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大和国のマリーアントワネット⑴

ボヤッと。白く光っていた。
遠くに 鏡を 何回も跳ね返して辿り着くような そんな場所に。
私の記憶の始まりはじまり。

美しく大きな鏡台の中に、幼児期の記憶が眠っている。
私はキチンと整頓されたお部屋の隅の母の鏡台が好きだった。
こっそり引出しを開けてみたり、歌ったり、踊ったり。
鏡の前に座って自分と話していてた。
片目だけ、二重まぶただったため、もうひとつも二重になる様にお願いしていたら、なった記憶もある。魔法の国も遠からず。
私の目の前の鏡の国。
シャンデリアもお城の白い階段も何でも見えた。
白馬の王子さまも、想像できたんだ。
なんてしあわせな物語のはじまりだ。
と思えそうだが、妹がこの後ふたり産まれるまでの
大和の国のマリーアントワネットの平穏な時間は短かった。

あなたのこころに留まりますように♡♡♡ 読んでいただいてどうも有難うございます♡