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Happy Very Muchと、BEARS TABLEの思い出

少し前のことになるけれど。
2020年5月31日は、私にとって区切りの1日でした。
この日は、2013年11月の立ち上げから関わってきた
ウエディングプロデュースチーム "Happy Very Much"と、
カフェ"BEARS TABLE"が閉店した日だったからです。

実際に私がここで働いていたのは昨年末までのことで、
今はもう違う場所で刺激的な仕事を始めているのだけれど
(その話は長くなってしまうので、また近々・・!)
BEARS TABLEやHappy Very Muchで過ごした6年半は、
紛れもなく、大切な時間でした。
気がつけばどの学校や職場よりも長い時間、あの場所にいたんだな〜。
辞めてからもなんだかいまいち実感が沸いてこなくて
不思議なタイミングになってしまったけど、
閉店という区切りを迎えた今、
思い出を少しだけ書き留めておきたいと思います。

BEARS TABLEとHappy Very Muchをスタートする3ヶ月くらい前。
まだ店舗も出来ていなければ、一緒に働くスタッフもいない時期。
長い時間をかけてブランドのコンセプトを練っていた時のことを
今もよく覚えています。
私たちは誰に向けて、何を作るつもりなのか。
大袈裟だけれど、世の中にどんな影響を与えたいのか。
私をこのプロジェクトに誘ってくれた熊田さんと二人で色んな話をする中で何となく共有してきたことを、
見知らぬ誰かにも届く言葉にしようと思って、考えたな。

そうして二つのブランドのコンセプトができ上がった時、
何だかとってもわくわくしました。

もうウェブサイトはなくなってしまったので、
ここにそっと残しておきたいと思います。

  "Happy Very Much"
心地よい空間、美味しい料理、楽しい音楽。
人生の節目の喜びを、大切な人たちと分かち合う、結婚式という場。
本当に必要なものは、きっとそんなに多くない。
だからこそ、もっと自由でいいはずです。
「こうあるべき」に縛られた、窮屈な結婚式をあげるのではなく、
心からしっくりくる、二人に似合う自然体のお祝いを選んでほしい。
   "BEARS TABLE"  
届けたいのは、訪れる人がそのままになれる時間。
肩の力をぬいて、つくり笑いをやめて、心からリラックスして。
飾らない自分でいられる、どんな贅沢より豊かなひとときを、
ここからつくりだしたい。
料理、インテリア、接客、音楽…
この場所のすべてが大事にするのは、
心地よいこと。あたたかいこと。そして、わくわくすること。
どんな時も、人の温度を感じられるお店でありたいと思っています。
一度、遊びにきてください。
歴史が息づくこの街の片隅で、のんびりお待ちしています。

今思うと、
この2つの文章が出来た時が、本当のスタートだったんだと思います。

当時の私は、ウエディングをプロデュースした経験も、
飲食店を運営した経験もなくて。
事業モデルもオペレーションも現場のマネジメントも、
はじめてからしばらくは何もかもぼろぼろだったし、
おそらく少しの経験や知識があれば簡単に回避できたであろう些細な壁にも
いちいちぶつかったように思います。
全て体当たりでやってみて、上手くいったりいかなかったりして、
どうにか次に生かす。
その繰り返しで、少しずつ進むしかない日々でした。
(体力的にもかなりしんどい数年間だったので、きっともう同じことはできない笑)

楽しそうだよねと年末年始やお正月にお店を開けることを決めたら、長時間労働すぎて皆で死にそうになったり、
わくわくした気持ちのままにウエディングのお客様に非現実的な提案をしてしまって、実現するのに四苦八苦したり、
スタッフやパートナーに無茶な仕事の任せ方をしてしまったり、
最初は本当に、問題ばかりのプロデューサーでした。
今思い返しても、よくみんな一緒に働いてくれたな。。

でもどんな時にも、
スタート時に掲げた二つの文章が色褪せることはおそらくなく。
それは現実からはまだ遠い理想ではあっても、
お店やブランドが目指していく旗であり続けることが出来ました。
それだけは今も、誇りに思います。
この旗の周りに集まってくれた人たちと一緒に、
夢見た理想の風景を少しずつ形にしていく過程は、
本当に楽しかったな。

新しい環境で働く今。
日々自分の非力さを痛感するけれど。
今の瞬間に実現可能なことばかりを見つめるのではなくて、
まだ見ぬ理想を語り、誰かと未来を共有して、
少しずつ楽しみながら、形にしようとしていくこと。
この6年半に教えてもらったことを忘れずに、
これからも挑戦していきたいと思います。

どこにいても、何をしていても。

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浅草で一緒に働いたみんな、
お世話になったパートナーのみなさま
そしてたくさんの素敵なお客様、
BEARS TABLEとHappy Very Muchのことを大切に思ってくださり、
本当に本当に、ありがとうございました。
日当たりの良いテーブルでのたくさんのおしゃべりの数々。
きっとずっと忘れません。

そして、私をこの仕事に誘ってくれた熊田さん。
経験もないのに頭でっかちで、夢みがちだった24歳の生意気な私を
仲間に選んでくれて、ありがとうございました。
自分の弱みを隠そうと一人でもがくより、
周りの人たちを信頼して、身を預けて、
チームの中で、自分の強みを生かそうとしていくこと。
教えてくれたのは、多分熊田さんでした。
この御礼は、これからの人生のまたどこかで。

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