新型コロナウイルスによりビジネスが加速しているスタートアップ[PART-2]
静岡企業×スタートアップによる新規事業・産業創出プロジェクト「TECH BEAT Shizuoka」プロデューサーをしているHEART CATCH 西村真里子 です。当記事では、新型コロナウイルス以降の経営状況変化に対して、コスト削減だけではなく新たな事業創出を生み出すことを武器に立ち向かおうと検討されている経営者の方にスタートアップとの協業の可能性を(改めて)ご検討いただきたい、その思いを伝えるためにこの状況下で問合せが伸び、ピンチをチャンスに活かしているスタートアップ[PART-2]をご紹介していきます。
[PART-1]では記事を書くに至った経産省報告および
スタートアップとしてはVR会議ソリューションを展開するSynamonと
農業収穫ロボット inahoをご紹介しております。
■ビジネスオポチュニティが増えているスタートアップ
この記事では1)日本発のお買い物代行プラットフォーム「ツイディ(Twidy)」を開発・運営するダブルフロンティア株式会社の 代表取締役 八木橋 裕 氏と、2)リーガルテック / オンライン契約を推進する株式会社Hubble(ハブル)の創業メンバーでありCLO(チーフ・リーガル・オフィサー)の弁護士 酒井智也氏にお時間いただき、コロナ以降どのようなビジネスオポチュニティが増えているのか教えていただきました。
質問内容:
★コロナ騒動後に問合せがビジネスオポチュニティ増えましたか?
★お問合せ内容はどのようなものでしょうか?
★このピンチを、どのようなチャンスと捉えてますか?
※質問内容はスタートアップ毎に変更するケースもあり
■実注文が倍増。この機会にカスタマーサクセス部門を新設。サービス品質を高めるチャンスと捉えるダブルフロンティア。
まずダブルフロンティア /「ツイディ(Twidy)」の八木橋裕氏に伺いました。米国の買い物代行サービス「インスタカート(Instacart)」は、このコロナの影響で人員30万人増加したというニュースも目にします。在宅勤務、子育てと仕事の両立など家事代行を必要としている人々が増えるなか日本版インスタカートとも言われる「ツイディ(Twidy)」はどのような状況なのでしょうか?
★コロナ騒動後に問合せがビジネスオポチュニティ増えましたか?
八木橋:はい。ビジネスオポチュニティではなく、実際に「ツイディ(Twidy)」を活用した注文数がコロナ前の2倍以上に増えました。新規の顧客獲得も増えています。この2ヶ月で新規登録25%アップです。
★2倍はすごいですね。お問合せの内容はどのようなものでしょうか?
八木橋:注文数が増えたのに合わせて、お客様からの問い合わせも増えました。4月からお客様対応を専門に行うCS(カスタマーサクセス)部を設置しました。
★このピンチを、どのようなチャンスと捉えてますか?
八木橋:お客様からの問い合わせ(クレーム含む)の一つ一つに真摯に対応し、これを契機にサービスクオリティを上げていきます。
会社としても「価値観・行動理念」に唄っている「マッハ改善」です。
他の企業が真似できないオペレーションエクセレンスを確立していきます。
--自社ビジネス拡大・サービス改善とともに日産や日経新聞ともパートナーシップを組み日本に買い物代行を根づかせようとと2018年から奮闘する八木橋氏。noteの記事のなかでは失業応急策としてもツイディを取り上げるものもある。利用者だけではなく、働き先を求める人々の活用も増え日本でも本格導入が進みそうである。
■経営者には、自社の未来についての想像力が求められている
続いてオンライン契約・法務ドキュメント特化型クラウドサービスを提供する株式会社Hubble(ハブル)の酒井智也CLOのインタビューです。
★コロナ騒動後に問合せがビジネスオポチュニティ増えましたか?
酒井:はい、増えました。3月に「在宅応援プラン」を立ち上げ、それ以降、資料請求や問い合わせ等が約1.5倍増加しています。円滑な在宅ワークを妨げる「ハンコ業務」の足枷を感じる方がやはり多いようで、電子契約サービスに注目が集まるとともに、契約業務自体を効率化するシステム全体への関心が高まっています。
★お問合せの内容はどのようなものでしょうか?
酒井:いくつか種類があるのでご紹介します。
・在宅ワーク環境下での契約書のチェック依頼部門と法務担当者間のやりとりをよりスムーズに行いたい
・紙を中心に業務を行ってきたものの、これを機に契約業務をデジタル化していきたい
・これまで、契約業務に関して属人化しており、在宅ワーク下において、それが顕著になり、情報の属人化を防止したい
・在宅ワークへの移行に伴い、柔軟な働き方に対応すべく、オンプレミス(≒自社サーバー運用)から、データをクラウドに移行したい
★このピンチを、どのようなチャンスと捉えてますか?
酒井:Hubble(ハブル)としては、問合せが増え、お客様や潜在顧客のニーズを把握することができ、やるべきことがより明確になりました。なので、このような状況はより良いサービスを提供するための良い機会と捉えています。企業はコスト削減の観点から、各種サービスを解約する傾向にはありますが、その企業にとって真に必要なものについては、継続して利用されていきます。つまり、このコロナ下の状況により、真に価値を提供できているものとそうでは無いものがシビアに判断されるということになります。オンライン契約サービスを提供する我々にとって、企業に対して真に価値あるものを提供をするため、より注力できる環境が整ったのはとてもポジティブに捉えています。経済全体としても、日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を大きく前進させるきっかけになる可能性があるという面でチャンスですよね。特にバックオフィス系の業務は他業務に比してアナログなやり方が残存していた傾向があるので、この機を境に働き方に大きな変化がみられる可能性にも大きく期待しております。
また、今回の災禍を「新しい社会が始まる契機」と考えている企業とそうでない企業とで、今後の経済活動のあり方に大きな差が生まれる可能性があり、伝統的なやり方に固執せず、訪れる変化を予測し、その変化を受け入れて対応していかなければないとも考えております。その意味で、今、経営者や法務部門の責任者には、自社の未来についての想像力が求められています。多くの企業でDXによる変革が起こり、その変革が将来の常識になり、新たな社会がつくられていくことを期待すべく、Hubble(ハブル)としてもよりよいサービスで支援をしていきたいと考えております。
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この状況をチャンスと捉えカスタマーサクセス部門新設するダブルフロンティア、そして問合せを多く受けられるように新規サービスを開始させ、お客様および潜在顧客のヒアリングを行うことにより自社サービスの改善を行うHubble(ハブル)。両者ともこのピンチだからこそ得られる「お客様・潜在顧客の生の声」をたくさん集め、より良いサービスを作ることを目指している。このような状況だからこそ集められるお客様・潜在顧客の声を徹底して集める施策にでるのも将来に対して非常に有効そうである。彼らはピンチをチャンスに変え、これからの産業・社会を形成していくことだろう。
私の耳にさらに!イキの良いスタートアップの挑戦、およびその背後に見える挑戦する企業の姿が見えてきたら[PART-3]でまたお伝えします。
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