人類史上初?! Apple Vision Pro 富士山御来光野郎突撃インタビュー
「山開き後初週末の富士登山。おそらく、私が初のApple Vision Pro 御来光野郎…」そのようなソーシャルメディアポストが私の目に飛び込んできた。10年来の知り合いのIBM岸本拓磨氏だ。
彼がテレビ局時代から知り合いなのだが、新しいソフトやガジェットを使いこなし新しい体験を生み出している彼がまた面白いことをしていると思い、下山翌日インタビューさせてもらった。世界文化遺産の山頂で岸本氏はどのような「新しい文化の可能性」を感じたのか?私たちはたまに Xのハンドルネームで呼び合うので今回は岸本氏を VJ TAKUMA そして私を mariroom として以下登場させる。
mariroom (以下 m) :「山開き後初週末の富士登山で一体何をやってたのですか?!」
VJ TAKUMA (以下 T) :「ご来光の感動をApple Vision Proの空間で捉えたかったのですよ。iPhoneなどの撮影と違い、ご来光の奥行き・立体感が捉えられるので撮影装置として使いました。あとは、富士山頂にてApple Vision Proの中のプリセットの別の山頂を重ねて "二重山頂体験 "なども味わってました。」
m: 「うう、みたい!YouTubeとかにあげてもらえませんか?」
T:「いやいや、YouTubeではあの奥行きは出せません。なので、これはVision Proの中だけでの体験となります。
新紙幣一万円札を見ましたか?3Dホログラムで渋沢栄一さんが浮かび上がってくる。あの紙幣が出てくるタイミングで、ご来光はじめVision Proで立体体験を味わえるというのは時代の節目を感じます。」
m: 「くぅ、、羨ましい。それにしても、斬新なご来光・富士山登頂の体験ですね〜〜 人類史上初体験。でも重くなかったですか?あと登山はなるべく荷物を最小化するものなのにApple Vision Proはかさばりますよね?」
T:「Apple Vision Proのトラベルケースを見たことがある方はごっつい大きさのものを想像すると思いますが、Vision Proはマグネットでパーツごとを装着して組み立てられるのでコンパクトになるんです。なので、登山グッズに追加しても負荷ではありませんでした。」
m:「ご来光を3Dで臨場感ある形でお持ち帰りする。その感覚ってどのようなものですか?」
T:「ちょっと哲学的にはなるのですが、攻殻機動隊のセリフの中に「コンピューターの普及が記憶の外部化を可能にした時、あなたたちはその意味を、もっと真剣に考えるべきだった」 というのがあるんですよね。私はご来光を保存した時にこのセリフが頭の中によぎりました。」
T:「私はご来光を保存をしたのですが、私の記憶は時間と共にその体験を捏造していく。その捏造と保存当時のデータを未来から見て突き合わせるのも面白いんじゃないか、と。」
m:「面白いですね。その意味ではiPhoneなど矩形画像を2Dで残すよりも3Dの方が圧倒的に時代経過後の記憶との差異は少なそう。そもそもVJ TAKUMAは新しい物好きというのは重々承知ですが、今回Vision Proを入手した大きな理由はなんですか?」
T:「やっと3D MAXの映画館が手に入れられた!という感覚が大きいです。今までは例えばスターウォーズの映画が3D MAXで上映されるとしても日本国内の一番大きなスクリーンを探して映画を見たりするぐらいだったのですが、なかなか家庭内で3D MAXの臨場感を味わうことができません。オーディオマニアがどれだけ頑張っても家で再現するのが難しかったのが3D MAX体験です。それがたった数十万で手に入るのです。オーディオ設備にこだわる数百万数千万という金額に比較するとお手頃ですよね!
やっと拡張シアターを手に入れたというのが満足度としてとても大きいです。Appleはマーベルを保有しているので、これからみんなが好きなアベンジャーズも見れちゃうでしょうし、トイ・ストーリーもどんな映像体験となってVision Proに現れるのか、考えるだけでワクワクします」
m:「先日DJ アプリ "Djay"で遊んでいる様子もソーシャルメディアにポストされてました。ぜひこちらも教えてください。」
T:「このDjay アプリはとにかく素敵すぎます。visionOS向けのデザイン、次世代のUIを考える上でインストール必須のアプリです。何が感動かというと、映画「マトリックス」のローディングプログラムのシーンで白い空間に様々なものがバッと登場するのありますよね?映像作る人間としてはあのような「自分が欲しいものを空間に登場させる」という演出は最高なのですが、それがDjayではレコードを登場させる演出として追体験できるのです。」
T:「部屋にApple Musicのレコードがずらっと登場し、そこからレコードを取り出しプレイヤーに置き音楽を流す。それだけでも感動なのですが、フェーダーの"物理ボタン(デジタルだが本当に触っている感覚になる)"にも触れるし、レコード盤面も触れる。本当のDJプレイができるのです。何よりも最高だと思ったのは、控え目に配置されたエフェクトボタンを押すとミラーボールが、天井の位置を把握して登場するのです。
このミラーボールは本来であれば機能としては不要と思われても問題ないものなのに、多分チームメンバーの誰かが「絶対入れたい!」って言ったんでしょうね。で、それをチームとしても入れ込んだのでしょう。制作チームのこだわり、愛が伝わってきて、本当に涙が出ました。」
T:「レコード盤面を触り、"物理ボタン" を触り、やっと「音に触ることができた」、と感動しました。これらApple Vision Proは次世代UIデザインを触る人は必携のツールとなるだろうと考えております。今のうちから触っていくことで感覚が養えると思います。」
T:「IBMも実はすでにApple Vision Proアプリを作ってます。ゴルフのマスターズと共に作りました。これはゴルフ好きのエグゼクティブにはたまらないと思います。映像では今まで通りのゴルフプレイヤーを、そして、3Dゴルフ場ではボールがどこを飛んだのかがスピード、距離、位置を含めて再現されます。多言語解説もAIが自動生成するので「あの日のプレイを再現させながらお酒を飲む」など、ゴルフを多面的に解釈するのに最適な体験だと思っています。私とかは変態な使い方をしがちなので、2プレイを同時に二つ並べて体験してみたりしています。これはこれで面白いです。テレビやiPhoneでは体験できない体験が増えてきています。一人でも多くの方にApple Vision Proを触ったこの体験を共有していきたいです。」
VJ TAKUMAはiPhoneが出てきた当時も早めに触り、多くの方に感動を伝えることにより周りにiPhone仲間を増やしていったという。私もこの取材が終わった後にAppleのサイトを見に行ってしまった。私自身の体験として共有する日も近いだろう。
VJ TAKUMAのご来光キャプチャ以外の面白い体験も出てきたらまたお届けしたいと思う。
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