどこから…!?」と思ったらフィギュアみたいな子が喋ってて、夢を見ているかと思いました。ほたるちゃんの造形ってとても難しくて、子供なのに大人びていて、可愛いのに綺麗で、華奢なのに無敵、みたいな矛盾が両立してる存在だと思うんですけど、それにこんなどハマりの子いる?しかもオーディション時はきっともっと小さくて、延期を経てジャストサイズになってるの本当にすごくない?佑音ちゃんが出すクイズも全部正解しちゃう頭脳もあるのすごくない?

セーラーちびムーン/小林百合香ちゃん、鎌田英怜奈ちゃん
二人ともとにかく顔が可愛くて、歌も上手くて、、でもそれぞれ、ちょっとずつ性格が違うちびうさちゃんを演じていました。ルナ目線でいうと、えっちゃんのちびムーンより、ゆりかちびムーンの方が人間ルナをぶんぶんする力が強くて天真爛漫、えっちゃんはルナを見る目に滲み出る優しさがありました。将来が楽しみすぎるお二人です。


タキシード仮面/ 蒼羽りくさん
わたしが宝塚を受験したとき、受験会場で受験生のお世話をしてくれていた音楽学校生の中に蒼羽さんがいらっしゃいました。その後、宝塚で活躍される蒼羽さんをみていたので、初めお会いできた時は恐れ多くて平伏していたんですが、気さくで優しくて面白くて、まもちゃんは親しみやすくて高校生らしいまもちゃんで、タキ様はかっこよくて…ヅカオタの心が蘇りました。


プリンセススノーカグヤ/岡村さやかさん
お歌が!!!!!とんでもない!!!!
素晴らしいお歌を毎日楽しみにしていました。鏡前が隣で、他愛のないわたしの話もきいてくださり、歌のアドバイスもくださったり、本当にお優しい。しかも、文句なしのお歌なのに「今日のあの歌どうだったかなぁ?」とわたしなんかに聞いてきてくれたりする。カグヤ様も毎日少しずつニュアンスがちがったりして、連日聴けるこちらの耳はホクホクでした。一幕ラストのシーンで、カグヤ様の歌にルナシャドーが踊らされている(とわたしは思っている)シーンがすっごく好きでした。大好きで尊敬する先輩です。


ルナ/ 櫻井佑音ちゃん
良い歳して人見知りしまくっていたわたしにモリモリ話しかけて写真撮ってくれた人懐っこい少女が、あの最初から最後まで出ずっぱりのルナという大役をこなしました。本当にすごい。お歌もうまくて、お芝居もちゃんと猫ちゃんになっていて、あの若さで、尊敬しかありません。それでいて、空き時間があるとすぐクイズを出してくるんですよ。で、「あとでまたやってもいいですか?」って聞いてくるんですよ。礼儀正しい少女可愛すぎません?わたしは、ルナが佑音ちゃんで本当に良かった。一緒に、一人のルナというキャラクターを生きることができて、本当によかった。大好きです。


名夜竹姫子/玉井七海ちゃん
人見知りしまくりのわたしは稽古場でわちゃわちゃ話してるところにもじもじして入れず、戦士たちはまばゆい光を放っていたので近付けず、とぼとぼ稽古場を後にして、駅でばったり会ったのが姫ちゃんでした。役としては恋敵だけど、行き帰りで一番話したのは姫ちゃんでした。一度稽古になれば、わたしが原作を読んで想像していた通りの姫子の声で喋るから驚きました。解釈の一致ってこういうことだなと思いました。姫ちゃんの歌で、一人の人に二人で想いを馳せて踊る二幕最初の曲がいつも楽しみでした。


宇宙翔/沖なつ芽ちゃん
稽古場で初めて挨拶した時、「おはよ〜」って第一声で言われて、ゆるくてびっくりしました。目が大きくて造形がはっきりしためっっっちゃくちゃ美少女なんですよ。「別に?」ってされてもアザス!!!ってなるくらいの美少女が、タメ口で挨拶してきてくれて、一瞬で大好きになりました。
翔さんとのシーンは、翔とルナでありながら、MARISAと沖ちゃんで何度も何度も繰り返しぶつかって、そしたらなぜか涙が止まらなくなって、二人で泣きながら稽古をしました。わたしは芝居の稽古をつけてもらうのがほとんど初めてで、でも、心でぶつかっていったら、こんなにも伝わる。相手にも、もしかしたら、見る人にも。

そんな大切な経験をさせてくれたのは、翔さんとして生きて、ルナにぶつかってくれた沖ちゃんだからだな、と。本番も毎日心が動かされて、見送る時は本当につらかったけど、最高に幸せでした。


スノーダンサーの皆さん
わたしが10年前にダンスをバリバリやっていた頃に、同じスタジオで頑張っていた方3名(長澤さん、平野さん、やなぎー)とご一緒できました。
これ、わたしの一つの夢でもありました。当時一緒にダンスを頑張っていた仲間たちはそれぞれの道に進み、わたしは芸能界に。時を経て、お互いがプロとして、お仕事として同じ板を踏めること。こんな嬉しいことはないです。一幕最後のシーンは、そういう意味でもすごい昂って踊っていました。
ご存知の通り、スノーダンサーさんたちはものすごい運動量です。階段を何回も駆け上がり、何回も戦士たちにやられる。

最後、戦士たちが勝つところでは、みんなの愛のパルスに溶かされていくスノーダンサーたちの表現があります。腕から、足から、頭から溶けてなくなっていく、その表現がさすがなんです。アーカイブで刮目せよ。


中の人でよかったこと


毎日、ニュースをみながら、こんな状況で本当に幕が開けられるんだろうかと不安でした。ヘアメイクさんや衣装さん、演出部の皆さんなど、2.5次元ミュージカルは大勢のスタッフさんに支えられています。ネットをつけて、マイクをつけて、ウィッグをつけて、衣装を着る、その全てにスタッフさんが必要です。その大切なスタッフさんを含めた大団円の中に、1人でも感染者が出たら。もし、わたしが感染してしまったら。そんな恐怖で、毎日マスク2枚にメガネに帽子で稽古に向かっていました。

でも、誰も感染することなく、無事開幕できました。何度も言いますがこれは奇跡です。

開場してからも客席のみなさんは本当に静かで、「(やばい、今日ガラガラなのかも…)」と思ってルナシャドーでピャーッとタキ様のマントの裏から出てみたら(め、めっちゃいるーー!!!)と思う日々でした。そのくらい、皆さんが感染対策に協力してくださって、絶対にここから感染者を出さないぞ!!俺たちがセラミュを守る!という強い意思が伺えました。ありがとうございました。

You're my unverseの「太陽系の輝き〜」と歌いはじめる戦士たちを、2袖から見るのがルナシャドーの楽しみでした。裏でキャッキャしてても、舞台に立ったみんなは別人の様に、ちゃんと戦士になりました。真っ直ぐ前を見つめて歌う横顔を見てると、なんかそれだけで泣けるんですよ。16公演中18公演くらいはそこで涙を浮かべてました。尊いってこういうこと言うんだな。ルナシャドーがマスクしててよかった瞬間です。
そしてそのあとの、「強さとともに you're my universe」のあとに、戦士たちポーズするじゃないですか。音にばちーんと当てて決めポーズする5戦士とその後ろに出る公演タイトルが本当に本当にかっこよくて、しかもお稽古から本番になるにつれて、そこに自信みたいなものが感じられるようになって。本当に強くなっていったんだな、と思いました。なので、個人的には配信された録音音源より、本番の歌の方が好きなんです、You're my universe。強くてかっこいいセーラー戦士が滲み出ているので。


そして、内部戦士を襲う妖魔たちの元に訪れる四つの光。そして轟音と共に登場する外部と、その後ろに各戦士のマークが映し出される。外部たちは本当にああやって、雷が落ちるみたいに登場するんでしょうね。なにこの演出。天才?
Twitterにすでに1万回書かれてましたが、サターンの「時はみーーちたーーー!」は初回稽古から神がかってました。

このオープニングシーンを見てるだけで「今回のセラミューは、やばい」とわかります。新しくて、強くて、美しい、令和のセーラー戦士たち。

あとは、ルナの愛のパルスで氷が溶けていくところ。あのシーンは必ず袖に駆けつけて、立ち上がれ!!セーラームーン!!!たのむ!!!って、泣いてました。

アーカイブは日曜で見れなくなってしまいますが、わたしは中の人なので稽古動画が!!!!!見れる!!!!!!円盤まではそれを糧に生きる!!!!中の人でよかった!!!!!!!!


ルナについて


わたしの話をします。

ルナのシャドーは、台本を読んだときに
人間ルナ(ルナシャドー) : MARISA
と書いてあって初めて知りました。わたしは人間ルナ役だから、二幕の最後に登場するだけだから、稽古日数も少ないんだろうな…とワナワナしながらの本読みで、「もっと出れるってこと!?ワクワク」というのが率直な感想でした。

いざシャドーの初登場の稽古の日、
里美さんがわたしに
「キャッツできる?」
と突然聞いてきました。

(キャッツできる?ってなんだろう?なんかの技?あっ、ゲッツのこと?)

とダンディ坂野で思考停止していたら

里美さん「ちょっと、キャッツやってみて」
わたし「え、あのー、キャッツって、ミュージカルのCATSですか?」
里美さん「そうそう」


一度見たCATSの映画の記憶を振り絞って猫っぽい動きで四つ足で歩いてみたりしたところ

「そっち系でいこう✔️」

となりました。


そこから、怒涛の振り付けがはじまりました。
里美さんのことは以前から存じ上げていて、とってもかっこいい振付をする先生だと思っていたのですごく楽しみだったのですが、なんせ一人で転がったり飛んだり跳ねたりするので、振付の日は、汗をかいても美しい美少女集団の中に一人だけ、サウナと水風呂20周してきた人が混ざっちゃったくらいに真っ赤に汗をかいていて非常に恥ずかしかったです。

でも、久しぶりに踊ってみたら表現はとっても楽しくて、「わたし踊るのこんなに好きだったんだ」と思い出せました。猫としての動きは映画のCATSと「岩合光昭の世界ネコ歩き」を見てたくさん研究しました。

なにより、わたしにあんなに踊るシーンや猫としての表現を任せてくださった香さんと里美さんに対して、イメージ以上のものを絶対にかえしたい、とおもいました。すごく愛と信頼を感じて、頑張れました。本当に嬉しかった。




人間になってからは、、、なんとも、言葉にできません。

ルナは、きっと笑顔で、かぐや姫として翔の背中を押すだろう。もう二度とこの姿では会えないとしても、翔さんが「二人で見れたら良いな」と言ってくれた宇宙の夜明けを、最後に二人で見れたのだから。翔さんのこれからの幸せを願い、笑って見送るだろう。

ただ、ルナとして生きることを一番にかんがえました。


大好きな作品の、大好きなキャラで、大好きなシーンで。
こんな大役をいただいたことは、わたしの人生の宝物になりました。

ファンも多く、初めて実写化されるキャラだからこそ、どんな批判もやむなし!!とおもっていたわたしに、お客様はみんな嬉しい言葉をたくさんかけてくれました。「MARISAさんがルナをやってくれてよかった」この言葉をいただけて、わたしはニコニコ顔で成仏できます。ファンアートも嬉しいツイートも全部保存して、墓まで持っていきたい所存です。見ていただいたすべての方へ、ありがとうございました。



おわりに

卒論みたいになってしまいました。

今回のセラミューは、楽曲も素晴らしいですよね。坂部さんの書き下ろした歌を自分が歌える日が来るなんて。人生とはわからないものです。

アーカイブ配信が終わったら、DVDがあります。

嬉しいことに、エゴサをしていると「再演して欲しい!」「CDが欲しい!」という声をたくさん目にします。わたしも、完全に同意です。ですが、先のことはわかりません。

わたしはキャストとして出演して、終わってみたら一人のセラムンファンになっていました。だからいちファンとして、あの令和のセーラー戦士たちに、また逢いたい。袖にいるわたしにも、立ち上がる勇気と、あきらめない気持ちを教えてくれた、かっこいい戦士たち。


これからも、セラミューが続きますように。

この願いにすべての想いを託して、筆を置きます。

MARISAのルナを受け入れてくださり、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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セラミュー最高!!!


MARISA



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